原題:YELLOW HANDKERCHIEF

日本映画史に残る名作『幸福の黄色いハンカチ』が アメリカで甦りました! 空いっぱいに、愛がはためいている。

2008年/英語(日本語字幕)/96分/字幕:石田泰子 配給:松竹

2011年01月26日よりDVDリリース 2010年6月26日(土)より東劇他にてロードショー

©2009 Dodi Film Productions. All rights reserved.

公開初日 2010/06/26

配給会社名 0003

解説


日本映画史に燦然と輝く名作『幸福の黄色いハンカチ』が
33年の歳月を経て、アメリカで甦りました!

日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか主要6部門を独占、1977年度の映画賞を総なめにした日本映画史に残る不朽の名作、山田洋次監督作品『幸福の黄色いハンカチ』。
誰もが涙した感動のラストシーンは、今も日本人の心の中に深く刻み込まれています。
『ハチ公物語』が海を渡り、『HACHI 約束の犬』として製作されたのに続いて、アメリカ映画界が選んだのが、その『幸福の黄色いハンカチ』でした。プロットはそのままに、ロケーションをアメリカ南部に移して、約束の地・ニューオリンズを目指す新たな旅が始まります。自信を失い、孤独と諦観に包まれた現代を生きる人々が、やさしさと勇気を取り戻し、力強く再生していく物語。アメリカで鮮やかに甦った『イエロー・ハンカチーフ』は、まぎれもなく“今”を写し取った映画です。33年の歳月を経て、私たちは再び、スクリーンいっぱいに広がる無数の黄色いハンカチに、あたたかい涙を流すことになるでしょう。

アカデミー賞スタッフとキャストの強力タッグ
今、最も旬な女優クリステン・スチュワートの魅力!

世界で唯一、6度のアカデミー賞を受賞しているプロデューサー、アーサー・コーン。本作の企画は、2003年に『幸福の黄色いハンカチ』のリメイク権を獲得した彼が、山田洋次監督と固い握手を交わした2007年に始まりました。名伯楽の下、集結したのは、『キリング・フィールド』、『ミッション』で二度のアカデミー賞撮影賞に輝く名カメラマン、クリス・メンゲス。主人公ブレット役にはアカデミー賞主演男優賞受賞のウィリアム・ハート。ブレットの帰りをひたすら待つ妻メイ役には、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』の演技派マリア・ベロ。
彼と旅を共にすることになる若いカップルには、今や『トワイライト』シリーズのヒロインとして、全米で大人気を集めるクリステン・スチュワートと、『美しすぎる母』での好演も記憶に新しい成長株エディ・レッドメイン。特に、アイドル女優の枠には収まらないスチュワートの卓越した演技力が、黄色いハンカチを目指す旅を、より一層生き生きとしたものにしています。
また、リメイクにあたってオマージュを捧げたいと考えたプロデューサーのアーサー・コーンが、オリジナル版に出演し、アメリカにも活躍の幅を広げ始めていた桃井かおりの出演を熱望。桃井もこれを快諾し、出演の運びとなりました。

ストーリー




頑強な牢がガラガラと開く。ブレット(ウィリアム・ハート)は6年の刑期を終え、出所した。同じ日に出所した他の元囚人達は刑務所の外でそれぞれの帰りを待っていた家族の元へと走っていく。ブレットを待っている者は誰もいなかった。ブレットはしばらく歩いて食堂に入り、テーブルに腰かけビールを頼む。6年ぶりのビール。グラスに注がれたそれをゆっくりと飲み干す。
店を出て、店内の窓越しに眺めていたバスに乗り、フェリー乗り場で船の到着を待っていると一台の車がやってきた。さきほどの店にいた少し落ち着きの無い青年ゴーディ(エディ・レッドメイン)と、その青年に声を掛けられた少女マーティーン(クリステン・スチュワート)だ。マーティーンはボーイフレンドにフラれ、はずみで、その場に居合わせたゴーディを誘ったのだった。その一部始終を見ていたブレットはマーティーンに諭すように声を掛ける。「今はまだマシだと思えばいい。今によくなる」と。
マーティーンは赤の他人にも関わらず自分を優しく励ましてくれるブレットに親近感を覚え、一緒に車に乗らないかと誘った。ブレットは戸惑うが、ゴーディと二人だけでは不安だというマーティーンの誘いを受けることにした。三人が車に乗り込むと遠くで雷鳴が響き渡り、あっという間に激しい雨に見舞われた。オープンカーの車の屋根を急いで閉じて一息つくと、フェリーの乗組員らしき人がドアを叩き、嵐のせいでフェリーが片道運航になったことを伝えた。

