女の幸せって何スか?

2007年/日本/カラー/77分/ 配給:アムモ

2008年03月21日よりDVDリリース 2007年11月10日、池袋シネマ・ロサにてレイトショー

(C)2007 コンナオトナノオンナノコPartners

公開初日 2007/11/10

配給会社名 0376

解説



『パビリオン山椒魚』『亀虫』の冨永昌敬監督が挑む、
女の本音に鋭く迫る人気漫画家・安彦麻理絵のコミック、初の映像化!
“オトナノオンナノコ”。明らかに矛盾したこの言葉。平たく言うと「女はいくつになっても(たとえ30過ぎても)女の子なんだもんっ」って感じなんだろうが、本作はそんな生ぬるい話ではないノ。バリバリ働く独身キャリアウーマンのチアキと、キッチンドランカー気味の子持ち専業主婦マサミ。互いを「親友」と呼び合って揮らない2人の、一見真逆の道をゆく人生。はたから見れば、そこそこ幸せに見える彼女たちの人生も、蓋を開ければ不満だらけ。ないものねだりで、互いを強烈にうらやましがりながらも、実は“孤独”というキーワードでしっかりつながれている。
そんな微妙なお年頃=29歳の女たちの“幸せ探し”は、残念ながら、男性諸氏が期待するような美しい旅路ではないかもしれない。彼女たちのバッドトリップはひたすらに貧欲で、あまりに赤裸々で…そしてかなり、愛おしい。
原作は、せっかく入った大学をわずか3日で中退し、89年「ガロ」より鮮烈にデビューした人気漫画家・安彦麻理絵。当時から一貫して、女性のリアルな生態を真正面から描き続ける彼女だが、そのポップな画風と、まるで小説を読んでいるようなディープな言葉選びは圧巻。
当然ながら、熱狂的な女性ファンが多い。そんな“女度”120%の原作を見事に料理してみせたのが、『パビリオン山椒魚』(06)で日本映画界に衝撃を与えた冨永昌敏監督。30歳を過ぎたばかりの新鋭ながら、『ドルメン』(99)が、2000年ドイツのオーバーハウゼン国際短編映画祭で審査員奨励賞を受賞、2002年には『VlCUNAS/ビクーニャ』(02)が水戸短編映像祭でグランプリを受賞するなど、その才能は早くから多くの映画人に認知されていた。「映画は虚溝だ!」と潔く振り切らんばかりの(!?)大胆な作風に、やはり熱狂的信者多数。
そんな2人に同じ匂いを感じて…かどうかは不明だが、プロデューサーが本作の企画を冨永監督に持ちかけたところ、実は安彦と冨永は友人同士という事実が発覚!今回の異色コラボが実現した。
原作のいい意味での“女のいやらしさ”を残しつつも、ヨーロッパ映画のような洗練されたシークエンス、チアキとマサミのココロの闇を象徴するかのような独特のナレーション、そしてクスクス笑い必至のユーモアセンスなど、随所に冨永カラーが散りばめられているのが秀逸だ。
キャストも映画ならではの個性的かつ豪華な面々。主人公・大久保チアキを演じるエリカ(『ワンダフルライフ』(99)『誰がために』(05))のゴージャスでタフな存在感、もう1人のヒロイン・伊原マサミに扮した桃生亜希子(『Stereo Future』(00)『バウムクーヘン』(06))のガーリーさの中に生々しさを秘めた魅力。リアルな“オトナノオンナノコ”を体現するべく、ハードなシーンにも体当たりしている映画女優2人の熱演は必見だ。そんな彼女たちを支える(翻弄する?)共演陣に、水橋研二、斉藤陽一郎、杉山彦々、高野八誠、河合美智子、津田寛治など日本映画界を牽引する実力派が顔を揃えている。音楽は、今回、監督たっての希望により渡邊琢磨(COMB0PIANO)が全曲を書下ろしで作曲、またさらに渡邊琢磨、鈴木正人、内田也哉子からなるユニットsighboatが妖しいムード満点の主題歌をつくりあげた。
若き異才監督が桃む、オンナなら誰でも共感できるストーリー。切なくてちょっぴり感動的な、新しいマスターピースの誕生と言っても過言ではないだろう。

