インフォーマント!
原題:INFORMANT
「オーシャンズ」シリーズのスティーブン・ソダーバーグ×マット・デイモン最新作 FBIを欺き、アメリカを混乱に陥れたある企業内部告発者の 嘘で作った人生の、本当の物語
2009年9月18日 全米公開
2009年/アメリカ/カラー/108分/ 配給:ワーナーブラザース映画
2010年11月03日よりDVDリリース 2010年05月12日よりDVDリリース 2010年04月07日よりDVDリリース 2009年12月5日(土)恵比寿ガーデンシネマ他にて全国順次ロードショー
© 2009 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
公開初日 2009/12/05
配給会社名 0085
解説
その舌一枚で、アメリカを大混乱に陥れた男がいる。マーク・ウィテカー、名門大学を卒業し、33歳の若さで大企業の重役に上り詰めたエリートだ。
農業関係の大会社ADMで彼は、世界最大規模を誇る食品添加物の製造工場を任されていた。国民の食卓に毎日のように上っている化学調味料の一種、とうもろこしから作られる“リジン”と呼ばれるアミノ酸を生産していたのだ。
1992年、そのリジン工場でウイルスが発生し、ADMは毎月700万ドルという莫大な損失を抱える。副会長から責任を問われたウィテカーは、ウイルスをばらまいた犯人は日本の大企業のスパイで、1000万ドル払えばやめると脅迫を受けたと報告する。ADMのトップは、FBIに介入を依頼した。
ところが、何を考えたのかこのウィテカーという男、FBIの捜査官に自社の違法行為である「世界各国の企業との価格協定の陰謀」を内部告発してしまったのだ。愛する妻と子供たちに囲まれた善き家庭人、年俸35万ドルのエリートが、なぜ内部告発者に? 正義のため、それとも──? この告発から彼の、ある意味“華々しい”第2の人生が始まった。証拠が欲しいFBIのために、自ら進んで盗聴器を付け、会議室に隠しカメラを仕掛けるウィテカー。FBIのスパイ気取りに没頭するウィテカーは、自分は007の2倍頭がいいから、“秘密諜報部員0014”だと胸を張る。
さらに、信じられないことにこの男、ADMの強制捜査が完了した後、とんでもない不正行為が発覚する。重役たちと一緒に、日常的にリベートを受け取っていたのだ。一瞬のうちに、証人から捜査対象者に変わるウィテカー。
しかし、これはまだ、奇想天外なマーク・ウィテカー劇場の、ほんの入り口にすぎなかった──。
監督は、『トラフィック』でアカデミー賞®を受賞したスティーブン・ソダーバーグ。『チェ』『エリン・ブロコビッチ』で、実在の真のヒーローとヒロインを取り上げてきたソダーバーグが、本作では実在のアンチヒーローに挑戦、一方的な批判や援護の視線を捨てて、真正面から彼の人物像に迫る。
マーク・ウィテカーに扮するのは、「ボーン」シリーズのマット・デイモン。大企業の不正というシリアスなテーマでありながら、思わず笑ってしまう憎めないキャラクターを、肉体まで改造して熱演した。
21世紀の映画界を担うふたりのフィルムメーカーが、善と悪、その間に横たわるリアルなグレーゾーンを、新しいエンタテインメントに昇華させることに成功した、それが『インフォーマント!』である。
ストーリー
1992年、イリノイ州。マーク・ウィテカー(マット・デイモン)の人生は、順風満帆だった。名門大学を卒業し、農業関係の大企業ADMに就職。着々と出世し、33歳で重役となり、コーンから“リジン”というアミノ酸系食品添加物を製造する、世界最大規模の工場を任される。私生活では、愛する妻のジンジャー(メラニー・リンスキー)と子供たちに囲まれていた。
そんな彼の人生を変えたのは、工場で発生中のウイルス。それによって生じる毎月700万ドルの損失を「何とかしろ」と副会長のミック・アンドレアス(トム・パパ)に責められる。ウィテカーは、ウイルスを仕込んでいる日本の大企業のスパイから、1000万ドル払えばやめると脅迫されたと報告する。ミックはFBIに介入を依頼、まずはウィテカーの自宅の電話に録音機を仕掛けることになる。
訪れたFBI捜査官ブライアン・シェパード(スコット・パクラ)に、爆弾発言をぶつけるウィテカー。ADMは、リジンをはじめ自社の全製品で、違法な価格協定をおこなっているというのだ。この日この瞬間から、ウィテカーは、巨大企業の内部告発者となった。
だがなぜ、エリート社員が内部告発などするのか? シェパードの疑問に、ウィテカーは、自分は元々技術畑の人間だから、ビジネスのための嘘や不正が許せないのだと語る。しかし、そんな熱い言葉もすぐに忘れる。ウィテカーは気分屋だ。「10万ドルの昇給を提示された」ことを理由に内部告発を“キャンセル”しようとする。
「君が協力を断わったら、別の誰かが協力し、君は被告になる」。辛抱強いシェパードの説明に、ようやく事態の深刻さを呑みこんだウィテカーは、すべてを告白して協力すると約束する。手始めの告白はなんと、「日本のスパイは作り話」だった──。
1993年から94年にかけて、ウィテカーは精力的に世界を駆けまわる。東京、中南米、パリ、カリフォルニア、シカゴ、ハワイ──表向きは有能なビジネスマン、裏の顔は会議を隠し撮りするスパイ。その“スパイごっこ”が気に入った彼は、自分は007の倍は頭のいい秘密諜報部員0014だと大真面目に胸を張る。
1995年、ウィテカーの働きで証拠はそろい、ついにADMの強制捜査の日がやってきた。まるでピクニックに行くようにはしゃぐウィテカーは、上層部が捕まれば、自分が社長になれると信じていた。
巨大企業の不正行為に、マスコミは一斉に飛びつく。内部告発者のウィテカーは一躍時の人に。そんな時、ウィテカーはシェパードに、あり得ないことをあり得ないタイミングで告白する。ADMの重役たちと一緒に、彼自身も日常的にリベートを受け取っていたというのだ。しかし、ウィテカーには、実はまだまだたっぷりと、秘密に嘘に、隠しごとがあった──。
スタッフ
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
製作総指揮:ジョージ・クルーニー、ジェフ・スコール、マイケル・ロンドン
脚本:スコット・Z・バーンズ
キャスト
マット・デイモン
スコット・バクラ
ジョエル・マクヘイル
メラニー・リンスキー
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