土砂降りの中、ゴーディが車を走らせている最中、あやうくトラックと衝突しそうになる。ワイパーがまるで効かない雨の中をこれ以上走るのは危険だと思ったブレットは、モーテルに泊まろうと提案する。フロントに行くとぶっきらぼうな女主人(桃井かおり)に空き部屋が一つしかないことを告げられ、しぶしぶ部屋を借りる。フロントを出て、ブレットは出口の横に設置されていた郵便ポストに一通のハガキを滑り込ませる。
部屋は、女主人の言っていた通りベッドが一つ。マーティーンの携帯電話が鳴る。電話の相手は父親で、家にいないことを叱責される。電話を切るとマーティーンは一人隣の浴室に駆け込み、声を殺しながら嗚咽した。何事もなかったかのように浴室からマーティーンが出ると、ブレットは入れ替わりに入り、その浴室の床に寝ると二人に伝えた。
ブレットにならい、マーティーンはベッドで、ゴーディは床で寝床についたのだが、しばらくするとゴーディがベッドに入ってきた。そして、不器用にマーティーンを口説きだし、自分がひどく欲情していて、一回のキスでそれが治まることを独り言のようにつぶやいた。マーティーンはこのまま襲われるよりはマシだと思い、最大限の譲歩でキスをした。するとゴーディは、マーティーンに覆いかぶさり、体をまさぐり始めた。マーティーンがたまらず抵抗し泣き叫ぶと、隣で寝ていたブレットが何事かと、寝室に入ってきた。泣いているマーティーンとうろたえているゴーディをひと目見て状況を察知したブレットは、ゴーディに浴室で寝るよう、凄みをきかせながら促した。
ゴーディがしぶしぶ浴室に入ると、ブレットはマーティーンと距離をとり、床にすわるのであった。

翌朝。ブレットはゴーディにここまで連れてきてくれたことのお礼と、ここからはバスで南下することを伝えた。マーティーンもブレットと一緒に行くことにした。
二人はゴーディに送られ、近くのバス停で降りた。バスが来るまでかなりの時間があった。その間二人はお互いの身の上話をした。
ブレットは、以前ニューオリンズ近くの石油掘削所で働いていた事。マーティーンは父親と折りが合わないでいること。二人でそんな話をしていたら、ゴーディが車で戻ってきた。「昨日の嵐で交通機関はすべて運休。救えるのは俺だけ」

また三人の旅が始まった。車内では、どこで釣ってきたのかわからないザリガニをほおばるゴーディ。案の定、それが当たって通りすがりの無人の民家でトイレを借りることになったのだが、勢い余ってドライブウェイに車を乗り上げた時にオイルタンクを傷つけてしまう。
予期せぬ足止めを食らい、ゴーディが車を修理することとなった。マーティーンはそんなゴーディを蔑むのだが、ブレットは「結構まじめなヤツだ。ただ未熟なだけだ」と言うのであった。

修理は夜明けまでかかり、再び旅路につくのだが、雑貨店で買出しをしようとした時に事件は起きる。ゴーディが車を出ようとドアを開けると、勢い余って隣に停めてあった車のドアにぶつけてしまったのだ。車の持ち主は、ゴーディに弁償をせまり、怒りに任せ暴行を加える。しかし、ブレットによってあっという間にのされてしまう。
ゴーディを後部座席に乗せ、一行は急いでその場から立ち去った。マーティーンは酷くおびえていた。「パパが心配している」。するとゴーディが「いいね。俺の事は誰も心配してないけどね」。そう言いながらゴーディは、故郷では皆から疎まれ、自分の居場所がなく毎日が死ぬ程退屈だったことを告白した。それを聞いたマーティーンは彼も自分と同じような境遇にいたことを初めて知った。

けたたましいサイレン音。
スピード違反の取締りだろうか。車は警察に止められてしまう。ブレットは、免許証の提示を求められた。「免許証はない。6年間刑務所にいた」。ブレットは手錠をかけられ連行されてしまう。その後、警察署で事情聴取されるが、巡査部長と顔見しりだったため、ブレットはすぐに釈放される。外に出るとマーティーンとゴーディが不安げに待っていた。
これ以上迷惑をかけるのは申し訳ないと思い、その場を立ち去ろうとしたブレットだったが、
マーティーンに引き止められ、再び同行する。
そしてその車内で、ブレットは訥々と自分の過去を語り始めた。
「生きているのか死んでいるのかわからない暮らしだった。メイと出会うまでは・・・。」

スタッフ

監督:ウダヤン・プラサッド
製作:アーサー・コーン
製作総指揮:リリアン・バーンバウム
原作:ピート・ハミル
脚本:エリン・ディグナム
撮影:クリス・メンゲス
美術:モンロー・ケリー
編集:クリストファー・テレフスン
音楽:イーフ・バーズリー、ジャック・リブジー

キャスト

ウィリアム・ハート
マリア・ベロ
クリスティン・スチュアート
エディ・レッドメイン

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