目覚メヨ、残虐。

2007/日本映画/カラー/35mm/ヴィスタ/DTSステレオ/95分/PG-12/ 配給:ザナドゥー

2009年01月21日よりDVDリリース 2008年8月30日(土)より、シアターN渋谷ほか全国順次ロードショー 

(C)2008『死にぞこないの青』製作委員会

公開初日 2008/08/30

配給会社名 0103

解説


新感覚ノワール・エンタテインメント、誕生

原作は、小説界のヒットメーカーであり、ホラー界の俊英、乙一の傑作書き下ろし長編小説。小学校を舞台にしたこの物語は、ほんのささいなきっかけで起きるイジメ、やがてエスカレートしていく集団心理の恐怖、そして教師でさえ安心できる存在ではないという現実をあます所なく描いている。人の心に棲む残虐性。弱さを悪とする差別意識。そんな誰もが持つダークサイドをえぐりだしたこの作品は、偽善なし、甘さなしの、超絶ファンタジック娯楽作であり、大人が作った価値観なんてぶっ壊せという強烈なメッセージを放つ社会派ムービーでもある。

無差別に刃を向ける、現代社会という闇

主人公・マサオ(須賀健太)が、教師の羽田(城田優)からイジメの標的に選ばれたのは偶然にすぎない。羽田にとって必要だったのは一人のいけにえであり、それは誰でもよかったのだ。これは昨今、頻発している無差別殺傷事件と共通しているのではないだろうか。それら事件の背景には、現代社会における多大なストレス——「勝ち組・負け組」といった格差社会への不満、コミュニケーションのねじれ、孤独恐怖—— が見え隠れする。鬱積する感情を抱え、はけ口を求めてさまよう現代人たちにとって、羽田が特別な存在とは言いきれない。己の残虐性を剥き出しにしてしまう瞬間は、誰にでもあるのだから。そんな闇に取り込まれてしまうとき、人は真の恐怖に出会うだろう。だが一方で、闇の中に目を凝らしたとき、光を探し出すことができるかもしれない。闇に染まるか、光を求めるか、逃れようのない人間の暗部は、リアルな実感となってあなたに迫るに違いない。

天才的な役作りに挑んだ、10代の名優たちと注目俳優

出演陣には、いまや映画界に欠かせない、話題のキャストが選ばれた。主演のマサオ役は、数多くの作品で圧倒的な演技を見せる13歳の名優・須賀健太。人間の心の闇を象徴するアオ役には、『リアル鬼ごっこ』(08)『神様のパズル』(08)のヒロインや話題の連続ドラマ出演などで今最も旬の若手女優、谷村美月が熱演。そしてテレビ・映画・舞台と意欲的に活動の幅を広げる城田優は、迫真の演技で虐待教師を演じ、新境地を開いた。また、本格派女優・坂井真紀が、ダークトーンな作品世界に暖かな空気をもたらし、若手俳優陣を支えるにふさわしい存在感を示している。その他、ゲームソフトのイメージキャラクターとして涙を流す姿が注目を集めた入山法子、本格的な演技初体験の博多華丸、U-15のNo.1注目女優・瓜生美咲、三吉彩花など、フレッシュな個性派共演陣も見逃せない。

ストーリー


とあるのどかな田舎町で暮らす、気の弱い小学6年生・マサオ(須賀健太)。そんなマサオのクラスに、新任教師・羽田(城田 優)がやってくるが、生き物係を決めるできごとがもとで、マサオは羽田に嫌われてしまう。それ以来、羽田は何かにつけマサオを理不尽に攻撃し始めるようになった。「どうして僕だけが叱られるの?」思いを羽田にぶつけるマサオ。だがそれは、羽田のマサオいじめにさらなる拍車をかけてしまう。羽田はマサオの訴えを無視し、いじめをエスカレートさせていく。羽田にとって、一人のいけにえを作ることが、クラスを支配するための手段だったのだ。やがてクラスメイトたちもマサオいじめに興じ始める。みんなからゴミ扱いされ、命の危機にまで追い詰められたとき、マサオの前に現れたのは、全身まっ青の不気味な少女・アオ(谷村美月)だった。傷だらけで、片目片耳はつぶれ、白い拘束服を着たアオは、やがて教室中を恐怖に陥れていく。いつしかアオの残虐性に、マサオ自身も取り込まれて行き…。「先生を殺せ。でないとおまえは一生このままだ」アオの囁きに、羽田殺しを決意したマサオだが、その先には想像を絶する試練が待ち受けていた!

スタッフ

監督:安達正軌
脚本:森岡利行
原作:乙一「死にぞこないの青」(幻冬舎刊)
主題歌:「アンブレラ」椿屋四重奏(ワーナーミュージック・ジャパン)

プロデューサー:西口典子
音楽:山下康介
撮影:福本 淳
照明:市川?充
美術:山下修侍

製作:エムシーエフ・プランニング2 STUDIO SWAN(IMJ-E) 
共同製作:フューチャー・プラネット
製作プロダクション:STUDIO SWAN(IMJ-E) 

キャスト

須賀健太
谷村美月
城田優
入山法子
瓜生美咲
博多華丸
坂井真紀

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