CBC開局60周年記念

2011年/日本/カラー/??分/ 配給:?????

2011年10月8日(土)午後3:00〜4:54放送 (CBC製作/TBS系全国28局ネット )

解説


「初秋」は、今年没後20年を迎える国民的作家井上靖の「凍れる樹」が原作で、一人娘を嫁がせた後、その寂しさと葛藤する父親の姿を描いたストーリー。かつて日本映画界の名匠・小津安二郎が父と娘をテーマに製作した映画「晩春」に触れるシーンもあり、このドラマは小津を研修していることで知られる原田監督の、小津作品へのオマージュともいえる作品です。

< 役所広司+原田眞人×井上靖 >の2作品について
「スペシャルドラマ 初秋」は、一人娘の結婚を機に子離れすることに葛藤する父親の話で、“父と娘”という構図が描かれているのに対し、映画「わが母の記」では“母と息子”が描かれており、ともに井上靖の小説を原作とした“異性の親子”がテーマの作品で、大変興味深いところ。さらにこの2作品には、劇中に小津安二郎映画を思わせるシーンがちりばめられていることも共通点に挙げられる。これは、小津作品を研究していることで知られる原田監督の、小津監督へのオマージュともいえるもので、かつて様々な日本の家族をスクリーンに描いてきた小津映画に思いを馳せながら楽しめるのも見どころのひとつである。

ストーリー


蓼科でワインの製造販売をしている松原辰平(役所広司)は、20年前に妻を失い、以来男手ひとつで一人娘のあさ子を育ててきた。そのあさ子が結婚してニュージーランドへ行くことになり、松原は空虚な心と折り合いが付けられずにいた。
結婚式から帰ってきた松原を待っていたのは、がらんとした自宅の空間。そこでひとり孤独に浸っていた。胸のポケットには、大学の同期であり、作家の重宗周吉からの祝電が納まっている。
「ようこそ、花嫁の父!寂しくなったら京都へ来い。花嫁の父大先輩、重宗周吉」
松原は携帯を取り出し、京都へ行くことを重宗に告げた。そこへやってきた松原の妹桜子は、独り身になった松原を心配して見合いの話を持ちかけてきた。しかしその話が弾むはずもなく、松原と桜子の会話の中からは、松原があさ子の結婚相手ヴィンスのことを気に入っていない事だけが伺えた。結局松原は二次会の出席をやめてそのまま京都へと向かうのだった。
松原は、東山の料亭で重宗と、高校時代の恩師墓石と久しぶりの再会を楽しんでいた。そこへもうひとりの旧友、山辺享介がやってきた。久しぶりの再会に昔話で大いに盛り上がり、松原も気持ちよく酔い始めていた。そこで山辺からひとつ相談が持ちかけられた。娘のれい子が高級会員制クラブで夜毎怪しげなパーティーを開いている噂を耳にしたという。その真相を知りたいという山辺に、酔いも手伝ってか、松原が立候補した。
松原の記憶にあるのは、10年以上も前のれい子。訪れた高級クラブで待っていたのは、美しい大人の女性へと成長していたれい子だった。松原とれい子。10年の時を越えた、夢のような、現のような、愛の物語が静かに始まろうとしていた・・・。

スタッフ

監督:原田眞人
原作:井上靖

キャスト

役所広司
中越典子
でんでん
岩松了
キムラ緑子
藤村志保

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