木村祐一 長編初監督作品

2009年/日本/カラー/94分/
配給:ビターズエンド

2009年4月11日より、テアトル新宿、シネカノン有楽町2丁目他全国ロードショー

© 2009『ニセ札』製作委員会

公開初日 2009/04/11

配給会社名 0071

解説


作るのはニセ札やない、ホンモノや。

日本一多芸な男・木村祐一がついに長編監督に挑んだ。
題材は、戦後最大のニセ札事件。
混乱の昭和20年代、小さな村の教師や元軍人らがグルとなった実在の事件を大胆にアレンジし、現代社会にはびこる拝金主義を笑い飛ばす。

反逆罪? 世直し? のどかな山村で巻き起こった前代未聞の贋札フィーバー。
いつの世もお金に踊らされる人々を、粋な“木村流”風刺をきかせて描く痛快エンタテインメント。

軍国主義から民主主義へと世の価値観がひっくり返り、誰もが混沌の中を必死で生きていた時代。紙漉き産業が盛んな山あいの小さな村で、小学校教頭として人々から慕われているかげ子は、かつての教え子から新千円札のニセ札作りを持ちかけられる。はじめは突っぱねるかげ子だったが、村の名士の言葉に心が動く。「誰がニセ札で死にます?」
お金があれば、知恵遅れの息子により良い暮らしを与えてやれる。貧しい家庭の児童たちも進学できる。第一、日本だって戦争中は外国のニセ札を作っていたのだ。お国が作ってよくて、自分たちが作ってはいけないという法はない! かくして、村ぐるみの一大ニセ札作りが始まった——。

豊かな知性を持ち合わせた日本一多芸な男・木村祐一が挑戦した新境地。

芸人、構成作家、料理人、俳優など、様々な分野で唯一無二の才能を放ってきた木村祐一が長編初監督作品として選んだのは、お金に翻弄される人々の物語。深い親子愛あり、冷酷な仲間割れありのスリリングな人間関係の中で、ニセ札に託された希望が膨れ上がっていく様子を、幅広いキャリアに裏打ちされた抜群のストーリーテリングの手腕で描き、硬派なテーマを笑いと涙とサスペンスの効いた極上のエンタテインメントに仕立て上げた。脚本は、木村自身が、『松ヶ根乱射事件』など独特のユーモアで人気の向井康介と、『ラザロ』など実録犯罪モノの傑作を多く手掛ける井土紀州とともに執筆。その鋭い人間洞察に満ちた脚本が、遊びごころ満載、緩急自在な演出によって映像化され、オリジナルな美学に貫かれたホンモノの映画が誕生した。
折しも完成したのは、100年に一度といわれる不況のまっただ中。空虚なマネーゲームが横行し、お金の価値がめまぐるしく変動する2009年現在、本作の風刺メッセージは強烈なリアリティを持って響くだろう。

木村監督がその人間力に惚れ込んで熱烈オファーをした倍賞美津子ほか、超一級にして最強のメンツが揃った“偽造団”、主題歌には、ASKAがソロでの映画初書き下ろし!

正義感からニセ札作りに加担していく小学校教頭のヒロインを演じるのは、倍賞美津子。黒澤明、今村昌平、森崎東、加藤泰などの名匠とともに日本映画の黄金期を築き、最近では『ぐるりのこと。』などで幅広い映画ファンを魅了してきた名優が、木村監督からのラブコールに応戦。息子を案じるひとりの母親として、また村中から尊敬される教師として、圧倒的な懐の深さを体現する。
その他、作戦の総司令官として抜け目のなさを発揮する村の名士に段田安則。お洒落で血気盛んな紙漉き職人に村上淳。お調子者の写真館主に監督の木村自身。ニセ札作りの発案者である憎めない小悪党にインパルスの板倉俊之。その愛人に期待の大型新人・西方凌。軍国主義を引きずる印刷のプロフェッショナルに三浦誠己。そして、ヒロインの息子役を青木崇高、事件を捜査する強面刑事を宇梶剛士が演じ、偽造団を一触即発状態へとかき回す。
また、映画のもうひとつのキャラクターといえるのが、ASKAが特別に書き下ろした主題歌「あなたが泣くことはない」だ。監督をして、歌詞の世界観が見事なまでに映画を捉えていると言わしめた曲は、エンディングで新たな重厚感を加えた。

ストーリー



1945年(昭和20年)8月、日本は太平洋戦争に敗戦
日本はGHQ指導による急激な民主化を強いられた
街ではヤミ取引が行われ物価は上昇、国民は日々の暮らしに必死となった
この頃、小学校教員の初任給4千円、コロッケ一個5円であった
そして昭和25年1月、戦後初の新千円札が発行された

緑の山と清流に抱かれた小さな村。
古くから続く和紙の産地だが、物資が乏しく、人々の生活はつつましい。佐田かげ子(倍賞美津子)が教頭をつとめる小学校でも、戦争中に使っていた軍国主義の書物をすべて処分したため、児童が読める本がほとんどない。

ある日、かげ子のもとへ教え子のひとりで現在はブローカーとして生計を立てている大津シンゴ(板倉俊之)が訪ねてくる。大津は先般から紙の主原料であるみつまた三椏を買い占めており、貧しい村を救うという名目でかげ子をニセ札作りの計画に誘う。教育者として犯罪の片棒を担ぐなどもってのほかと追い返すかげ子だったが、一方で村の子供たちが進学をあきらめざるをえない状況に胸を痛めていた。また知的障害を持つ哲也(青木崇高)を女手一つで育ててきたかげ子自身も、苦労とは無縁ではない。

そんな中、今度は村の庄屋、戸浦文夫(段田安則)がかげ子を説得にやって来る。「ニセ札で誰が死にます? 誰が損します?」元陸軍大佐の戸浦は、戦争中に日本軍が中国でニセ札を作っていたことを引き合いに出して言う。「お国がニセ札作って、僕らが作ったらあかんとういう法はないでしょう」。
その言葉で、かげ子は腹を括る決意をした。

スタッフ

監督:木村祐一
原案:山上徹二郎
脚本:向井康介、井土紀州、木村祐一
撮影:池内義浩
照明:舟橋正生
録音:小川武
美術:原田哲男
美術プロデューサー:磯見俊裕
装飾:中込秀志
編集:今井剛
監督補:藤江儀全
プロデューサー:渡辺栄二
企画・製作:山上徹二郎

主題歌:「あなたが泣くことはない」 ASKA(UNIVERSAL SIGMA)

製作:「ニセ札(仮)」製作委員会 (吉本興業、シグロ、バップ、ビターズ・エンド、CELL、リトルモア)
制作プロダクション:シグロ

キャスト

倍賞美津子
青木崇高
板倉俊之
木村祐一
西方凌(新人)
村上淳
段田安則

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