世界一鈍いアイツが、俺たちの人生を壊しにやってくる

2009年/日本/カラー/106分/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2009年6月27日(土)より、シネマート六本木にてロードショー 2009年5月16日より シネクイント他にて全国順次ロードショー

(C)2009『鈍獣』製作委員会

公開初日 2009/06/27

配給会社名 0025

解説


一度はまったら抜けられない、鈍獣ワールドへようこそ!!

宮藤官九郎の伝説の舞台が、待望の映画化!!
ゾクっと笑って、そしてなんだか心にしみる—、友情と裏切りのハート♥ボイルド・ミステリー。

世界一鈍いアイツが、俺たちの人生を壊しにやってくる。
 なぜかすべてが相撲中心の田舎町ときわに、ある日、週刊誌編集者の静(しずか)が降り立った。失踪した作家・凸(でこ)やんこと凸川(でこがわ)の行方を探りに来たのだ。そこで彼女を待ち受けていたのは、この町でトップを目指す江田と、その腰巾着の警官・岡本、江田の愛人・順子に、ホステスのノラという怪しい面々。実は数カ月前、江田と岡本は元同級生の凸やんと再会していた。そして凸やんが自分たちの痛い過去を小説のネタにしていると知った江田たちは、凸やん殺害を決行。ところが鈍〜い凸やんは全く気づかない。そればかりか殺しても殺してもゼッタイに死なないのだ! なぜだ……!?
 エスカレートしていくトンデモない窮地に、大人になりきれないダメダメなオトナコドモ6人の強烈な個性がぶつかり合う。現在と過去を行き来しながら、あらぬ方向へと転がる展開と謎の世界へと引き込まれる快感!そして迎えるクライマックスとは……。スピーディで賑やかな展開の中、浮かびあがってくる人間の本質的な強さと哀しさ。そして最後には思わずホロっとさせられる、いまだかつてない映画体験“鈍獣ワールド”へようこそ。あなた自身も鈍いケモノかもしれません—。

新鋭映像クリエイターと、異色豪華キャストのすごすぎる化学反応!!
 脚本は、いまや飛ぶ鳥落とす勢いの宮藤官九郎。04年に彼が舞台劇として書き下ろした「鈍獣」は演劇界に衝撃を与え、岸田國士戯曲賞に輝いた異色作だ。PARCO劇場上演時はチケットが瞬く間に完売、宮藤作品の中でも深いテーマ性のある本作の、ダークなユーモアとサスペンスに満ちた世界観は観客を圧倒して絶賛を浴び、伝説となった。
 これに惚れ込み、映画化を熱望したのが、CM界の鬼才ディレクターとして注目を浴びる細野ひで晃だ。日清カップヌードルのCM「FREEDOM」シリーズなどで数々の受賞歴を持ち、映画界への進出が待ち望まれてきた逸材が、本作でついに劇場映画監督デビューを飾る。監督とはインターネットムービー『のんたのしっぽ』や「グループ魂」のPVで組んできた宮藤が自ら映画用に脚本を練り直し。舞台版とはひと味もふた味も違う、映像ならではの表現で新たな魅力を盛り込んだ。
 そして集まったのが、奇跡のような豪華キャストである。鈍すぎる不思議キャラ、凸やんには浅野忠信。俺様キャラの江田に、北村一輝。お調子者の岡本にユースケ・サンタマリア。ちょっと古風な愛人・順子に南野陽子。ウザいブリッ子・ノラに佐津川愛美。そして都会のキャリアウーマン・静に真木よう子。この最旬の顔ぶれが、揃って殻をぶち破り、すごすぎる化学反応で映画を彩る!
 さらに、08年にデビューした途端に大ブレイク、レコード大賞最優秀新人賞に輝いた黒人演歌歌手のジェロが、明役で演技に初挑戦しているのも大きな話題。また、スイーツ番長として親しまれている元横綱、大乃国関こと芝田山親方が、意外な隠れキャラとして登場するのも見逃せない。また「グループ魂」のPVで監督とも脚本の宮藤とも親交の深い本田博太郎が編集長役で参加している。加えて、銭湯シーンの壁絵他で印象的な劇中画の天明屋尚の作品提供は、「日本をカッコよく表現したい」と監督が切望し、実現。架空の町ときわに妖しさと斬新さをもたらしている。
また、少年時代の回想シーンでは、アニメーション制作を『鉄コン筋クリート』のSTUDIO 4℃が担当。ハイクオリティな中に絶妙な味わいで本作にアクセントを加えている。

ストーリー




なんで?どうして?どーゆーこと!?
殺しても殺しても死なない鈍〜いオトコが、大人になれないオトナたちを追い詰める—

25年前の事件。25年ぶりの出会い。鈍すぎるアイツが「あのこと」を本に書いていた!?

