原題:Summer Palace

1989年、6月。
自由を求める炎の中で、私はあなたに夢中だったー

第59回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品

2006年/中国・フランス/カラー/140分/R-18
配給:タゲレオ出版

2009年03月27日よりDVDリリース
2008年7月26日よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー

公開初日 2008/07/26

配給会社名 0413/0250

解説



1987年、中国東北地方から北京の大学に入学した美しい娘ユー・ホン。そこで彼女を待っていたのは運命の恋人チョウ・ウェイとの出会いだった。折しも学生たちの間には自由と民主化を求める嵐が吹き荒れていた。そんな熱気のなかで狂おしく愛し合い、そして激しくぶつかり合うふたり。しかし1989年 6月の天安門事件を境に、恋人たちは離ればなれになってしまう。彼はベルリンへ脱出。彼女は国内を流浪していくつかの仕事や新しい恋人を持つ。月日が流れても心の中ではお互いを忘れることができないユー・ホンとチョウ・ウェイ。果たしてふたりの人生は再び交わることがあるのだろうか・・・すれ違い、遠く離れ、また近づいていく恋人たちの姿を、中国社会が激しく揺れ動いた80年代末から2000年代初頭を背景に描いたのが、この『天安門、恋人たち』である。
カンヌ震撼、中国国内上映禁止! タブーに挑む意欲作ついに登場

2006年度、カンヌ国際映画祭。

『天安門、恋人たち』は上映されると、すぐさま大きな物議を醸した。その理由のひとつは、中国国内では未だに公にその話題を取り上げることすらできない天安門事件が作中で扱われているためである。いわば絶対的なタブーである事件を、しかも参加し制圧された学生たちの視点から描いたのは、当然ながら中国映画史上初の挑戦となった。さらに本作には、女優・俳優たちが裸を大胆に露出した、中国映画としてはかつてないほどの過激なセックスシーンが含まれている。カンヌでの上映の後、中国政府の許可を得ないままに国際映画祭に出品された本作に対して、政府当局から「技術的に問題がある」という理由で中国国内での上映禁止と監督の5年間の表現活動禁止という処分が言い渡された。著しい経済成長や北京オリンピックの開催で世界中の注目を集める中国。その激動の現代史が、ある一組の男女のせつない愛の軌跡と重なる。
実力派監督ロウ・イエがリアルに描く 普遍的な青春と世代特有の苦悩

監督は、チャン・ユアン(張元)やワン・シャオシュアイ(王小帥)らと共に中国映画第6世代の旗手と言われるロウ・イエ(婁?/『ふたりの人魚』『パープル・バタフライ』)。自らも学生として天安門事件に参加した経験を持つ監督は、自分たちの体験をありのままに表現すべく、事件直後からこの映画の構想を暖め続けていた。上記したような中国政府当局の敏感な反応に対しては「自分の映画で政治を扱ったつもりはない」と話す監督。本作では、挫折を味わいそれを昇華するのにその後の人生の多くの時間を費やしたこの世代特有の経験をリアリティたっぷりに描き出す。主演女優ハオ・レイは、共演のグォ・シャオドン(『故郷の香り』)とともに中国映画史上初となった全裸のセックスシーンに果敢に挑戦。さらに物語の後半では、心の中に青春の残り火をくすぶらせながらも新しい時代を生きようともがく主人公ユー・ホンを気迫をもって演じきった。ロウ・イエ監督は、「本作で描いたのは、急激な社会変化の中で見過ごされている、人々の心の中の混乱」であると語っているが、ユー・ホンの複雑な心境を見事に表したその演技は、国際的にも高く評価されている。

ストーリー

 1987年、中国と北朝鮮国境の町図們(トゥーメン)。父とふたりで暮らす娘ユー・ホンは大学の合格通知を手にする。故郷を離れ、北京の大学に進学する彼女は、恋人シャオ・チュンと過ごす最後の夜に彼と初めて結ばれる。

 大学で寮生活を始めたユー・ホンにリー・ティという大人びた親友ができる。そして、リー・ティの年上の恋人ローグーに、魅力的な青年チョウ・ウェイを紹介される。出会った瞬間、彼こそが探し求めていた人だと感じるユー・ホン。夜を徹して語り合い、ふたりは恋に落ちる。おりしも学生たちの間では、自由と民主化を求める嵐が吹き荒れ始める。改革を激しく求める熱気のなかで、ふたりは狂おしく愛し合う。

 しかし、幸せは長く続かない。チョウ・ウェイにあまりに強く魅かれるあまり、いつか離れる日を恐れたユー・ホンは自分から別れを口にしてしまう。彼女の気持ちを理解できないチョウ・ウェイ。お互いに求め合いながらも、ふたりの心はすれ違ってしまう。そして、学生たちによる激しい抵抗活動の続くある夜、彼女を心配して北京にやって来た故郷の恋人シャオ・チュンと共に、ユー・ホンは大学から姿を消してしまう。一方、天安門事件のあとチョウ・ウェイは軍事訓練に参加する。その後自由を求めてリー・ティ、ローグーと一緒にベルリンへと移り住む。

  10年に渡る月日が流れる。ユー・ホンは図們から深圳(シンセン)へ、さらに武漢、重慶へと中国各地を転々としながら仕事や恋人を変えて生活している。既婚の男性と不倫をしたり、年下の恋人に求婚されても、胸の奥底ではチョウ・ウェイを忘れることができない。チョウ・ウェイもまた、外国での暮らしの孤独と不安のなかで、思い続けるのはユー・ホンのことだった。
帰国したチョウ・ウェイは偶然大学時代の友人に遭遇してユー・ホンの居所を知り、彼女に会いに行く。思い続けた相手との再会に、言葉少なに海辺に立ち尽くすふたり。自由への幻想と共に心にしまった青春時代の恋は、再び燃え上がるのだろうか。

スタッフ

監督・脚本:ロウ・イエ
共同脚本:メイ・フェン、イン・リ
プロデューサー:ファン・リ、ナイ・アン、シルヴァン・ブリュシュテイン
撮影:ホァ・チン
美術:リュウ・ウェイシン
編集:ロウ・イエ、ツアン・チアン
録音:フー・カン
衣装:ルー・ユエ
音楽:ペイマン・ヤズダニアン

キャスト

ユー・ホン:ハオ・レイ
チョウ・ウェイ:グオ・シャオドン
リー・ティ:フー・リン
ローグー:チャン・シャンミン
トントン:ツアン・メイホイツ
シャオ・ジュン:ツゥイ・リン
ワン・ボー:パイ・シューヨン

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