原題:BAARIA

2009年/イタリア映画/SR,SRD/151分/イタリア語 後援:イタリア大使館、イタリア文化会館 配給:角川映画

2011年12/18(土)より、シネスイッチ銀座、角川シネマ新宿にて感動のロードショー

(c)2009 MEDUSA FILM

公開初日 2010/12/18

配給会社名 0058

解説


世界中を涙で包んだ「ニュー・シネマ・パラダイス」の
名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、
故郷シチリアを舞台に、家族の愛と絆を描く心揺さぶる感動巨編。

トルナトーレ監督自身の半生を描きだした人生讃歌!

 アカデミー賞最優秀外国語映画賞に輝いた『ニュー・シネマ・パラダイス』で、全世界を感動の涙で包んだジュゼッペ・トルナトーレ監督。故郷シチリアを舞台に、映画館で出会った老人と少年の友情を通して、人生に大切なことは何かを描いたこの作品は、日本でも今も語り継がれる奇跡的な大ヒットを記録した。その後も、『明日を夢見て』を始め、『海の上のピアニスト』『マレーナ』など数々の感動作を世に送り続けたトルナトーレ監督は、今では世界中の人々がその新作を待ちわびる名匠の一人となった。
 待望のトルナトーレ監督の最新作は、彼の人生の大いなる転機から生まれた。2007年にローマで暴漢に襲われ、生死の境をさまようという事件に見舞われたのだ。晴れて回復したのち、あらためて生きる喜びを実感したトルナトーレ監督が、今一度シチリアを舞台に人生の素晴らしさを描ききったのが、『シチリア!シチリア!』である。さらに、“ペッピーノ”はジュゼッペの愛称なのだが、自分と同じ名前の少年を主人公にしていることからも分かるように、これはトルナトーレ監督自身の半生、そして彼の父親の人生をも投影した物語なのだ。ついにトルナトーレ監督が、自らの原点であるシチリアに帰ってきたのだ──!
 
シチリアを愛し、シチリアに愛され、激動の時代を生き抜いた家族の物語

 豊かな自然にあふれたシチリアの町バーリアで、たくましく生きる牛飼いの一家。次男のペッピーノは、幼い頃から大人たちに交じって働き、学校に行く暇もなかったが、毎日が冒険だった。やがて時代は第二次世界大戦に突入し、ペッピーノはそのつぶらな瞳で、激変する時代を見つめる。戦争は終わり、成長したペッピーノは、今度は自らの激動の人生へと分け入っていく。希望に輝く瞳が美しいマンニーナとの許されぬ恋と駆け落ち、正義感に燃えて入った政治の世界、そこで見た世の中の闇、マフィアと結びついた権力との闘い、老いてゆく父との絆、子供たちへの愛──幸せな時も悲しみの日も、いつも抱きしめてくれるのは家族だった──。
 1930年代から80年代までの世界のトピックを活き活きと織り交ぜながら、ある家族の愛と絆、彼らを取り巻く様々な人々の人生模様を描き切った『シチリア!シチリア!』。どんな時も前を向いて生きようとする彼らに、胸を熱くせずにはいられない。彼らの人生は、時代を越え、国境を越えて、困難な時代に生きる私たちに、ありったけの勇気を手渡してくれるのだ。

名匠が魂をこめた一大叙事詩を飾るために、イタリアの才能が集結!
 トルナトーレ監督が全身全霊をこめた一大叙事詩を成功させるべく、イタリアの素晴らしい才能が集まった。心を揺さぶるドラマティックな音楽は、『ニュー・シネマ・パラダイス』で世界的にその名を知られるエンニオ・モリコーネ。2007年にはアカデミー賞名誉賞を贈られた、映画音楽界の巨匠だ。出演は、イタリアの輝ける宝石、『マレーナ』のモニカ・ベルッチ。ペッピーノにはイタリア期待の俳優、フランチェスコ・シャンナ。彼が恋におちるマンニーナには、シチリア出身でヨーロッパから南アフリカまで、ワールドワイドに活躍するトップ・モデル、マルガレット・マデ。ドルチェ&ガッバーナが本作にインスパイアされ、今年のコレクションをデザインしたというファッションも見逃せない。
 ヴェネチア映画祭のオープニングを飾り、世界中で大ヒットを記録した一大叙事詩。この冬、トルナトーレ監督が、再び日本を感動の涙で包む──!

