1965年-2008年/カナダ/本編計44分) 提供:トランスフォーマー 配給:トランスフォーマー+トルネード・フィルム

2009年9月19日(土)、ライズXほかにて公開!

(C)National Film Broard of Canada.

公開初日 2009/09/19

配給会社名 0248/0633

解説


世紀の天才と讃えられながら、
突然路上に消えた孤高のアニメーション作家

1965年から72年にかけて、たった4本の短編作品を残し、2007年にこの世を去った伝説のアニメーション作家、ライアン・ラーキン(1943-2007)。わずか25歳にしてアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされるなど、瞬く間にその名を世界に轟かせた彼だったが、若すぎた成功と創作へのプレッシャーに追い詰められ、やがてすべての栄光を捨てホームレスとなり、道行く人に小銭を求めて生きることを選ぶのだった…。

偶然の出会いと、アカデミー賞受賞作『ライアン』
そして、奇跡の復活へ

ホームレスになって10年以上が過ぎたある日、彼の境遇を知った国際アニメーション映画祭のディレクターが、ライアンを審査員として呼び寄せた。他の審査員たちは、得体の知れない人物の加入に不満を抱いていたが、ある夜、事態は急変する。審査員自身が手掛けた作品を互いに鑑賞する上映会。最後に映し出された、ただ人が歩くだけの、わずか5分の短編に、全員が感動のあまり言葉を失った。その作品こそ、目の前にいる謎の男、ライアン・ラーキンの傑作『ウォーキング』だったのだ。 そして、その場にいた審査員の1人、CGアニメーション作家クリス・ランドレスは、ライアンの魅力にひきこまれ、彼へのインタビューを基にCGアニメ作品『ライアン』を制作。同作が、2005年アカデミー賞短編アニメーション部門でオスカーを受賞したことで、ライアン・ラーキンの名は再び世界の注目を集めることとなった。

35年ぶりの新作を含む全7作品を世界初の一挙上映

その後、周囲の協力で路上生活を脱したライアンは、実に35年ぶりとなる復帰作『スペア・チェンジ 小銭を』の制作に取りかかったが、完成前の2007年2月14日、肺ガンにより他界。しかし、2008年の冬、彼が亡くなる直前まで描き続けたドローイングを基に、仲間たちの手によって、幻の新作が完成されたのだった。

この『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』では、アニメ史上に残る名作『ウォーキング』『ストリート・ミュージック』など、ライアンが生前に残した4本の短編全作品と、死後に完成した遺作『スペア・チェンジ 小銭を』に加え、クリス・ランドレス監督のオスカー受賞作品『ライアン』、そしてライアン本人へのインタビューを収めたドキュメンタリーのダイジェスト映像を一挙上映。栄光と苦悩、人間への憤りと誰よりも深い愛情を併せ持った奇蹟のアニメーション作家のすべてが、ここに蘇る。

ストーリー

落ちぶれてしまったかつての天才ライアン・ラーキンと、その彼を題材とした作品『ライアン』でアニメーション界の頂点に登りつめつつあるクリス・ランドレスを、互いの「アルター・エゴス(アルター・エゴスあ)」(原題)として対比させつつ語るドキュメンタリー映画。ラーキン本人はもちろんのこと、NFB時代の同僚や『ライアン』にも登場したかつてのガールフレンドであるフェリシティの証言を交えてライアン・ラーキンにいったい何が起こったのかを明らかにしていく一方で、『ライアン』のプレゼンテーションで忙しげに世界中を飛び回るクリス・ランドレスの様子もまた映される。
 一番の見所は、終盤に配された、ランドレスとともに初めて『ライアン』を観るラーキンの様子だ。見終わった後、静かな怒りに震えながらラーキンはこう語る。「現実をグロテスクに描くのは簡単なんだよ。」この言葉は逆に、ラーキン自身の作品が、時にグロテスクにも思えるキャラクターを登場させながらも、実際には現実のなかの(ラーキンにとって)美しい側面を掬いあげるようなものであったことを明らかにしてくれる。劇場での上映『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』では、一部インタビュー部分を抜粋したダイジェスト版を上映。

スタッフ

『ライアン』 第77回アカデミー賞®短編アニメーション賞 受賞
 監督:クリス・ランドレス (2004年/13分)
『ライアン・ラーキンの世界』 特別版
 監督ローレンス・グリーン (2004年/3分)
『シランクス』 
 監督:ライアン・ラーキン (1965年/3分)
『シティスケープ』 
 監督:ライアン・ラーキン (1966年/1分)
『ウォーキング』  第42回アカデミー賞®短編アニメーション賞 ノミネート
 監督:ライアン・ラーキン (1968年/5分)
『ストリート・ミュージック』 
 監督:ライアン・ラーキン (1972年/9分)
『スペア・チェンジ 小銭を』 
 監督:ライアン・ラーキン/ローリー・ゴードン (2008年/7分)

キャスト

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す