原題:Children of Men

第63回ヴェネチア国際映画祭・コンペティション部門正式出品、オゼッラ賞(技術貢献賞)受賞

2006年9月22日イギリス公開

2006年/イギリス=アメリカ/109分/ユニバーサル・ピクチャーズ提供/ストライク・エンタテイメント製作/ ヒット・アンド・ラン・プロダクションズ製作協力/ビスタサイズ/カラー作品/提供:ポニー・キャニオン、東宝東和/ 配給:東宝東和

2007年03月21日よりDVDリリース 2006年11月18日(土)より日劇1ほか日本全国ロードショー公開

公開初日 2006/11/18

配給会社名 0002

解説


◆もう、空想ではない人類滅亡へのシナリオ。
ついにSF映画が”今”を描く時代が来た。

1902年に製作されたリュミエール兄弟による世界初のSF映画『月世界旅行』から104年、フリッツ・ラングの『メトロポリス』(1926)から80 年、ジョージ・パルの『タイムマシン/80万年後の世界へ』(1959)から47年、スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』(1968)から38年、リドリー・スコットの『ブレードランナー』(1982)から24年、テリー・ギリアムの『未来世紀ブラジル』(1987)から19年、ジェームズ・キャメロンの『ターミネーター2』(1991)から15年、ウォシャウスキー兄弟の『マトリックス』(1999)から7年、そして、スティーブン・スピルバーグの『A.I.』(2001)から5年、世界最高の映像クリエイターたちが無限のイマジネーションによって創り出してきたSF映画の傑作とその驚異の未来像の数々。

だが、いまや現実はかつて多くの天才クリエイターが想像した未来に追いつき、ある意味それを追い越してしまった。そして、進化したデジタルVFXが映像表現におけるすべての不可能を可能にし、ファンタジックな空想を映像にすることが誰にでも簡単にできるようになった中、SF映画はもはやリアリティのない夢や空想といった”絵空事”を描くことはできない。

2006年、SF映画は、明日起こるかもしれないリアルな未来を描き、人類に警告する。強烈なメッセージと壮大なアクション・エンターテインメントを融合させたまったく新しいおもしろさと興奮、21世紀の世界が待っていたSF映画の進化型、それが『トゥモロー・ワールド』だ。

4度の英国推理作家協会賞に輝く<イギリス・ミステリー界の女王>P.D.ジェイムズの大ベストセラー『人類の子供たち』を、<キューブリック、スピルバーグを凌ぐ才能>として今ハリウッドで最も期待されているアルフォンソ・キュアロン監督(『天国の口、終りの楽園。』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』)が完全映画化。その完成度の高さと衝撃度の大きさ。世界のジャーナリストが注目するモニュメンタルな傑作の誕生である!!

ある日を境とした急激な出生率の低下の果て、遂に人類は繁殖能力を完全に喪失。それから18年を経た西暦2027年、世界は秩序を失い、内戦やテロが地球規模で発生して既存の国家が次々と崩壊していた。そんな中、イギリスは独裁的な政権が軍事力によって暴徒や反体制勢力を封じ込め、すべての移民をキャンプに隔離して、国家機能をどうにか維持していた。かつて平和活動家だったエネルギー省の官僚セオは、反政府組織”FISH”のリーダーとなった元妻ジュリアンから助けを求められる。それは国家に対する重大な犯罪だったが、同時にわずかに残された人類の未来を守るために、人としてやらなければならない愛と勇気の試練だった……。狂気の戦場と化した近未来のロンドンを舞台に暗躍するさまざまな武装勢力、未来を握る少女の秘密と彼女をめぐる壮絶な争奪戦、そして、残された人類が最後の希望を託す”ヒューマン・プロジェクト”の存在……。果たして、人類に明日<TOMORROW>は来るのか?

出演は、人類の未来を守るために命をかける男セオに『クローサー』でアカデミー助演男優賞にノミネートされた『キング・アーサー』『シン・シティ』のクライヴ・オーウェン。セオの元妻で反政府組織のリーダー、ジュリアンに『ことの終わり』『エデンより彼方に』でアカデミー主演女優賞にノミネートされた『ハンニバル』『フォーガットン』のジュリアン・ムーア。セオの奮闘を手助けする活動家時代の友人ジャスパーには『ハンナとその姉妹』『サイダーハウス・ルール』で2度のアカデミー賞に輝く『殺しのドレス』『バットマンビギンズ』などの名優マイケル・ケイン。反政府組織の副官ルークに『キンキーブーツ』『インサイド・マン』のキウェテル・イジョフォー。同じく組織の武闘派戦士パトリックに『コールドマウンテン』『フーリガン』のチャーリー・ハナム。その他、『マチルダ』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のパム・フェリス、『マイ・ネーム・イズ・ジョー』『マグダレンの祈り』のピーター・ミュラン、『アビエーター』『ナイロビの蜂』のダニ−・ヒューストンら、演技派俳優たちが脇を固める。

