原題:The Jane Austen Book Club

2007年/アメリカ/カラー/105分/ 配給:ソニー・ピクチャーズ

2010年05月26日よりDVDリリース 2008年4月12日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

公開初日 2008/04/12

配給会社名 0042

解説




読書会ブームから生まれた、全米ベストセラーを映画化!
新人女性監督が悩める女性に捧げる、ビタースウィートな恋と人生の物語

 アメリカでは今、読書会が大流行している。ミドルクラスの女性の3人に一人が参加、“空前の”と言っても大げさではないブームなのだ。美味しい食事と上等なワインやコーヒーを楽しみながら、本について語り合う。と言えば、気楽なホームパーティのようだが、前もって指定された本を読み込み、きちんと自分の意見を準備しなければならないという厳しさも要求される。
 そんなブームのなか、読書会を開く女たちを描いた小説が出版され、全米の女性たちの心を共感でわしづかみにした。書評家からも大絶賛され、2004年のニューヨークタイムズのベストセラー・リストに載ったこの小説を映画化したのが、本作『ジェイン・オースティンの読書会』である。
 舞台は、カリフォルニア。6人のメンバーが6ヵ月で6冊の本を語り合う読書会。読むのは、すべてジェイン・オースティン。18世紀末から19世紀にかけて活躍したイギリスの女性作家だ。本国ではもちろん、アメリカでも根強い人気を誇るのは、200年以上を経た今も全く変わらない人々の悩み──恋愛、結婚、友情、社会的地位や礼儀をめぐる人間関係を描いているからだ。
 オースティンを1度も読んだことがない、あるいは名前すら知らない観客にも、「これは私の物語だ」と思わせる絶妙なオープニングシーンで才能を見せつけたのは、本作が長編映画の監督デビュー作となるロビン・スウィコード。良質な女性映画の脚本家としてすでに高く評価されている彼女は、本作でもユーモアをちりばめたシニカルな会話と、観る者が思わず自己投影せずにはいられない愛すべきキャラクターたちを作り上げた。

恋愛、結婚、友情……それぞれの事情を抱えた女たちが、
ジェイン・オースティンを通して向き合う人生の、思わぬ顛末とは──?

 「ジェイン・オースティンは人生の最大の解毒剤だ」結婚歴6回、今は気楽な独り者のバーナデットは、常々そう考えていた。オースティンを、まるで身近な人生の師のように敬愛しているのだ。彼女は、愛犬の死を悲しむ友人のジョスリンを励まそうと、オースティンの読書会を企画する。エネルギッシュで魅力的なのに、傷つくことが怖くて恋に踏み出せないジョスリン。彼女の高校時代からの友人シルヴィアも、結婚して20数年の夫から突然「他に好きな人ができた」と打ち明けられ、人生最大のトラブルに直面していた。
 1冊ずつリーダーを決めるのが、読書会のお約束。オースティンの長編小説は6冊、あと3人必要だ。まずは、オースティンに独自の解釈と熱い愛を抱くプルーディー。フランス語教師なのに渡仏経験がないこと、夫と趣味が合わないこと、教え子にときめいていることが目下の悩みだ。そして、恋多きシルヴィアの娘、アレグラ。最後は、ジョスリンが見つけてきた、唯一の男性にしてオースティン初体験の青年、グリッグだ。各々の家で、時には海辺で、美味しいワインをあけて、尽きないおしゃべりが始まった。まさかオースティンについて語ることで、彼女たちの人生が色づき、絡み合い、思わぬ結末にたどり着くとも知らずに……。
 小説の登場人物に自分を重ねて動揺したり、ちょっとした言い合いになったりしながら、それぞれの想いや、抱えている悩みを分かち合う6人。あなたも人生を変えてくれる読書会を開いてみませんか──?

