子供の頃、大切にしていた宝物は、いま、どこにありますか?

フジテレビ開局50周年記念作品

2009年/日本/カラー/??分/ 配給:東宝

2009年8月22日 全国東宝系ロードショー

(C)2009 フジテレビジョン/Production I.G/電通

公開初日 2009/08/22

配給会社名 0001

解説



今から4年程前、武蔵野に古くから伝わる民話を集めた1冊の忘れ去られた本がプロデューサーの実家で、見つかりました。それは、子供の頃読んでいた絵本で、地元に伝わるたくさんの民話が載っていて、その中にちょっと変わった狐の伝説がありました。

 現在の埼玉県入間市にあるハタノヤ稲荷に伝わる民話です。昔、大切にしていた櫛をなくした人がいました。誰かが盗んだわけでもないのですが、近くのお稲荷さんに自分の家の鶏が生んだ卵を授けて、櫛を返して欲しいと祈ったのです。すると暫くして枕元に櫛が置いてあったのです。それ以来、このお稲荷さんは「もの返しの神様」という噂が広がり、遠方からも卵を持った参拝者が訪れ、賑わったそうです。
 なくなった「もの」は、人がほったらかしていた「もの」で、それを狐がいらないと考えてどこかへ持って行っている。人が大切にしまっておいた「もの」もいらないと思い、狐が持ち去ってしまう。狐にとって、「必要なもの」と「いらなくなったもの」の区別はつかない。人が使っていなかったりさわっていない「もの」は、ほったらかされた「もの」と認識してこっそり持ち去っている。必要なものだった場合は、ハタノヤ稲荷に行って申告すると、狐は慌てて必要なものを持ち主に返す。そんなお話です。

 そんな、お話から、次のような初期設定ができあがりました。
 昔の人々は、ときどきホッタラケの世界の住人を見かけていました。それを人々は「きつね」だと思いました。容姿がきつねに似ていたからです。そしてきつねの目撃例が頻発する場所を神様の住む場所と思い込み「神社」を建てたのです。これが稲荷神社となりました。この稲荷神社というのが実はホッタラケの世界への入口だったのです。日本では、きつねを祀った神社であれば、どこの神社でも近くにある穴からホッタラケの島につながっているのです。

 そして、このイメージを、プロデューサーが、脚本家の安達寛高さんと監督の佐藤信介さんに伝え、3人で作ったのが「ホッタラケの島」のストーリーラインです。
 アニメの制作は、Production I.Gに依頼されました。
 そして、2007年から絵コンテ作業をはじめ約2年の作画作業を経て2009年7月末に映画は完成します。絵は、デジタルで作られていますが、まるで手書きのセルアニメのような血の通ったアニメーションとして完成する予定です。

ほったらかされた絵本から生まれた、ちょっと不思議なこの映画、濃密な4年間を共に過ごした約100人のスタッフ達の思いが込められています。

 映画は8月22日、全国東宝系で公開されます。ご家族で見ていただきたい作品です。

ストーリー

主人公は、女子高校生・遥(はるか)。そして不思議な世界での相棒は、きつね!?

遥は、普通の高校生。幼い頃母親を亡くし、父親に育てられた凛とした少女です。
その遥が、武蔵野にある神社を訪れたときから物語が始まります。子供の頃遊んでいた神社に行くと、捨てられたゴム式のおもちゃの飛行機を運んでいる“きつね”を目撃します。きつねを追っていくうちに、森の中に迷い込んだ遥。不思議な水たまりを見つけ、その生暖かい水に手を入れると……一瞬にして不思議な世界に吸い込まれ、「ホッタラケの島」に入ってしまいます。そこは人間たちが「ほったらかした=ホッタラケにした」ものでできた島でした。遥は、その不思議な世界に興味を持ち、“テオ”という名のきつねのような島の住人に付いていきます。遥は、「ホッタラケの島」で、かつて大切にしていた「ひつじのぬいぐるみ」に出会います。そしてもう1つ、幼い頃の自分にとって最も大切だった「宝物」のことを思い出します。『そう言えば、昔お母さんから貰った手鏡を失くしたまま……今どこにあるんだろう?』嫌がるテオを巻き込み、遥は、手鏡を探し始めます。
しかし、ここは人間が入ってはいけない島。島の生き物たちに気付かれないように旅する2人でしたが、島の住人の“男爵”は、遥の存在に気付いていたのです。遥は、手鏡を見つけることができるでしょうか。そして、この不思議な世界から現実の世界に戻ることができるでしょうか?

スタッフ

製作:亀山千広 石川光久
企画:石原 隆 石川みちる
プロデューサー:関口大輔 森下勝司
監督:佐藤信介
脚本:安達寛高 佐藤信介
キャラクターデザイン:石森 連 ヒラタリョウ
演出:塩谷直義
アニメーションプロデューサー:高木真司
ラインプロデューサー:牧野治康
アシスタントプロデューサー:稲葉直人
CG監督:長崎高士
美術監督:野村正信
編集:今井 剛
音響監督:宇井孝司
音楽:上田 禎

製作:フジテレビジョン/Production I.G/電通
制作:Production I.G
制作協力:ポリゴン・ピクチュアズ
配給:東宝

キャスト

(声の出演)
綾瀬はるか
沢城みゆき
戸田菜穂
大森南朋
谷村美月
家弓家正
松元環季

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