原題:The Island President

2011 年 カナダ・トロント国際映画祭 ドキュメンタリー映画観客賞 2012 年 サンダンス映画祭 ヒルトンワールドワイド・ライトステイ・サステイナビリティ賞 2012 年 第 25 回東京国際映画祭 natural TIFF 部門 正式出品

2011年/英語・ディベヒ語/アメリカ/カラー/HD/101分/ドキュメンタリー 配給:浦安ドキュメンタリーオフィス

2013年8 月10 日(土)より新宿K's cinemaにてロードショー!

(C)2011 AfterImage Public Media

公開初日 2013/08/10

配給会社名 1235

解説


モルディブを絶対に沈めない。
世界のすべての政治家、必見!
国を、地球を守るために闘う男の痛快ドキュメンタリー

海面が1m上昇すると国土の 80%が水没するといわれる、インド洋に浮かぶ島国・モルディブ共和国。地球温暖化の影響で、2100 年までには国土消滅もささやかれる中、立ち上がったのは若き新大統領モハメド・ナシードだった。彼は大統領の椅子に深く腰掛ける間もないまま、世界の大国相手にモルディブの水没危機を熱く叫び始めた。

モルディブの圧巻の映像美の中、奮闘する大統領の舞台裏を見事に描く
音楽はレディオヘッドが全面協力!

世界有数のリゾート地モルディブでは、30 年もの間、独裁政治が続いていたが、2008 年
ついに民主主義が実現する。市民活動家から新たに大統領に選ばれたナシードは、民主化もつかの間、就任直後から気候変動が原因の海面上昇による水没危機に直面し、各国に対しさまざまな働きかけを行う。2009 年に開催された COP15(気候変動枠組条約第 15 回締約国会議)では、温室効果ガスの排出規制に関する合意を取り付けるため、世界の大国に臆することなくロビー活動を展開。海抜平均わずか1.5mの小国のリーダーが、果たして世界を動かすのか。紺碧の海に浮かぶサンゴ礁の美しい島々を背景に、一瞬たりとも見逃せないドラマチックなストーリーが繰り広げられる。
本作では、英国を代表するロックバンド・レディオヘッドが全編を通して音楽でサポート。
‘Idioteque’,’Everything In Its Right Place’など全 14 曲が“パラダイス”と形容される楽園風景と、緊迫する政治のコントラストを見事に演出しており、音楽面でも見逃せない作品となっている。

ストーリー



ジョン・シェンク監督作品『南の島の大統領——沈みゆくモルディブ』は、モルディブのモハメド・ナシード元大統領のある一年間を描いた物語である。彼は、今まで世界の他のどんなリーダーが経験したよりも大きな問題に直面していた——文字通り、モルディブと国民が“生き残る”ことができるのかという問題だ。

度重なる投獄と拷問に耐えつつ、マウムーン・アブドゥル・ガユームの独裁政権に反対する民主化運動を 20 年にわたって主導したナシードは、その後、41 歳の若さでモルディブの大統領となった。しかし、喜びのつかの間、そこで直面したのは独裁者よりもはるかに手ごわい相手——海、であった。世界でも最も低い位置にあるモルディブでは、たった 1 メートル海面が上がるだけでも、国土の大半が水没にしてしまい、そこに住み続けるのは極めて困難になる。
世界の主要な国々が根本的な変革を起こさない限り、モルディブは、まさに現代のアトランティス島1のように、波間に消えていってしまうことだろう。

この逆境が今まで前例のない危機であるように、モルディブそれ自体も他に類を見ない国である。息をのむほど美しいターコイズ色の浅瀬や黄金の砂浜、そしてヤシの木。“地上の楽園”モルディブは、インド亜大陸の南西部にあり、1200 ものサンゴ島からなる国である。しかし、そのうち、人が住んでいるのは 200 ノ島にすぎない。約 640 キロ(400 マイル)にわたってネックレス状に 1200 の島が分散しており、地球上でも地理的に最も広範囲に広がる国の一つとなっている。

イスラム教スンニー派国であるモルディブが民主化したのは、2008 年のことであった。数年前、チュニジアやエジプトといった中東地域では、独裁政権打倒のための革命がおきたが、それらの革命とモルディブの民主化のプロセスは驚くほど似ている。ただ、モルディブでの運動が、他の革命や民主化運動と異なっている点としては、従来の独裁政権に対抗する野党がちゃんと存在していたことが挙げられるだろう。そのモルディブ民主党(MDP)結成の中心となった人物こそが、自国を民主主義へと導く決意を秘めたカリスマ的リーダー、ナシードだった。
スリランカとイギリスでの教育は、ナシードを非常に賢く教養のある政治家へと育て上げた。
その結果、ナシードが導き出した結論とは、ちっぽけなモルディブが、この気候変動というスケールの大きな問題に立ち向かう為には、世界全体でこの問題を取り上げるしかないというものだった。

スタッフ

監督・撮影:ジョン・シェンク
編集:ペドロ・コス
録音:リンコルン・エルス
音楽:レディオヘッド、スターズ・オブ・ザ・リッド
追加音楽作曲:マルコ・ダンブロシオ
プロデュ—サ—:リチャード・バージ、ボニー・コーエン
制作総指揮:ジョン・エルス
ITVS 製作総指揮:サリー・ジョー・フィファ
共同製作総指揮 ダン・コーガン
制作:Actual Films
協力:フォード基金、マッカーサー基金、太平洋慈善基金会、サンダンス・ドキュメンタリー
映画基金、プーマ・クリエイティブ・モビリティ基金、ブレイン・L・フェラーリ及び
ローリエ・K・ポストン、ワラス・グローバル基金
配給宣伝:浦安ドキュメンタリーオフィス
宣伝協力:ブラウニー

キャスト

モハメド・“アンニ”・ナシード:モルディブ共和国大統領
アーメド・ナシーム:外務担当国務大臣(現外務大臣)
モハメド・アスラム:環境大臣
アミナス・シャウナ:次官代理、大統領室
(気候変動問題担当官)
モハメド・ズハイル:報道官、大統領室
ライラ・アリ:モハメド・ナシード大統領の妻
アーメド・ムーサ:科学技術大統領公使
ポール・ロバーツ:国際報道顧問、大統領室
モハメド・ワヒード:モルディブ共和国副大統領(現大統領)
マーク・ライナス:気候変動に関する大統領顧問
(環境問題研究者)
モハメド・ザイヤド:秘書官、大統領室
アーメド・シャヒード:外務大臣(現国連イラン人権特別報告者)
アブドゥル・モハメド:国連大使
イブラヒム・フセイン・ザキ:大統領特別公使
イルシシャム・アダム:駐ジュネーブ国連大使

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