ストーリー





シチリアの町で、激動の時代を力強く生きる少年ペッピーノ。
やがて成長した彼は許されぬ恋を貫き、愛と夢を全うしようとするが──。
家族の絆と人生の素晴らしさを描く感動の物語。

 太陽が眩しく輝き、風が荒々しく通りを吹き抜けていく、ここはシチリアの町バーリア。この町に暮らす牛飼いのトッレヌオヴァ家は貧しかったが、家族みんなで力を合わせて、毎日を力強く生きていた。
 まだ幼い次男のペッピーノも、他の兄弟と同じように、大人たちに連れられて、農場や牧場で働いている。オリーブ畑でも、子供だからと大目に見てもらえることもなく、収穫数が足りないと、容赦なく賃金をカットされた。あるとき、チーズ3つと引き換えに出稼ぎに行った牧場では、1冊しかない教科書をヤギに食べられてしまう。ペッピーノはがっかりするが、その地方に伝わる伝説を聞き、たちまち胸を躍らせる。3つの岩山の頂に、ひとつの石を連続してぶつけることが出来たら、黄金の詰まった洞窟の扉が開くというものだ。ペッピーノは仕事の合間に、何度も挑戦するのだった。また、時たま父親に連れて行かれる映画館で、無声映画を見ることは、彼にとってかけがえのない時間だった。
 こうして、ペッピーノの少年時代は、シチリアの他の少年たちと同じように、笑いと涙が詰まった、たくさんの思い出に彩られて過ぎていった。

 世界中を巻き込んだ戦争が終わり、シチリアにもひと時の平和が訪れていた。正義感あふれる、たくましい青年に成長したペッピーノ(フランチェスコ・シャンナ)は、世の中を良くしたいという理想に燃え、政治の世界に足を踏み入れる。
 そんななか、ペッピーノは長い黒髪と大きな瞳が美しいマンニーナ(マルガレット・マデ)と運命的に出会い、ひと目で心を奪われる。マンニーナもまた、ペッピーノの真っ直ぐな情熱に惹きつけられ、二人は激しい恋におちる。だが、マンニーナの両親は、貧しいペッピーノとの結婚に反対、金持ちだがパッとしない男との婚約を勝手に決めてしまう。許されぬ恋ながら、愛し合う二人は想いを貫くために駆け落ちし、ついに教会で永遠の愛を誓い合うのだった。
 
 愛する人と新しい人生に踏み出したペッピーノ。しかし、幸せに満ちたペッピーノを待っていたのは、世の中の矛盾、家族の死、そして……。やがて時代は不穏な空気をはらみ始める。そんな中で、ペッピーノは今一度、あの岩山の伝説を試そうと、石を投げてみるのだが──。

スタッフ

監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ 
撮影:エンリコ・ルチディ 
美術監督:マウリツィオ・サバティーニ 
衣装:ルイジ・ボナーノ 

キャスト

ペッピーノ:フランチェスコ・シャンナ
マンニーナ:マルガレット・マデ 
サリナ:アンヘラ・モリーナ 
タナ/物乞いの女:リナ・サストリ
ニーノ:サルヴォ・フィカッラ
ルイジ:ヴァレンティノ・ピコーネ
チッコ:ガエタノ・アロニカ
物乞いの息子:ルイジ・ロ・カーショ
共産党代表:ミケーレ・プラチド
ローマの新聞記者:ラウル・ボヴァ
レンガ職人の恋人:モニカ・ベルッチ

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