2013年/日本/カラー/??分/ 配給:東映

2013年5月25日(土)全国ロードショー

(C)2013「くちづけ」製作委員会

公開初日 2013/05/25

配給会社名 0004

解説


元人気漫画家・愛情いっぽんの娘マコが、死んだ。
天使のように愛らしく優しい娘だったマコ。
仲良しのうーやんと結婚しようとしていたマコ。
そんな彼女の命が、なぜ、この世から消えなくてはならなかったのか?
そこには、父娘の悲しい愛情の物語がありました。

「くちづけ」は、海よりも罪よりも深い親子愛の物語です。

原作、脚本は、『花より男子』『愛と誠』などのヒットメーカー宅間孝行。
笑いと涙を巧みに織り込んで、心地よくラストへ観客を運んでくれるストーリーテラーである宅間が、実際にあった事件を元に、自身の劇団〈東京セレソンでラックス〉(12年に解散)のために書き下ろし、24.000人もの観客を号泣の海に溺れさせた珠玉の戯曲を、堤幸彦が映画化しました。
堤は、『トリック』や『SPEC』など優れたエンターテインメント作を生み出し続ける一方で、認知症を煩った夫と、妻の物語『明日の記憶』や、ホームレスの物語『MY HOUSE』、被災地を撮ったドキュメンタリードラマ「Kesennuma,Voices.東日本大震災復興特別企画〜堤幸彦の記録〜」(衛星放送協会オリジナル番組アワード オリジナル番組賞受賞)などの社会派作品を手がけています。
『くちづけ』は、堤と宅間、2人のエンターテーナーが、笑いにあふれた物語で、人間への深い眼差しをくるむことで、よりたくさんの人たちの胸を打つ意欲作です。

物語の舞台は、知的障害者たちの自立支援のためのグループホーム〈ひまわり荘〉。そこにはカラダは大人、精神は子供のままの人たちが生活しています。
いっぽんは、知的障害者である娘マコを連れて〈ひまわり荘〉に身を寄せます。
そこの住人たちもマコも、天使のように無邪気で陽気。あまりに自由で、一般的には常識とされていることから大いにはみ出して、時には珍事件を巻き起こすことも。
人はみんな違っていて当たり前。できないことや弱い部分は誰にだってあるし、その代わり、いいところだって必ずある。ひとりひとりの「個性」を、広い心と笑顔で受け入れる。でも、悪いことをしたらガツンと怒ることも忘れない。そんな、懐の大きくてあたたかいユートピアが〈ひまわり荘〉なのです。
30歳のカラダに7歳の心をもった、天使のように無垢な娘マコを演じるのは貫地谷しほり。この作品が映画初主演となります。若手演技派女優の先頭を走る貫地谷が、難役を見事に演じ切りました。
漫画への思いを諦めてまで娘に尽くす愛情いっぽんに、竹中直人。娘マコへの慈愛と、それゆえの苦悩を狂おしいまでに表現します。
ひまわり荘の住人で、いっぽん以外には開かなかったマコの心の扉を開ける王子様・うーやんに宅間孝行。物語の重要なキーを担う役を、舞台から連投、どんな時でも明るく元気なうーやんの姿が、いっぽんとマコを変えていきます。
ひまわり荘の主人に平田満、その妻に麻生祐未、従業員に岡本麗、うーやんの妹に田畑智子と芸達者がそろい、規格外のうーやんやマコたちの言動に振り回されながらも、大きく受け止める懐の広さを見せます。
その他、新鋭の橋本愛や、舞台版にも出演している伊藤高史、尾畑美依奈が色を添え、ワンシーンワンシーン笑いが耐えません。

〈ひまわり荘〉は夢のような場所。世界中が〈ひまわり荘〉のようだったら……。
でも、現実は厳しく、やがてユートピアに終わりが訪れます。
そして、いっぽんにはさらなる厳しい運命がふりかかります。
その時、いっぽんが選んだ道は……。

ひたすらにマコを愛し、彼女の幸せを望んだいっぽんが、なぜ、こんな選択をしなくてはならなかったのか? 
宅間孝行が、実話を元に魂を削るように描いた親子の物語。
いっぽんとマコが歩んだ極限の愛情の日々が、映像の魔術師・堤による生き生きとした映像と、名曲「グッド・バイ・マイ・ラブ」の哀調あふれるメロディは、どれだけ号泣しようとも涙で流されることなく、いっぽんとマコの物語を、心に深く刻みつけます。

ストーリー









愛情いっぽん(竹中直人)は、かつて「長万部くん」というヒット作を生み出した漫画家。しかし、娘マコ(貫地谷しほり)を出産してすぐに亡くなった妻に代わり、男手ひとつでマコを育てるために漫画家を休業して、もう30年……。
 30歳ともなれば、どんな箱入り娘だって父の手から離れることができるはず。なのに、なぜ?
 マコの心は、ずっと7歳の子供のまま止まってしまっているのです。心優しく純粋なマコですが、誰かの助けなしでは生きていけません。自立できるよう施設に入れようとしても、いつもすぐに逃げ出してきてしまう繊細なマコには、いっぽんしか頼れる人がいないのです。
 ある春の日、いっぽんは、「ひまわり荘」という自立支援を目的とした知的障害者が集団で生活するグループホームに、住み込みで働くことになります。
 そこには、主人で医師の国村先生(平田満)、その奥さんの真理子(麻生祐未)と娘のはるか(橋本愛)、ちょっと毒舌家のスタッフ・袴田さん(岡本麗)。入居者の、やたらテンションの高いうーやん、写真が趣味の仙波さん(嶋田久作)、背の高い頼さん(屋良学)、シモネタを連呼するのが大好きな島チン(谷川功)がいて、みんなで楽しく暮らしています。
 うーやんは、いっぽんをうーやんの妹・智子(田畑智子)の婚約者と間違えるようなおっちょこちょいですが、いっぽん以外の男性をこわがるマコが、うーやんにだけは心を開いて、いっぽんを驚かせます。
 ひまわり荘では、みんなのびのびと自由。はるかの友達・南(尾畑美依奈)が、みんなを「キモい」と言っても負けません。逆に南をやっつけてしまいます。
 ひまわり荘の元気な仲間たちと触れ合っていくことで、自分たち2人しか味方がいなかったいっぽんとマコのこわばった気持ちが、少しずつ溶けていきます。マコは発作を起こさなくなりました。
 ひまわり荘をいっぽんに紹介した編集者・夏目(伊藤高史)は、いっぽんの漫画の大ファンで、復活してほしいと心から願っています。このまま、ひまわり荘で安定した生活を取り戻せたら、その夢もかなうかもしれません。
 そんな時、いっぽんに病気がみつかります。

 いっぽんの心配をよそに、うーやんはマコと結婚すると宣言します。
 はたして2人は無事に結婚できるのでしょうか? 
 そして、いっぽんはもう一度漫画を描くことができるでしょうか?

スタッフ

原作・脚本:宅間孝行
監督:堤 幸彦
プロデューサー:松村英美、神 康幸、市山竜次
キャスティングプロデューサー:福岡康裕
企画・製作:キノフィルムズ
制作プロダクション:オフィスクレッシェンド
配給:東映

キャスト

貫地谷しほり
竹中直人
宅間孝行
田畑智子
橋本愛
岡本麗
嶋田久作
麻生祐未
平田満
ほか

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