好きなように、感じたように演奏する。それが音楽だっていうこと——。

2007年/日本/カラー/93分/35mm/ヴィスタ/ 配給:トルネードフィルム

2008年3月15日より渋谷Q-AXシネマほか全国ロードショー

©柏木ハルコ/小学館 ©2007「ブラブラバンバン」製作委員会

公開初日 2008/03/15

配給会社名 0633

解説


好きなように、感じたように演奏する。それが音楽だっていうこと——。

ちょっと内気な男の子・白波瀬が出会ったのは、音楽に特別な“何か”を感じた瞬間、理性の支配から解放されてしまう女子高生の芹生百合子。仲間とともに一度はつぶれたブラスバンド部を復活させ、ブラスバンドの甲子園「普門館」を目指すうち、白波瀬たちは上手なだけでも器用なだけでも得られない、かけがえのない“何か”を発見していく。

『スウィングガールズ』『リンダ リンダ リンダ』など高校生たちの音楽ものがヒットし、『のだめカンタービレ』『神童』で若い世代にもクラシック・ブームが広がるなか、まったく新しい青春学園音楽ムービー『ブラブラバンバン』が誕生した。

ときにはぶつかりながら、みんなで力を合わせてひとつの目標に向かい、成長していく。甘酸っぱい友情とほのかな恋に彩られた青春映画のきらめきをギュッと閉じ込めた王道の展開ながら、圧倒的にユニークなのはヒロインのキャラクター設定。音楽にエクスタシーを感じるとエッチな暴走キャラに変身してしまうヒロインが巻き起こす笑いと涙に満ちたエピソードが、『ボレロ』をはじめとする名曲とともに描かれていく。

原作は力強い絵のタッチとユニークな視点が生きたストーリー展開で熱烈なファンを持つ柏木ハルコの同名コミック。週刊ヤングサンデーに連載されて話題を呼んだ原作の高揚感を、柏木ハルコのファンだという『青の瞬間(とき)』の草野陽花が見事に映像化している。

根戸ケ谷高校のブラスバンド部の部員には、個性豊かなメンバーが揃った。モデルばりのルックスを誇りながらもナイーブな内面を持つヒロインの芹生百合子を演じ、主題歌も担当しているのは、06年3月にはロイド・ウェバーの『ザ・ビューティフル・ゲーム』でミュージカル・デビューも果たした、国民的美少女コンテスト出身のアーティスト・安良城紅。次世代のファッションリーダーでもある彼女が指揮とホルンを担当するセクシーな女子高生に挑戦し、新たな魅力を開花している。白波瀬を演じるのはドラマ『いま、会いにゆきます』で注目を集めた福本有希。ほかにも『天然コケッコー』の岡田将生、『テニスの王子様』の足立理、『フラガール』の徳永えり、『エコエコアザラク』の近野成美など、これからの日本映画界を担うフレッシュなキャストが集結した。音楽が重要な役割を果たす作品だけに、出演者たちは各パートの楽器を猛練習。栃木に残る廃校でクランクインしてからも空き時間には音楽室で練習に励み、思わず鳥肌が立つような演奏シーンを完成させた。また教師役として藤村俊二、宇崎竜童、さとう珠緒、ヒロインの両親役で森本レオ、原日出子らが顔を揃え、若い才能をバックアップしている。 

ストーリー



あの夜、彼女との不思議な出会いがなければ、僕はまたブラバンをはじめることはなかった……。

初恋の人に告白したものの、あっさりフラれた中学三年生の白波瀬歩。トボトボと夜道を歩いていると、ホルンの音色が聞こえてくる。うっとりと『ボレロ』を演奏する女性に合わせてトランペットを吹くと、不思議なことが起こる。なんとその女性が空へと舞い上がっていったのだ。

4月。県立根戸ケ谷高校に入学した白波瀬は、放課後、ホルンで『ボレロ』を吹くあの女性に遭遇する。思わず再びトランペットで合奏すると……、なんと彼女は白波瀬に飛びかかり、制服のボタンが弾ける勢いで裸にしてしまったではないか! 白波瀬は突然のことに驚いて、教室を飛び出した。翌日、同じく新入生の八田が吹奏楽部への勧誘を行っていると、昨日の彼女が近づいてくる。大胆な行動をまったく覚えていないという彼女に、白波瀬は自分がトランペットを吹いたと申し出る。 

彼女の名前は芹生百合子。「音楽室で私が何をしたか教えてほしい」という彼女に白波瀬は、
他の曲を演奏するとどうなるのか実験してみようと提案。部員になった村雨のトランペットに合わせ、『花のワルツ』をホルンで演奏した芹生は、再び発情! キスをする現場を、
村雨に思いを寄せる神野さくらに目撃されてしまう。

