2015年/日本/カラー/5.1ch/DCP/ビスタサイズ/119分/G 配給:アイエス・フィールド

2015年6月13日(土)より有楽町スバル座他全国ロードショー! 2015年5月30日(土)より青森全県先行公開

©2015 「ライアの祈り」製作委員会 ©森沢明夫/小学館

公開初日 2015/05/30

配給会社名 1250

解説


幸せのカタチは決してひとつではない。

映画『ライアの祈り』—それは、人生に臆病になっていたひとりの女性が“人間本来の生き方”のエッセンスに満ちた“縄文時代”に触れ、自身の幸せのカタチを見出して一歩踏み出していく姿を描く、優しさ溢れる感動作。

明るく姉御肌、だが恋や人生に臆病になっている主人公・桃子の心情を、リアルかつ細やかに演じるのは、ドラマ「相棒」シリーズ、映画『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』(14)などドラマ、映画における女優業の一方で、番組のパーソナリティ等多方面で活躍中の鈴木杏樹。桃子が出会う、縄文時代への情熱に燃える誠実で不器用な研究者・クマゴロウこと佐久間五朗役に、映画『ストロベリーナイト』(13)ほか数多くの映画、ドラマに出演する宇梶剛士。桃子を慕う後輩・桜に、映画『進撃の巨人』(15年夏公開)に抜擢されて注目度上昇中のフレッシュな武田梨奈。さらに、秋野太作と藤田弓子が、心の痛みを抱えた桃子を黙って温かく見守る両親役で登場。ほかに宅間孝行、村田雄浩、中本賢といった演技陣が顔を揃える。

物語の舞台は、青森県八戸市。登場するのは、陸奥湊駅前朝市、蕪島神社、種差海岸大須賀浜、ハーモニカ横丁など、自然と食と人の魅力に満ちた八戸の多彩な場所。そして縄文時代の集落遺跡である八戸市の是川遺跡や、国宝「合掌土偶」を擁する是川縄文館においてもロケを敢行。加えて、原始の森「世界遺産の白神のブナ林」(青森県)や御所野遺跡(岩手県)、さらにはベトナムのカットバ島でも撮影がなされた。大自然の中で桃子やクマゴロウが体感する太古の息吹が、観る者の心を知られざる魅力に満ちた縄文時代へと誘う。
原作は、映画化された「津軽百年食堂」や「虹の岬の喫茶店」(映画タイトル『ふしぎな岬の物語』)、映画の小説版「あなたへ」を手掛けたベストセラー作家・森沢明夫の小説「ライアの祈り」(小学館文庫刊)。「津軽百年食堂」から始まる青森を舞台とした“青森三部作”の完結編でもある。映画を彩る主題歌は、ピアノトリオWEAVERによる書き下ろしの新曲「Beloved」。

痛みを隠して明るく日常を生きる等身大の、そして優しさを知る登場人物達が、感動のドラマを織り上げる映画『ライアの祈り』。
人は誰でも、悠久の時の流れの中に奇跡のように存在している。一万年以上もの間、平和に続いたという縄文時代。悩みを抱えて迷い立ちすくんだ時、縄文時代のシンプルで心豊かな暮らしに想いを馳せ、未来へ何かを繋ごうとすれば、きっと目の前の人生にもう一歩踏み出す元気が湧いてくるはずだ。