 週刊大亜の編集者、静(しずか)が降り立ったのは、なぜだかすべてが相撲中心に回っている地方都市、ときわ。彼女は失踪した作家・凸川隆二(でこがわりゅうじ)こと 凸(でこ)やんの足取りを追って、彼の出身地であるこの町にやって来たのだ。連載していた小説「鈍獣」で明多川賞にノミネートされた凸川の行方が数ヶ月前からわからなくなっていた。
 途中、電車が何かに衝突するというアクシデントに見舞われながら、静が向かったのはホストクラブ“スーパーヘビー”(その実、どう見てもただのスナック)。彼女はそこで、経営者にしてナンバーワンホストならぬオンリーワンホストである江田、その腰巾着でダメダメ警官の岡本、クラブのママで江田の愛人・順子、ブリッ子ホステスのノラに出会う。聞き込みを開始した静は、この変人たちの話から衝撃の事実を知ることになる……。
 ことの起こりは約1年前。この店に、小・中学時代の同級生である江田と岡本を訪ねて、凸やんが25年ぶりに顔を見せたのだ。
「もう、おしまい?」
カラスに襲われたとヒドい姿で笑う凸やんと、ビミョーな一夜を過ごした江田と岡本。なぜか凸やんは、昔の思い出をサッパリ覚えていなかった。
 偶然にもその日、コンビニで週刊誌を立ち読みした岡本が、凸やんの連載小説を発見。しかも、江田と岡本がいちばん思い出したくない痛〜い過去がネタにされている!
 その過去とは、江田と岡本と凸やん、そして凸川をめぐる悲劇。凸やんは、わんぱく相撲で西の横綱だった凸川と似ていることから凸やんと呼ばれるようになったのだ。鉄橋で相撲ごっこの肝試しをしていたとき、江田と岡本の勘違いから凸川は事故に遭ってしまったのだった。
 そのすべてを小説で暴かれ、焦る江田。「まるで俺たちが凸川殺したみたいじゃん!」岡本に凸やんを問い詰めさせても「書いてないよぉ」としらばっくれるばかり。凸やんに小説を書かせまいと、ノラを彼の愛人に仕立てるが、それも無駄だった。江田たちの過去はたちまち町の噂になり、江田はときわんぱく相撲の理事就任&相撲大会で弓取り式を仕切るという最大の野望をうち砕かれる。
 キレた江田は順子たちをそそのかし、凸やん殺しを共謀。「殺すなんて言ってねえ、ぽろすんだ。ポロシャツ着てぽろす」。そしてアメリカ製の超強力な殺鼠剤をしこたま入れた水割りを、凸やんに飲ませてしまう!
 しかし……なんと凸やんは死ななかった! それから連日、あの手この手で凸やん殺しをエスカレートさせていく江田たち。ところが殺しても殺しても、鈍〜い凸やんはこれっぽっちも気づかず、ゼッタイに死なず、それどころか元気になって(!?)、夜な夜な友達を求めてニコニコと飲みに来る。なぜだ! 凸やんは何者なのか?何故死なない!?
 そして、憔悴しきった江田たちが見たものとは……!?

スタッフ

監督:細野ひで晃
アニメーション制作:スタジオ4℃
製作:宇野康秀、山崎浩一
プロデューサー:曽根祥子、菅原直太、高瀬巌
アソシエイトプロデューサー:山崎雅史
企画プロデューサー:松野恵美子
脚本:宮藤官九郎
撮影:阿藤正一
美術:富田麻友美
音楽プロデューサー:緑川徹
VFXスーパーバイザー:川村大輔
スクリプター:長坂由起子
照明:高倉進
録音:山田幸治
助監督:甲斐聖太郎
劇中画:天明屋尚

キャスト

浅野忠信
北村一輝
真木よう子
佐津川愛美
ジェロ
本田博太郎
南野陽子
ユースケ・サンタマリア

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