天下を従え聳え立つ、五重の城を建てよ

2009年/日本/カラー/139分/ 配給:東映

2009年9月12日(土)公開

(C)2009「火天の城」製作委員会

公開初日 2009/09/12

配給会社名 0004

解説


波乱の戦国時代、破壊が渦巻く只中に、かくも豊かな創造のドラマがあった!

総工費1000億円! 希代の戦国武将・織田信長の威光と開明を象徴した前代未聞の城郭要塞・安土城。その建立の陰には、知られざる名工の姿があった!
直木賞作家・山本兼一が第11回松本清張賞を受賞した同名歴史小説『火天の城』(文藝春秋刊)を完全映画化。今なお伝説的に語り継がれる巨城は、いかなる経緯で戦国の世にそびえ立ったのか。これは、ひとりの宮大工が直面する様々な苦難、障害を乗り越え、己の信念と家族の支えによって、ついに築城の偉業を果たすまでを描いた一大歴史スペクタクルである。これまで史実の表舞台に出ることがなかった宮大工・岡部又右衛門を正面から描き、安土城築城の実態に迫った物語は、まさに「戦国時代のプロジェクトX」と呼ぶべき人物発見、歴史再発見の旅そのもの。破壊と殺戮に煙る戦国時代に、かくも豊かな創造のドラマがあった。“木組みは心組み”というもの作りの精神を、職人とその門下生に託しつつ、同時に名もなき女性たちの想いも織り込んだ物語は、15億円もの巨費を投じた築城のスペクタクルと相まって、感動の涙を誘ってやまないだろう。
知られざる戦国時代の名工、岡部又右衛門を演じるのは西田敏行。昨年大ヒットした『相棒−劇場版−』『ザ・マジックアワー』での好演に続き、今年も主演映画が並ぶまさに日本映画界を代表する名俳優の彼だが、巨城建築に情熱を傾ける番匠一門の長役を担う今回は、まさにこれまで培ってきた俳優人生の円熟を極める仕事となった。そんな城作りに没頭する夫を常に微笑みをもって支える妻・田鶴役には大竹しのぶ。西田とはおよそ30年ぶりの本格共演であり、動の西田に対して静の魅力で内助の功を見事に表現している。また、岡部家の一人娘・凛を演じるのは福田沙紀。本格的な時代劇出演はこれが初めてという彼女は、清楚で可憐な和服姿で壮大な築城絵巻を溌剌と彩っている。そして、安土城建築という一大事業を構想、実行に移す戦国時代の傑物、織田信長役には椎名桔平。年齢も築城当時の信長とほぼ同様、その容姿にもどこか在りし日の武将を連想させる彼は、従来にないフレッシュな信長像を見事に現出させている。
監督を務めるのは『化粧師 kewaishi』『精霊流し』の田中光敏。撮影に『血と骨』『おくりびと』の浜田毅、美術監督に『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』の西岡善信、そして音楽担当に『レッドクリフ』『真夏のオリオン』の岩代太郎と、希代の名工に負けぬ映画界屈指の名手がそろい踏みした。
撮影は2008年9月3日にクランクイン後、およそ3ヶ月の長期にわたって敢行。京都周辺、木曽福島、台湾でのロケーションに加え、淡路島に2万平方メートルという原寸大の敷地面積を得て、実に数万本の丸太で足場を組むオープンセットを建築。さらに、東映京都撮影所でのセット撮影では、安土城の地下蔵作事場や安土城の天主内を、一本数百万円の檜を惜しむことなく使用して再現。まさにホンモノの迫力で一大事業を現代に甦らせた。
この秋、あなたは驚愕の歴史を目撃する!

ストーリー







時に1575年(天正3年)、長篠の戦いで甲斐の武田勢を破った織田信長(椎名桔平)は、翌1576年(天正4年)、その天下統一事業を象徴するかのごとき巨城を、琵琶湖を臨む安土の地に建築することを決意。設計及び現場の総棟梁として、今川義元との戦以来、十数年に渡って才気を評価してきた熱田の宮大工・岡部又右衛門(西田敏行)を総棟梁に任命する。「安土の山をまるごとひとつ、三年で城にせよ。」
信長から直々の厳命を受け、後に行われた指図(図面)争いにおいても、金閣寺を建立した京の池上家、奈良の大仏殿建造を担った中井一門を破った又右衛門は、妻・田鶴(大竹しのぶ)や娘・凛(福田沙紀)、門下の大工たちの支えを得ながら、徐々に築城を進めていく。しかし、巨大な城を支えるためにはその主柱(大通し柱)に、これまでになく巨大な檜が必要であった。理想の木材は木曽上松にあると踏んだ又右衛門は、意を決して信長の敵方・武田勝頼の領国に危険を顧みず分け入っていく。一方、安土の作事場では新たな戦乱の暗雲が立ちこめ、又右衛門の帰還を待つ大工たちに戦地への出立を余儀なくさせる。さらに妻の田鶴にも病魔が迫っていた。やがて勃発する悲劇的な争い、仲間の死。果たして、又右衛門は信長の野心を現実のものにすることができるのだろうか……。

スタッフ

原作/山本兼一『火天の城』(文藝春秋刊)
監督/田中光敏
脚本/横田与志

キャスト

西田敏行(岡部又右衛門)
大竹しのぶ(妻・田鶴)
福田沙紀(娘・凛。時代劇初出演)
椎名桔平(織田信長)
西岡徳馬
田口浩正
ほか

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