ストーリー





 桃子(鈴木杏樹)は、明るく姉御肌のアラフォー女性。メガネ販売店の八戸店で店長を務めている。それまで住んでいた実家のある弘前から転勤を機に八戸に越してきたばかりだが、既に店の後輩の桜達から頼られ慕われる存在となっていた。だが彼女の心の奥には、どうしても抜けない棘があった。実は彼女は、不幸な離婚を経験し、心に深い傷を負って、人生を前に進ませる勇気が持てずにいたのだ。
そんなある日、桃子は、若い桜(武田梨奈)に誘い出され、しぶしぶ街コン風地酒パーティに参加する。「人数合わせ要員でバツイチ」とおどけて名乗った桃子の前に遅れて現れたのは、40代後半の無精髭の男、佐久間五朗(宇梶剛士)。あだ名はクマゴロウ。桃子は、彼を見たとたん、遠い記憶が一瞬蘇ったような感じに襲われ、驚き戸惑う。彼女が感じたのは、子供の頃から時々見ていた不思議な夢の中の、太古の森を通る風の感触だったのだ。
クマゴロウは、遺跡発掘一筋の考古学研究員だった。一万年以上の間、平和に続いたという縄文時代に対する彼の畏敬の念は深く、語り出したら止まらない。その夜、いつになく飲み過ぎて、無骨で不器用なクマゴロウにからんでしまった桃子は、翌日、じわじわと記憶が戻ると、自身の失態に頭を抱えた。だがクマゴロウは、酔った桃子の支離滅裂な言葉–「八戸が弘前よりいいとこだって言うなら、私を納得させてよ!」–を律儀に受け止め、数日後、本当に八戸の街を案内してくれるのだった。
陸奥湊駅前朝市や蕪島神社など八戸の様々な場所を巡る二人。地元の人達に愛されているクマゴロウは、どこに行っても声を掛けられている。だが彼が縄文時代の話を始めたとたん、桃子の脳裏にまたもや深い森のイメージが浮かぶのだった。不思議そうなクマゴロウに、桃子は子供の頃から見ている太古の森の夢のことや、クマゴロウと出会った瞬間に感じた風の感触を語る。すると彼は、縄文時代の夢ではないかと羨ましがり、自身の職場である是川縄文館に桃子を連れて行ってくれた。クマゴロウが桃子に見せたのは、八戸から出土した国宝の合掌土偶だった。
 「縄文時代の人達って、生きるために必要なもの全部を持っていたんじゃないかしら」
何気なくそう言った桃子に、まさにその通りとばかり、クマゴロウは嬉しい驚きを見せた。そして縄文時代の代弁者として、何か表現してみることを勧めるのだった。
数日後、クマゴロウに教えてもらいながら、是川一王寺遺跡で発掘作業を体験した桃子は、土器の欠片を発見し、同じこの場所で生きた人々の命を感じ、さらには、その土地と繋がった不思議な感覚に捕らわれるのだった。
 桃子は、夢の風景をイラストに描き始めた。縄文時代の衣装をまとい、弓を手にした少女の姿や風が抜ける深い森・・・。何枚か描き上がったものをクマゴロウに見せると、彼は、感動で涙ぐむ。彼がつけてくれた少女の名は、ライア—古代ギリシャの竪琴。
だが“縄文時代”が繋いだ心豊かな時間をクマゴロウと共有ながらも、桃子は、本気で恋することに臆病なままだった。何かと桃子を慕ってくる桜にだけは、誰にも言えなかった離婚の原因と心の痛みを打ち明けていた。それは、クマゴロウとの未来に踏み出すことをためらわせている原因でもあった。
そんなある日、クマゴロウは、縄文晩期の日本と交流があった可能性のあるベトナムへと調査に飛ぶ。手首には、桃子が編んで「お守り」としてつけてくれたミサンガをつけて。ベトナムの島に赴いたクマゴロウは、皆が共に笑って暮らせることが願いだという部族長の姿に、縄文時代のシンプルで心豊かな生き方に通じるものを感じ、感動する。彼は、部族長に問う。「人間として一番大切なことは何ですか」 

だがその答えは、皮肉にも桃子の心の傷を思い出させるものとなってしまう・・・。
果たして桃子は、クマゴロウとともに、太古からの風の中に幸せを見つけ出し、前へと踏み出すことができるのだろうか。

スタッフ

原作:森沢明夫「ライアの祈り」
製作総指揮:川阪実由貴
プロデューサー:林哲次
監督:黒川浩行

アソシエイトプロデューサー:金澤秀一
宣伝プロデューサー:植田繁
企画:エム・ケイ・ツー
制作プロダクション:TOブックス  

配給:アイエス・フィールド

キャスト

鈴木杏樹
宇梶剛士
武田梨奈
水嶋仁美
大島蓉子
村田雄浩
中本賢
秋野太作
藤田弓子

LINK

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