原題:NA PUDE ANEB KDO MA DNESKA NAROZENINY? IN THE ATTIC

屋根裏にこっそり住んでいるガラクタたちのフシギな世界!

2009年/日本、チェコ、スロヴァキア/カラー/75分/ 配給:アットアームズ

2009年8月1日、ユーロスペースにてロードショーほか全国順次

(c)BIO ILLUSION s.r.o.

公開初日 2009/08/01

配給会社名 0554

解説



65年の伝統を持つチェコ人形アニメーションの長編最新作!
屋根裏部屋に広がるのは、ガラクタたちの秘められた世界。

約65年の伝統を持つチェコ人形アニメーションは、造形と動きだけで登場人物の心を伝える豊かな表現力と芸術性の高さから各国の映画祭で圧倒的な評価を受け、日本をはじめ各国の芸術家・クリエイターたちにも多大な影響を与えてきました。
そして2009年、チェコから届いた長編最新作は、屋根裏部屋に住んでいる、人間に忘れられたガラクタたちの世界! 心優しい屋根裏の人気者だが、いざとなると悪者と戦うおてんばなお人形の女の子・ポムネンカが悪の親玉フラヴァに狙われるところから物語は動き出します。平和な毎日が脅かされた時、ポムネンカのゆかいな仲間たちは決死の大冒険に挑む事に……!

本作の監督・脚本・美術を手がけたのは、チェコアニメ界最後の巨匠と呼ばれるイジー・バルタ。アニメーション史に名を残すイジー・トルンカ、ブジェチスラフ・ポヤル、ヤン・シュヴァンクマイエルの魂を受け継ぎ、その画期的なアイデアと職人的な技術から世界の人形アニメ界を牽引する彼が、「誰もが想像力を刺激されるアニメーション」として23年ぶりに完成させたのがこの『屋根裏のポムネンカ』です。

クローゼットから溢れ出すシーツの波、ふわふわと空を浮くクッションの雲……。2Dの線画アニメーションや実写映像など多彩な表現を織り交ぜながら、屋根裏のガラクタたちはまるで生きているかのように動き出します。その独特の味わいを支えているのが、アニメーターが1コマ1コマ人形を動かすストップモーション・ アニメーションの手法。CGアニメ全盛期の今、今どき非効率ともいえる方法にこだわったのは、それが世界に誇るチェコアニメの伝統的な手法だからだけではありません。
バルタ監督は語ります。「情報と娯楽が洪水のように溢れ氾濫している社会で、理解するのが簡単なアニメーションほど高い収益を上げています。それは本当はおかしいこと。良いアニメを理解し楽しむことは、観る人の想像力と思考力を必要とするはずなのです」

世界中のあちこちで起こっているアニメーションの現状と、子どもと大人両方の想像力の低下——。
今こそ「多くの人々が想像力を刺激されるアニメーション」を世に送り出すため、原案となったのは、誰もが幼い頃”友人”として一緒に遊んでいたおもちゃや、それがなくてはむずかるくらい愛用していた服や食器たちでした。
皆が経験のあるその思い出に命を吹き込むべく、監督はチェコの街からあらゆるガラクタや古道具を収集。それらを使い(時にはそのガラクタからインスピレーションを受けながら)登場キャラクターや人形を生み出していきます。鼻がエンピツで耳はボタンの妖精・シュブルト、正義のために奮闘するマリオネットのクラソン、どんな危機が迫っても眠気と食欲は健在、くまのムハ。数々の可愛らしいガラクタたちが、”意外なもの”に姿を変えて、スクリーンをところ狭しと動き回ります。たまたま洗濯物を干しに屋根裏へやってくる人間のおばあさんと女の子、悪賢い黒ネコや奇妙な虫のドクターなど悪玉フラヴァのユーモアたっぷりな部下たち。屋根裏の世界をかき回す彼らも、監督のあふれるアイデアから生み出された必見のキャラクターです。
また、日本語吹き替え版では、ポムネンカに声優初挑戦の実力派 女優・貫地谷しほり、欲深な悪の銅像フラヴァには大のチェコアニメファンである俳優・佐野史郎を迎え、作品に新たな魅力を吹き込んでいます。

想像力と思考力。これは『屋根裏のポムネンカ』が作られたチェコだけの話ではありません。ふと今の日本を見渡せば、街には無機質なビル、舗装された道ばかり。大人も子どもも、帰り道の電車やバスで見ているのは携帯電話やポータブルゲーム機。少し前まで、子どもも大人ももっと”自由”だったはず。現代は、空想にふける場所も時間も機会も、確実に減っているのではないでしょうか?