芹生は心地いい音楽を聞くと人並み以上に気分が高揚し、その興奮が最高潮に達すると人格が変わってしまうという特異体質なのだという。それが本当かどうか試してみるために、神野の提案でコンクールに出場することに。神野が地区コンクール用に選んだ曲は、加藤茶の「ちょっとだけよ」でおなじみの『タブー』。ホルンのパートがない曲ゆえに芹生は指揮者となり、急ごしらえの吹奏楽部のメンバーたちが集まって、練習をはじめる。

地区コンクール当日。演奏中、ステージ上で指揮棒を振っていた芹生の真っ赤なドレスがズリ落ちて裸になってしまうというハプニングが発生するも、繰り上げによって予選を突破。夏の県予選コンクールに出場することが決定。さっそく部員たちは、練習を見学するために吹奏楽の名門校、美ヶ丘高校へ足を運ぶ。厳しい指導に腰が引ける部員をよそに、指揮をさせてもらうことになった芹生は、完成度の高い『ダフニスとクロエ』の演奏に大満足していた。そのとき、芹生に声をかけたのは中学時代の同級生。「まだブラバンやってんの? 指揮もやめたほうがいいよ、迷惑かけるから」。芹生には中学時代、コンクールの本番中に興奮が極限に達し、ステージ上をめちゃくちゃにしてしまった、忘れたくても忘れられない苦い“前科”があったのだ。

吹奏楽の甲子園「普門館」出場を目指して、夏のコンクールの自由曲『ダッタン人の踊り』の練習に励む根戸ケ谷高校吹奏楽部の部員たち。けれどもなかなか芹生を気持ちよくさせる演奏をすることができずにいた。そんな部員たちにいつもは無口な芹生がアドバイスする。「一枚の絵だと思って演奏してみて」。

それぞれが猛練習に励むある日、コンクールで芹生の服が脱げた事件を知った合唱部の顧問から、合唱部にも迷惑がかかるという理由で、活動休止とコンクールへの出場停止を言い渡される。これをきっかけに練習に参加しなくなった芹生の家を訪ねた白波瀬は、芹生の母親から、芹生がいまは亡き父親から音楽の喜びを教えてもらったことを聞き、そして彼女が人知れず熱心につけていた部活日誌を発見する。「芹生さんは異常なんかじゃない。日頃から抑えているどうしようもない感情があって、いつもどうにかしようと思ってて、それを音楽にのせて解放しようとしてるんだ。人は音楽に踊らされてもいいんだ!」。

「私にはブラバンは無理。迷惑かけちゃうから」という芹生に白波瀬は「だったら迷惑かけてください。僕は迷惑かけられたいんです!」と告げる。それぞれの思いを抱えながら練習を続けていた、コンクールを目前に控えたある日。部屋のベッドに寝転がる芹生の耳に、『ボレロ』の演奏が聞こえてくる。それは白波瀬、八田、村雨たちが丘の上に集まって“一枚の絵”になり、芹生のために演奏している『ボレロ』の音だった。

もう一回指揮棒を振ってほしい。そんな部員たちの声に背中を押されて、再びステージに上がることを決意した芹生。そして集まった残りわずかな部員たち。「普門館」目指して、彼らの演奏がはじまった……。

スタッフ

原作:柏木ハルコ 『ブラブラバンバン』(小学館ヤングサンデーコミックス)
監督:草野陽花
音楽監督:磯田健一郎
主題歌:安良城 紅「Mellow Parade」(エイベックスロゴ)
製作:大橋孝史、尾越浩文、福井政文、宮坂学、小松英士郎、高田基生
企画:川島正規、迫田真司、岩佐淳一
プロデューサー:上野境介、棚橋裕之、小林洋一、内山順二、小川憲正、石井満
制作プロダクション:トルネード・フィルム
SPECIAL THANKS:みずほ銀行ビジネスソリューション部(ニュービジネスチーム)
協力:小学館、エイベックス・エンタテインメント
音楽協力:ヤマハ、ヤマハミュージックトレーディング、星野楽器株式会社、専門学校東京ミュージック&メディアアーツ尚美
製作:「ブラブラバンバン」製作委員会
(トルネード・フィルム / ポニーキャニオン / ウェッジホールディングス / Yahoo! JAPAN / クオラス/ ファミマ・ドット・コム)
支援:文化庁
配給・宣伝:トルネード・フィルム

キャスト

安良城紅
福本有希
足立理
岡田将生
近野成美
徳永えり
若葉竜也
南明奈
柳下 大
さとう珠緒
藤村俊二
森本レオ
原日出子
宇崎竜童

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