原題:My Darling of the Mountains - Tokuichi in love

第13回釜山国際映画祭出品作品

2008年/日本/カラー/94分/ 配給:東宝

2008年12月10日よりDVDリリース 2008年5月24日(土)全国ロードショー

(C)2008 フジテレビジョン・J-dream・東北新社・東宝

公開初日 2008/05/24

配給会社名 0001

解説

CMディレクターとして数々の話題作をてがけ、『鮫肌男と桃尻女』や、カンヌ国際映画祭監督週間オープニング作品に選ばれた『茶の味』など、映画監督としても独自の世界を作り上げてきた石井克人。彼の新たな挑戦は、昭和初期の映画を「カバー」するという日本初の試みだ。1938年に発表された清水宏監督の『按摩と女』を元にした『山のあなた 徳市の恋』である。
 『アルゼンチンババア』の長尾直樹監督に勧められて清水宏作品と出会った石井監督は、そこに自らが『茶の味』で目指した演出法との接点を見出した。そして、その作品群の中でも特に印象的であった『按摩と女』をカラーの映像と現代の高音質で観たいと、完全カバーに乗り出すことになった。
 脚本も構図もほぼ原点に忠実。石井監督は主観を入れるのではなく、清水監督のオリジナル版で足りなかったディティールを埋めて原点の完成度を高めることを目指した。それは「リメイク」ではなく「カバー」であると石井監督は強調する。
 主演にはSMAPのメンバーであり、ジャンルを問わず幅広く活動する草なぎ剛。ほか、資生堂のCMで注目され本作が映画初出演となるマイコ、日本映画界に欠かせない存在となった『それでもボクはやってない』の加瀬亮、『あの空をおぼえてる』などで名演技を見せる子役の広田亮平、『ALWAYS 三丁目の夕日』の堤真一、『陰日向に咲く』の三浦友和と、充実のキャストが顔を揃えた。
 本作がもうひとつの清水宏作品になるのか、それとも新たな石井映画の第一歩を示す、ニュー・クラシック・ムービーになるのか。古くからの映画ファンも、清水宏を知らない若い世代も、注目の1本だ。

ストーリー

山の温泉道を歩くふたりの目の不自由な按摩。そのひとりの徳市(草なぎ剛)は、前を歩いている人間の数や性別までピタリと当てる勘の持ち主。もうひとりの福市(加瀬亮)は、徳市ほどの勘は持ち合わせないが、徳市のいい相棒であった。ふたりは温泉道で目明きの人間を何人追い抜けるかを楽しみにしていたが、その日はハイキングの大学生たちを追い抜けず、悔しい思いをしていた。
 東京から来た美千穂(マイコ)に療治を頼まれた徳市は、ソワソワと落ち着かない彼女に淡い恋心を覚える。一方で、次の客が道中で追い抜けなかった大学生たちだと知ると、力を込めた荒療治を施した。
 翌日も徳市は美千穂に療治を頼まれる。たまたま表に出ていた美千穂はやって来た徳市とすれ違うが、美千穂は徳市の勘を試そうと、川原へ隠れてしまう。その川原で前の日に馬車で乗り合わせた少年・研一(広田亮平)と再会し、仲良くなった美千穂は、研一を自分の部屋へ連れていく。そのころ、宿では大学生たちの財布が盗まれたと大騒ぎに。宿の主人(三浦友和)は、財布がなくなったころ、宿にいたのは美千穂だけだったと徳市に話す。そして物語は意外な方向へ……。

スタッフ

監督:石井克人
製作:亀山千広
プロデューサー:谷口宏幸、松崎薫、和田倉和利
エグゼクティブプロデューサー:清水賢治、島谷能成
企画:大多亮、飯島三智
脚本:清水宏
撮影:町田博
美術:都築雄二
衣裳:川崎健二
編集:石井克人
作曲:中川俊郎
音楽プロデューサー:緑川徹
スタイリスト:宇都宮いく子
ラインプロデューサー:鶴賀谷公彦
照明:木村太朗
録音:森浩一

キャスト

草なぎ剛
加瀬亮
マイコ
広田亮平
津田寛治
黒川芽以
洞口依子
松金よね子
渡辺えり子
三浦友和
堤真一

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