バルタ監督はこうも語っています。「モノが古くなり、捨てられたとき、「心」を持つ。誰もがかつて心を 躍らせたこの”ファンタジー”を少しでも思い出していただけるなら、これ以上の喜びはありません。」

今、チェコからやって来た、秘められた屋根裏の世界が幕を開ける——。

ストーリー




ぼろぼろの屋根裏の、使われなくなった古いトランクの中に、心のあったかい 不思議なおもちゃたちが暮らしていました。帽子が大好きな青い目のお人形・ポムネンカは屋根裏の人気者。仲間たちは、彼女が作る花火付きのケーキを毎朝心待ちにしています。

ある日、屋根裏の果てに住む悪の親玉・フラヴァにさらわれてしまったポムネンカ。彼女を助けるために立ち上がったのは、鼻が鉛筆で耳はボタン、体中ガラクタでできた伸縮自在のシュブルト。正義感いっぱいの屋根裏のドンキホーテ、マリオネットのクラソン。どんな危機が迫っても眠気と食欲はいつも健在、くまのぬいぐるみのムハ。仲間たちはポムネンカを助けるため、屋根裏のまだ見ぬ世界へと旅立ちます。

屋根裏の外に出されてしまったシュブルトが奮闘する中、クラソンとムハは衣装ダンスから溢れるシーツの洪水に巻き込まれながらもなんとか脱出し、家具の山をよじ登ります。ねずみのDJもラジオで屋根裏中の仲間を集め、発明した飛行機を操縦して、それぞれ屋根裏の果てにある悪の帝国へと乗りこんでいきます。
果たしてポムネンカと仲間たちは、無事再会できるのでしょうか———

スタッフ

監督: Jiří Barta (イジー・バルタ)
脚本: Edgar Dudka, (エドガル・ドゥトカ)
    Jiří Barta (イジー・バルタ)
撮影: Ivan Vít (イヴァン・ヴィート)
美術: Jiří Barta(イジー・バルタ)
音楽: Roman Pavlíček(ロマン・パヴリーチェク)
編集: Lucie Halamová(ルツィエ・ハラモヴァー)
音響: Marek Musil(マレク・ムスル)
アニメーター: Alfons Mensdorff-Pouilly, (アルフォンス・メンスドルフ・プイー)
František Váša, (フランチシェク・ヴァーシャ)Jan Stancl,(ヤン・スタンツル)
Štefan Marthaus, (シチェファン・マルタウス)Michal Kubíček(ミハル・クビーチェク)
特殊効果: Boris Masník(ボリス・マスニーク)
監督アシスタント: Milan Svatos(ミラン・スヴァトス)
Production: Martin Cuchna(マルチン・ツフナ)
Executive Production: Jiří Holan(イジー・ホラン)

プロデューサー:Miloslav Šmídmajer / Bio Illusion(ミロスラフ・シュミートマイエル/ビオイリュージョン)

共同制作:
Magdaléna Sedláková and Kateřina Krejčí / Czech Television(マグダレナ・セドラーコヴァー、カテジナ・クレイチー/チェコテレビジョン)
Vít Komrzy / UPP(ヴィート・コムルズィ/UPP)
Richard Benysek / Krátký Film produkční, s.r.o.(リハルト・ベニセク/クラートキー・フィルム プロダクション)
Anton Drobný/ Continental Film, s.r.o., Slovakia(アントン・ドロブニー/コンチネンタルフィルム スロヴァキア)
Toshiharu Manabe/AT ARMZ, Japan(真部利治/アットアームズ 日本)

キャスト

(オリジナル声優)
Pomnenka(お人形のポムネンカ) /Lucie Permetová, (ルツィエ・ペルメトヴァー)
Mucha (クマのムハ)/Boris Hybner,(ボリス・ヒブネル)
Krason (操り人形の騎士 クラソン) /Vladimír Javorský, (ウラジミール・ヤヴォルスキー)
Subrt (粘土でできた屋根裏の妖精 シュブルト)/Ivan Trojan, (イヴァン・トロヤン)
俳優:フラヴァ(悪の親玉)/Jiří Lábus,(イジー・ラブス)


(日本語吹替版 声の出演)
貫地谷しほり
佐野史郎
楠見尚己
後藤哲夫
大塚明夫
ほか

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