『青い春』『空中庭園』の豊田利晃監督、待望の新作

2009年/日本/カラー/83分/ 配給:ファントム・フィルム

2010年06月04日よりDVDリリース 2009年12月19日よりユーロスペースほか全国ロードショー

ⓒ「蘇りの血」製作委員会

公開初日 2009/12/19

配給会社名 0442

解説


『空中庭園』から4年—。待望の豊田利晃監督最新作
ダイナミックかつ繊細に描かれた、人間の再生と愛の始まりの物語。

『ポルノスター』で監督デビューを果たして以来、トロント、ロッテルダムなど、世界各国の映画祭で高い評価を受け、日本のみならず、世界でも新作を熱望される監督、豊田利晃。デビュー作から一貫して、閉塞状態からの解放と人間の絆、破壊から再生というテーマを描いてきた豊田利晃が、『空中庭園』から4年ぶりにメガホンをとった。

新作『蘇りの血』は日本伝統の歌舞伎や浄瑠璃の演目にもなっている説話“小栗判官”をモチーフにした寓話の世界である。豊田自身が、紀州・熊野に旅をしていた道中に出会った『蘇生の湯』と伝えられるつぼ湯。その温泉につかって不治の病を治したという小栗判官の説話にインスピレーションを受け、あの世とこの世を往来する人間の「蘇り」の物語が誕生した。人間のもつ生命力の強さ、存在意義を雄弁にスクリーンに焼き付けている。
   
またスタイリッシュでインパクトの強いTWIN TAILの音楽もその崇高さを更なる極みに到達させ、キャストには中村達也、草刈麻有、新井浩文、板尾創路など個性的な面々が揃い、その独特な世界観を見事に体現している。

人間が世界を支配する以前の時代において、何の見返りも求めずに、男を蘇らせようと決意した女・テルテ。現世に未練を感じながら、あの世へ葬られてしまった男・オグリ。一人の女が与えたこの無償の愛が、一人の男に、再び生きる命を、生きる希望を与えることに。

一度地獄をみた人間は、いかにして、その地の底から這い上がり、そして「蘇る」のか—。

どんなに憂いある時代であっても、現世を全うしたいと願い、現世にしがみつく人間の性。
二つの世界の狭間で見えた、男と女が紡ぐ愛の形。

「人間の生命力」という普遍的なテーマに、アダムとイブのような愛の起源を盛り込み、大胆な音楽と映像で融合させた本作は、観る者すべてを魅了する—。

ストーリー



人間が全世界を支配する以前の世界の物語。 闇の世界を支配する大王(渋川清彦)が君臨する砦に招かれた天才按摩・オグリ(中村達也)
しかし、嫉妬するほどの健康な身体を持ち、忠誠を誓わないオグリに腹をたてた大王はオグリを殺戮してしまう。

そんな中、オグリはある奇妙な男(板尾創路)の計らいで、生死の堺から、身体の自由を奪われた「餓鬼阿弥」の姿として再び現世へと戻ることになる。その姿を見かけた和尚(マメ山田)は、全身が硬直したオグリをイザリ車に乗せ、縄を引ものの、すぐに力尽きてしまう。

一方、大王の隙をついて砦から脱出を図ったテルテは、その道中で餓鬼阿弥となったオグリとの運命的な再会を果たし、通りすがりの僧(新井浩文)から、零落したものが生命力を取り戻し、再びこの世に蘇ることができる、といわれる伝説の「蘇生の湯」の存在を知る。

姿を変えられてしまったオグリを「現世」へと、蘇らせるために、テルテは一心不乱に大蛇の泉の果てにあるという「蘇生の湯」を目指す。幾夜を超え、幾数の峠を超え、餓鬼阿弥となり、身体の自由も効かず、心も奪われてしまったオグリをのせたイザリ車を引くテルテ。このテルテからの無償の愛が、男に再び「人間」として生きる息吹を与え、次第に想いを通わせていく2人であったが、その背後には、逃げ出したテルテを血眼になって探し続けている大王の魔の手が迫っていた。

果たして、2人は「蘇生の湯」へ辿り着くことができるのであろうか・・・。

スタッフ

脚本・監督:豊田利晃 
音楽:TWIN TAIL (中村達也・勝井祐二・照井利幸×豊田利晃)
プロデューサー:千葉広二 
アソシエイト・プロデューサー:永田勝治、小西啓介、松橋真三、吉田博昭
撮影:重森豊太郎
照明:竹本卓司
録音:柿澤 潔
美術:原田満生
衣装:伊賀大介 
ヘアメイク:徳田芳昌
編集:村上雅樹
VFXスーパーバイザー:道木伸隆 
レコーデイング&ミックス:ZAK
装飾:佐藤孝之
音響効果:柴崎憲治
助監督:丸谷ちひろ
製作担当:佐藤裕武
製作:祭、メディアファクトリー、ティー・ワイ・オー、ファントム・フィルム、STUDIO SWAN(IMJ-E)
製作プロダクション:祭
配給:ファントム・フィルム

キャスト

中村達也
草刈麻有 
渋川清彦
新井浩文
板尾創路 
マメ山田
市 鏡赫
大嶋宏成
櫛野剛一
村上マサト
鈴木卓爾
松岡恵望子
松岡璃奈子 

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