ストーリー






実家の母親からの電話でたたき起こされる、大久保チアキ(エリカ)=29歳。出版社の女性誌編集部でバリバリ仕事をこなす、キャリアウーマンだ。口を開けば「結婚しろ」と連呼する母親の小言に本気でうんざりしながら、最悪な気持ちで今日も仕事に向かうチアキ。一見、忙しく充実した生活を送っているようで、元彼ジュンイチ(水橋研二)と別れて以来、男っ気のない寂しい毎日に人知れず孤独と焦りを感じている。
そんなチアキの親友、伊原マサミ(桃生亜希子)=29歳。チアキとは同じ編集部の元同僚だったが、寿退社して以来、完全な専業主婦に。バツ1の夫・数彦(斉藤陽一郎)との問に愛娘・風花を授かり、一見幸せな生活を送っているが、実は数彦とは1年近くセックスレス。
自慰のし過ぎで、大事な部分が炎症を起こして病院通い、いつも自分より先に寝てしまう夫を横目にビールをあおる…と、決して満たされた日々とは言いがたい。可愛い風花を見るにつけ、強烈ないとしさと結婚への憧れを感じるチアキ。そんな風花をもちろん愛しつつ、外で働くチアキに羨望と嫉妬を隠せないマサミ。
「このままじゃダメだ!」と、イケメン鹿島との合コンを同僚・小杉(杉山彦々)にセッティングさせたチアキ。自分の盛り立て役にとマサミも呼びつけ本気度全開だったが、なんと鹿島はラブラブの彼女を同伴。
完壁にやさぐれたチアキは、ヤケで小杉と愛のないセックスに及ぶが、その小杉さえも行為の途中でそそくさと帰っていく。その後、チアキは会社に何の連絡もなく突然失踪するのだった…。
一方、ストレスを溜め込んで飲酒と過食に走るマサミは、母である以上にオンナに戻りたいと切望する日々。そんな中、行方不明になったチアキと入れ替わるようにして、念願の職場復帰を果たしたマサミは、留守中のチアキ宅を秘かに仕事場として利用し始める。
仕事に没頭するあまり、風花と心が離れていくことを感じながらも、マサミは仕事を辞められない…。
その頃失踪したチアキは、初心に返って(!?)なぜか牧場で汗を流していた。そこに心配して駆けつけたのは元彼ジュンイチ。最初は完全無視を決め込むチアキだったが、自然な流れで体を重ねてしまう。ときめきこそないが、妙な居心地の良さを感じたチアキは、ジュンイチと共に久々に帰宅。するとそこには1人で風花が…!
そして保育園から脱走した風花を、血眼で捜すマサミと数彦。自分を責め取り乱すマサミをなだめるように、風花を妊娠した頃の記憶を辿っていく数彦。かつては確かに愛し合っていた2人の記憶が、切なくよみがえる。

スタッフ

監督:冨永昌敬
原作:安彦麻理絵
脚本:佐藤有記
   冨永昌敬
撮影:月永雄太
美術:仲前智治
編集:冨永昌敬
音楽:渡邊琢磨
主題歌:sighboat 『SPACE OUT GIRL』
主題歌作曲:渡邊琢磨
主題歌作詞:内田也哉子
照明:大庭郭基
録音:山本タカアキ

キャスト

エリカ:大久保チアキ
桃生亜希子:伊原マサミ
水橋研二:中野淳一
斉藤陽一郎:伊原数彦
杉山彦々:小杉幸治
磯野光沙:伊原風花
高野八誠:鹿島
戸田昌宏
河合美智子:吉田(べリッシマ編集長)
津田寛治:樋口/医師

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