スタッフにも、キュアロン監督が創造する近未来をリアルに映像化すべく超一流の専門家たちが集められた。撮影監督は、本作において本年度のヴェネチア国際映画祭でオゼッラ賞(技術貢献賞)を受賞した、『ニュー・ワールド』『スリーピー・ホロウ』のエマニュエル・ルベッキ。衣装デザインは『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のジェイニー・ティーマイム、プロダクション・デザイナーは『ラブ・アクチュアリー』『マッチポイント』のジム・クレイと『アンジェラの灰』『ダイヤモンド・イン・パラダイス』のジェフリー・カークランド。編集は『天国の口、終りの楽園。』のアレックス・ロドリゲス。また、エグゼクティブ・プロデューサーのトーマス・A・ブリス、アーミアン・バーンステイン、プロデューサーのマーク・アブラハム、エリック・ニューマンは、『エアフォース・ワン』や『スパイ・ゲーム』、『ドーン・オブ・ザ・デッド』などを次々と送り出しているヒットメイカーである。

総製作費120億円、壮大なるスケールの中に、決して絵空事ではない恐怖と戦慄の未来図をリアルに描いて人類に警鐘を鳴らす空前のSFアクション・エンターテインメント『トゥモロー・ワールド』! これは、今すでに地球で起こり始めている真実である。

ストーリー

◆子供が誕生しない未来を変える少女の出現。
唯一の希望を失えば、人類に明日はない。

西暦2027年、人類に子供が誕生しなくなって、すでに18年の歳月が経過していた。あらゆる研究もその原因を解明することができず、人類はただ静かに地球を明け渡す時を待つばかりだった。そして、その年の11月16日、18年前にブエノスアイレスで生まれた”人類最後の子供”が障害事件に巻き込まれて死亡したというニュースが世界を駆けめぐり、人々の心はさらに重苦しい空気に包まれた。

未来への希望を失った人間たちは秩序を失って暴徒と化し、世界中の多くの国家が次々と崩壊していった。イギリスでも各地で反政府勢力による爆破テロが頻発していたが、軍事力を使った徹底的な抑圧で、どうにか国家機能を維持していた。

エネルギー省官僚のセオ(クライヴ・オーウェン)は、ある日、武装した集団に拉致される。アジトに連行された彼を待っていたのは、元妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア)だった。彼女は今、反政府組織”FISH”のリーダーとして活動を行っていた。セオもかつては理想に燃えた平和活動の闘士だったが、20年前に我が子を事故で失ったことで生きる意味を見失い、自分の将来にも人類の未来にもまったく興味がない、希望を捨てた男になっていた。そして、今では体制側の人間に成り下がっていたのだった。ジュリアンがセオを拉致した目的は”通行証”。1万ポンドの報酬と引き換えに、政府の検問を通過できる通行証を手に入れてほしいと依頼してきた。セオはあまりにも無謀なその依頼を一度は断るが、ジュリアンが政府の目を逃れ接触してきたことに、重要なわけがあることを感じていた。そして、何よりセオは今もジュリアンへの想いを断ち切れないでいたのである。

協力を決心したセオは、通行証を手に入れると、再びFISHとコンタクトを取った。そこで彼は、彼らの計画の全貌を知らされる。それは、彼らが保護しているキーという名の移民の少女を安全に、そして極秘裏に”ヒューマン・プロジェクト”に届けるというものだった。ヒューマン・プロジェクトとは、世界中の優秀な頭脳が結集して新しい社会を作るために活動している国境のない組織。しかし、その存在を確認したものは、皆無に等しかった。そしてまた、セオはこの少女こそが人類の未来を変える存在であることを、知る由もなかった。

一方、FISH内部にはキーを政治目的に利用しようと、ジュリアンの計画の阻止を狙う過激派が存在していた。彼らの陰謀を偶然知ってしまったセオは、キーを連れアジトからの逃亡を図る。しかし、外は政府軍と反体制勢力との激しい戦闘が続く最前線だ。存在するかどうかもわからないヒューマン・プロジェクトにキーを無事届けるため、セオは必死にミサイルと銃弾の嵐をかいくぐる。しかし、ここからヒュ

スタッフ

製作総指揮:トーマス・A・ブリス、アーミアン・バーンスタイン
製作:ヒラリー・ショー、マーク・アブラハム、トニー・スミス、エリック・ニューマン、イアイン・スミス
監督:アルフォンソ・キュアロン
撮影監督:エマニュエル・ルベッキ,A.S.C.
原作:P.D.ジェイムズ "The Children of Men(人類の子供たち)"(文庫化名「トゥモロー・ワールド」ハヤカワ文庫刊)
脚色:アルフォンソ・キュアロン、ティモシー・J・セクストン、デビッド・アラタ、マーク・フォーガス、ホーク・オツビー
編集:アレックス・ロドリゲス、アルフォンソ・キュアロン
プロダクション・デザイナー:ジェフリー・カークランド、ジム・クレイ
衣装デザイン:ジェイニー・ティーマイム
オリジナル楽曲:"フラグメンツ・オブ・ア・プレーヤー"ジョン・タヴナー
SFXスーパーバイザー:ポール・コーボールド 

キャスト

クライヴ・オーウェン
ジュリアン・ムーア
キウェテル・イジョフォー
チャーリー・ハナム
クレア=ホープ・アシティ
マイケル・ケイン

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