演技派から期待の若手俳優まで、個性の際立つキャストと
エンタテインメントの今を牽引するスタッフ

 読書会の6人のメンバーには、個性的なキャストが揃った。プルーディーを演じるのは、『プラダを着た悪魔』でゴールデングローブ賞にノミネートされたエミリー・ブラント。バーナデットには『コールド マウンテン』のキャシー・ベイカー、ジョスリンには『ワールド・トレード・センター』のマリア・ベロ、シルヴィアには『ヒート』のエイミー・ブレネマン、グリッグには『ブラックホーク・ダウン』のヒュー・ダンシー、アレグラには人気TVシリーズ「LOST」のマギー・グレイス。その他、プルーディーの母にはアカデミー賞に2度ノミネートされたベテラン女優、リン・レッドグレーヴ、プルーディーの教え子には、『トランスアメリカ』のケヴィン・ゼガーズ、シルヴィアの夫には『スター・ウォーズ』シリーズで知られるジミー・スミッツ。演技派から将来が期待される若手まで、注目の顔が集まった。
 6人のキャラクターを裏付ける部屋作りを手がけた美術は、『オースティン・パワーズ』シリーズのラスティ・スミス。彼らの個性を演出する衣装は、『きみに読む物語』のジョネッタ・ブーン。都会的で洗練されていながら温かみのある音楽を、プロデューサーとしてクリスティーナ・アギレラ、アリサ・フランクリンらを手がけるアーロン・ジグマンが担当しているのも話題だ。

ストーリー

ワインとおしゃべり
時々 恋——
それが
女たちの読書会

プロローグ
なぜ、女たちは読書会を開くのか──?
 きっかけは、一匹の犬だった。ブリーダーのジョスリン(マリア・ベロ)が、一番愛情を注いでいたプライディが亡くなったのだ。ジョスリンは、恋愛には興味がないと言い放つ独身主義者。葬儀に集まった友人たちは、彼女が悲しむ姿を見て、元気づけたいと考える。そして6回の結婚歴を誇り、今は独り者のバーナデット(キャシー・ベイカー)が、ジェイン・オースティンの読書会を思いついたのだ。「オースティンは、人生の最高の解毒剤」だから……。
 やがて読書会で励ましたい相手がシルヴィア(エイミー・ブレネマン)に変わる。20年以上連れ添った夫のダニエル(ジミー・スミッツ)に、突然「他に好きな人ができた」と宣言されたのだ。

第1章
メンバー探し
 オースティンの長編小説は6冊。1冊ごとにリーダーを決めるのが読書会のお約束、メンバーは6人だ。「オースティン映画祭」で、バーナデットは4人目を見つける。独自の解釈でオースティンを熱愛するプルーディー(エミリー・ブラント)、高校のフランス語教師で、趣味の合わない夫(マーク・ブルカス)より、教え子のトレイ(ケヴィン・ゼガーズ)にときめいている。
 シルヴィアの娘アレグラ(マギー・グレイス)も巻き込み、最後はジョスリンが、唯一の男性にしてオースティン初体験者を連れてきた。シルヴィアの相手にと目をつけられた彼の名はグリッグ(ヒュー・ダンシー)、熱狂的なSFファンの青年だ。
 担当を決める初顔合わせも終わり、いよいよ読書会が幕を開ける──。

第2章
2月「エマ」
 第1回は、ジョスリンの家。近所のスーパーで、恋人連れのダニエルと鉢合わせしたシルヴィアは、落ち込んでいた。もうずっと昔の話だが、シルヴィアにダニエルを紹介したのは、ジョスリンだった。縁結びが大好きな主人公のエマは、シルヴィアにそのことを思い出させ、動揺させる。
 他人の意見を受け入れないプルーディーにアレグラが反感を抱く。彼女のオースティンを「ジェイン」と友達のように呼ぶ態度も不評だ。なにやら初回から、普通の読書会とは違う不穏な空気が漂っていた。

