千葉真一監督&主演!

2006年/日本//ステレオ/カラー/108分 配給:チェイスフィルム エンタテインメント

2007年8月25日(土)よりQ-AXシネマにてレイトショー

(C)2006もりやまつる/小学館/チェイスフィルム

公開初日 2007/08/25

配給会社名 0867

解説


あの頃。家には優しいお袋、姉貴、そして、親父がいた。
まだ幼い子供だった俺の記憶は定かではないが、
それはあたりまえの風景であり、幸福は何かなんて、
ましてや家族の絆なんて、考えたことさえなかった。
15年前に火事があった。
親父を失った家族の歯車は少しずつ狂っていった。
お袋は笑顔をなくし、姉貴はヤクザと結婚し、
俺は転がるように暗いトンネルへと落ちていった。
それが現実だった。やっぱり家族のことなんて、考えたことなどなかった。
それがある夏の日。
突然、“あの人”が帰ってきたのだった・・・。

命をかけて火事から家族を守り、散っていった‘親父’。大黒柱を失った母や子供たちの心はバラバラとなったまま、十数年が過ぎた。愛情を求め、安らぎを欲しながら、常に満たされない時を過ごした家族を再び修復させることができるのは、‘親父’ただひとりだった・・・。
少し前まで、‘親父’が家族の中心だった。威厳を発揮し、家族を守り、妻や子供たちを先導する役割を果たしていた。そこには、なんの見返りも無い愛が存在し、父親の偉大さと強さが確かに存在していた。映画『親父』は、死んだはずの“親父”が帰ってきたある家族の姿を通し、家族愛、夫婦愛、そして勇気と心の絆を描く感動の物語である。
原作は小学館ビッグコミックスペリオールに連載されていた、もりやまつるによる同名コミック。主演の‘親父’沼田竜道役に日本のみならず、タランティーノ監督を始め世界中に熱狂的なファンを持つ<世界のカリスマ>千葉真一(JJ. Sonny Chiba)。圧倒的な存在感と百戦錬磨を潜り抜けてきた者だけが持ちうる包容力をもってして、これ以上ないほどの適役である昔ながらの‘親父’を演じきる。何の言葉も説明もいらない、男の中の男がここにいる。また本作は、90年の『リメインズ 美しき勇者たち』以来実に17年ぶりの監督作でもある(井出良英と共同監督)。主演と監督を兼ねるのは初めての試みであり、そのチャレンジ精神はとどまるところを知らない。妻、敏子役に『黒い雨』『ありがとう』の田中好子。夫を亡くして以来、家族の要として働き、子供たちに深い愛情を注ぎながらも、父親の代わりにはなれないことを痛感する難しい役柄を絶妙に体現。クライマックスでの最愛の人に別れを告げるシーンの抑えた演技は、観る者すべての胸を熱くするに違いない。ふたりの息子である伸吾役にTV「ウォーターボーイズ2」や『タッチ』の斉藤慶太。純粋であるが故に傷つきやすく、向こうみずな青年を活き活きと演じ、新境地を開拓した。他にもテレビやグラビアで活躍する北川弘美、『VERSUS』『棚の隅』の榊英雄、『血と骨』『しゃべれども しゃべれども』の松重豊、作家のみならず近年は俳優としても存在感を見せる筒井康隆、『ギャング対ギャング』をはじめ石井輝男作品などで異彩を放った龜石征一郎といった個性的な面々が出演し脇を固める。
どの時代でも変わらない、親が子を思う気持ち。そしてそこにある深くて何ものにも代えがたい愛情。『親父』は、そんなシンプルでありながらも現代を生きる人々が忘れてしまいがちな感情を見事に描いている。観終わった後、父親のことをふと思い出すような、そんな映画なのだ。

ストーリー


 ボクサーを志しながらも、悪い仲間とつるんだ挙句、いい様に利用され警察の世話になる弟の伸吾(斉藤慶太)。ヤクザの夫の暴力に耐えかねて実家に出戻ってきた姉、洋子(北川弘美)。そんな二人を心配しながら必死に生活をやりくりする母、敏子(田中好子)。親子三人の心には同じ穴が開いている。「親父」と言う穴が—。
 盆を迎えようというある晩のこと、洋子の夫、津川(榊英雄)が無理やり洋子を連れ戻そうと乗り込んでくる。敏子の制止を振り払い、容赦なく暴力を振るう津川。二人を守ることもできず無力に立ち尽くす伸吾。家族の身が危険にさらされたそのとき、17年前の火事で命を落としたはずの父、竜道(千葉真一)が帰ってくる。
 しかし、突然の父の帰宅をすぐには受け入れることのできない姉弟。そんな二人をよそに、親父はこれまでの不在を埋めるように、姉弟の前に立ちはだかる問題や二人を襲う暴力に対し、全身全霊をかけて立ち向かっていく。
 熱く強い父の姿に徐々に安心感を覚え、いつしか家族の調和を取り戻していく伸吾たち。その一方で母は、鬼神のような竜道の姿を違った思いで見つめていた。
  線香花火に願った思いを抱えて戻ってきた親父の秘密とは・・・。

スタッフ

原作:「親父」もりやまつる(小学館刊)
脚本:龜石太夏匡、井出良英
監督:千葉真一、井出良英

キャスト

JJ.Sonny Chiba
田中好子
斉藤慶太
北川弘美
榊英雄
松重豊
筒井康隆
龜石征一郎

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