原題:All's Well that Ends Well

2006年/日本/カラー/129分/ 配給:自由工房

2007年6月2日より岩波ホールにて公開

公開初日 2007/06/02

配給会社名 0609

解説

いま日本の社会で問題になってきていることのひとつに、老後の最終段階となる終末期のケアの問題があります。

すべての人にとって、絶対に避けられないのが死です。しかし自分がどんな死を迎えるかは誰にもわかりません。理想的な死とは、自宅で親しい人に見守られ、安らかな最後を迎えることではないでしょうか。

しかし現在、「富山の射水市民病院の人工呼吸器はずし問題」が象徴しているように、多くの人が病院で延命措置を受けながら亡くなっています。

いま日本では病院での死が80パーセントを超え、自宅での死は13パーセントにすぎない状況です。

これは進歩する医療に対する信頼が生んだ傾向と言えそうですが、現在、長期療養病棟に入院している人の半数近くは、高度の医療は必要ない状態といいます。病院での過重な延命措置は、医療費の問題でもありますが、本当は人間の尊厳を守り、終末期のケアを自宅でできるようにする理念とシステムが出来ていないという、大きな問題を抱えているのです。現在では、往診してくれる医師も少なく、自宅で安らかに最後を迎えるのは、なかなか難しい状況です。2006年4月には「在宅療養支援診療所制度」が設けられましたが、現在この制度は普及率が低く、その医療費の面など様々な問題もあります。

この映画では、日本での在宅や福祉施設での人生終末期のケアの優れた例とともに、オーストラリアとスウェーデンの進んだシステムも取材しました。

今回の映画は、医療サイドからの視点で作った作品で、在宅医療の理念とシステムの問題を中心に取り上げていますが、映画を作りながら、人が生きるためのシステムを可能にするには、看護や介護のサービス、福祉サービスと医療の連携の大切さを感じることにもなりました。さらに、政治は無論のことですが、医師の努力とともに、それを推し進める住民の力が大切なのだと痛感しています。

ストーリー

スタッフ

監督:羽田澄子
製作:工藤充
演出・ナレーション:羽田澄子
撮影:西尾清
整音:岩橋政志(アオイスタジオ)
ピアノ:高橋アキ(サティ・ピアノ音楽全集/東芝EMI)
海外インタビュー部分ナレーション:喜多道枝
演出助手・ノンリニア編集:佐藤斗久枝
コーディネーター:マーフィー洋子(オーストラリア)/藤井恵美(スゥエーデン)
翻訳:小林明夫、瀬口巴
ポスターデザイン:小笠原正勝、秋山京子

キャスト

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