第3章
3月「マンスフィールド・パーク」
 パリ旅行をキャンセルしてNBA観戦に旅立つ夫、だらしない母親(リン・レッドグレーヴ)、大胆に誘惑してくるトレイ──プルーディーの心は分刻みで揺れていた。ジョスリンに一目ぼれしたから参加した、というのが真相のグリッグは、シルヴィアを誘えと煽る彼女に戸惑う。シルヴィアは正式な離婚手続きを終え、同性愛を公言するアレグラには新しい恋人ができる。
 そんななかで開かれた第2回。耐え忍ぶばかりの主人公ファニーに批判が集中するが、他の女にのぼせていた男を一途に思っていたと援護するシルヴィアは、またもや自分の姿と重なって心を乱すのだった。

第4章
4月「ノーサンガー・アビー」
 ソファ選びを口実に、グリッグはジョスリンとの初デートに成功する。亡き父の影響で好きになったSF小説の素晴らしさを熱く語るグリッグ。彼の純粋さに心を動かされたジョスリンは、全く興味のないル・グィンを読んでみると約束する。シルヴィアはというと、急にやって来たダニエルに驚かされる。芝刈りとシャワーの修理をしたいという彼の申し出は、もちろん拒絶される。
 第3回は、グリッグの家。母親が事故で急死したプルーディーは欠席だ。久しぶりに美しく着飾ったシルヴィアと楽しげに語り合うグリッグを見て、喜ぶはずのジョスリンの胸中は穏やかではなかった。

第5章
5月「自負と偏見」
 第4回は、図書館のディナー会。徐々にメンバーの本音があらわになる。登場人物の誰かが自分と重なり、本について語るつもりが、自分の悩みを語っているのだ。
 遅刻したグリッグとジョスリンは、道を急ぎながら口論する。ジョスリンへの想いを打ち明け、シルヴィアと結び付けようとする傲慢さを非難するグリッグ。夫に付き添われて現れたプルーディーは、母親の死のショックから、皆の前で酔っ払って取り乱してしまう。

第6章
6月「分別と多感」
 スカイダイビングやロッククライミングなど、危険なエクストリームスポーツが大好きでケガが絶えないアレグラが入院、駆けつけたシルヴィアとダニエルは、家族の絆を再確認する。
 ジョスリンへの恋心を募らせるグリッグは、傷つくことを恐れて拒絶する彼女に怒りを抱く。アレグラの病室で開かれた第5回は、登場人物たちの入り組んだ人間関係を借りて、グリッグとジョスリンが想いをぶつけ合う緊張感あふれる会になる。

第7章
7月「説得」
 遂に迎えた最終回は、「説得」で描かれるイギリスの海岸町ライムへの小旅行にちなんで、海岸で開かれる。読書会を夫への口実にトレイに会いに行ったプルーディーは担当にもかかわらず遅刻、グリッグは女連れで来ると宣言、「最後で幸い」「少々もつれすぎね」という事態になるが、さらに海岸にはダニエルも現れた……。

エピローグ
絡み合いながらも、色づき、輝き始めた女たちの人生は、果たしてどこにたどり着くのか──?

スタッフ

脚色・監督:ロビン・スウィコード
製作:ジョン・キャリー、ジュリー・リン、ダイアナ・ナッパー
製作総指揮:マーシャル・ローズ
共同製作:ケリー・トーマス
撮影:ジョン・トゥーン、ASC
美術:ラスティ・スミス
編集:メリーアン・ブランドン、A.C.E
音楽:アーロン・ジグマン
音楽スーパービジョン:バークリー K. グリッグス
衣装:ジョネッタ・ブーン
原作:カレン・ジョイ・ファウラー(「ジェイン・オースティンの読書会」白水社刊)

キャスト

キャシー・ベイカー
マリア・ベロ
エミリー・ブラント
エイミー・ブレネマン
ヒュー・ダンシー
マギー・グレイス
リン・レッドグレーヴ
ジミー・スミッツ
マーク・ブルカス
ケヴィン・ゼガーズ
パリザ・フィッツ・ヘンリー
グウェンドリン・ヨー
ナンシー・トラヴィス

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