アメリカ犯罪史上、最も悪名高き日本人。 人は彼を“東京ジョー”と呼んだ。

2008年/日本/カラー/93分/ 配給:トルネード・フィルム

2008年12月13日(土)より、渋谷シネ・アミューズ、新宿バルト9ほか全国ロードショー

(c)2008 Tohokushinsha Film Corporation / Fuji Television Network Inc.

公開初日 2008/12/13

配給会社名 0633

解説


かつてアル・カポネが名を馳せたシカゴ暗黒街。その裏社会を仕切る巨大マフィア組織を、壊滅に追い込んだ日系二世の大幹部がいた。男の名はケン・エトー(衛藤健)、彼は“東京ジョー”と呼ばれ、頭脳明晰な戦略と冷酷非情さで全米のマフィアのボスたちからも怖れられ、組織の中で確固たる地位を築いていた。

 1983年2月、違法賭博開帳容疑で起訴され、捜査を受けていたエトーは、殺し屋2人に撃たれ、至近距離から後頭部に3発の銃弾を受ける。それは、彼が最高幹部たちの犯罪を暴露することを恐れた組織による口封じだった。だが、彼は奇跡的に一命を取りとめ、自分を裏切った組織におとしまえをつけるべく、沈黙の掟を破ってFBI の協力者となる決意をする。

やがて、FBI証人保護プログラムの厳重な身辺警護のもと、エトーは次々と爆弾証言を行う。
その結果、組織の構造や犯罪の実態だけでなく、マフィアと労働組合、警察、裁判所、そして政治家との癒着が明らかになり、マフィアのボスや最高幹部だけでなく、警官、判事、裁判官、さらには州知事まで26人が逮捕、起訴されることになったのである。

 “東京ジョー”ことケン・エトーは1919年、日系二世としてカリフォルニアに生まれ、第二次大戦中には収容生活を強いられながら、戦後、シカゴで天才的なポーカーさばきを武器にたった一人で暗黒街の幹部にまでのし上がった伝説の男。今回、映像で初めて描かれるのは、アメリカ犯罪史上ただ一人の日系人マフィア“東京ジョー”の知られざる生涯。そして、彼の逮捕に執念を燃やした元FBI特別捜査官エレイン・スミスが語る、周到なるシカゴ・マフィア壊滅作戦の全貌。その内容は、まさに「事実は小説よりも奇なり」。これは、ギャング映画や犯罪小説よりも遙かにスリリングでドラマチックな、驚くべき真実の数々に迫った衝撃のクライム・ドキュメンタリーである。

 製作・監督・編集は『able/エイブル』『HOST TOWN』『ビリーブ』といった知的発達障害を持った子供たちの生き生きとした姿を記録したヒューマン・ドキュメンタリーで、国際的に高い評価を受けているドキュメンタリーの巨匠、小栗謙一。音楽を担当するのは、ブルースをベースに様々なジャンルの音楽を混血させた“アメリカ的”な音楽で注目を集め、ニューヨークを中心に活躍している人気バンド、ハズマット・モディーンのリーダー、ウェイド・シューマン。また、長年温められていた本作の企画をついに実現させたエグゼクティブ・プロデューサーは、『ハチ公物語』『226』など、数多くの大ヒット作を放ってきたチームオクヤマの奥山和由と『踊る大捜査線』シリーズや最新ヒット作『ザ・マジック・アワー』などで次々とメガ・ヒットを飛ばすフジテレビの亀山千広。日本映画界を代表するこの2大プロデューサーの初タッグも大きな話題となっている。

東京ジョー”の由来

ケン・エトーが“東京ジョー”と呼ばれるようになった大きな要因として考えられるのがアメリカでは49年に公開されたハンフリー・ボガート主演の映画『東京ジョー』(TOKYO JOE)。製作はコロムビア・ピクチャーズ、監督は『無宿者』『ダラス』のスチュワート・ハイスラー。かつて東京の銀座にTOKYO JOE’Sというレストランを経営していたアメリカ人ジョー(ボガート)は第二次大戦終戦後、東京へ帰ってくる。彼はすでに占領軍の将校と結婚している元妻とその娘のために、悪事を企むキムラ男爵(早川雪洲)と戦うことになるという物語。撮影のためにヨーロッパに滞在中に第二次大戦が勃発し、行方がわからなくなっていた早川雪洲を、ハンフリー・ボガートが各地を探し、パリで画家をしていた雪洲を見つけ出して出演を依頼、雪洲のハリウッド復帰作になったことでも有名な作品。日本では長らく未公開だったが93年に初めて劇場公開され、現在はDVD(ソニーピクチャーズ)が発売されている。

この映画の公開後、“東京ジョー”というキャッチーな響きが欧米人によって日本人や日本的なもののニックネームとして多用されるようになった。97年にブライアン・フェリーが発表した曲のタイトルも「東京ジョー」もその一例。同曲は97年に日本で木村拓哉主演のドラマ「ギフト」の主題歌にも使用されリバイバル・ヒットした。85年には坂本龍一と渡辺香津美が同曲のカヴァーを含む「東京ジョー」というアルバムを発表している。
また、かつて東京・赤坂に東京ジョーズ(TOKYO JOE’S)、大坂に大阪ジョーズ(OSAKAJOE’S)というフロリダ・ストーン・クラブのレストランがあったが2007年3月にどちらも閉店している。

ストーリー

スタッフ

監督:小栗謙一
エグゼクティブ・プロデューサー:亀山千広、奥山和由
原作:エレイン・スミス
原案:古森義久
撮影:アヴィ・カストリアーノ、K.P.マロン
音楽:ハズマット・モディーン
コンタクトマネージメント:池原麻里子

協力:アメリカ合衆国連邦捜査局 シカゴFBI 

キャスト

元FBI主任捜査官 エレイン・スミス
エトーの弟
エトーの息子 スティーブン・エトー
元連邦検事補 ジェレミー・マーゴリス
元CBS凶悪事件記者 ジョン・ドラモンド
元カジノ警備主任 ジョージ・ジョセフ
エトーの元子分 トニー・モンタナ

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