原題:Noriko's Dinner Table

80's インディペンデント・フィルムメーカーズ特集上映::http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=6298 プチョン国際ファンタスティック映画祭2006コンペティション部門主演女優賞、観客賞 第40回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭・特別表彰&国際シネクラブ連盟ドン・キホーテ賞受賞 ニューモントリオール国際映画祭正式上映作品 第27回ぴあフィルムフェスティバルin北九州招待作品 ドイツ・ハンブルグ映画祭正式上映作品 フィラデルフィア国際映画祭ワールド・フォーカス・セクション シンガポール国際映画祭アジアン・セクション 香港国際映画祭 エノスアイレス国際インディペンデント映画祭

2005/日本/35mm/158分/ 製作:MOTHER ARK/配給:アルゴ・ピクチャーズ

2006年9月23日(土)、K'sシネマにて衝撃のロードショー

公開初日 2006/09/23

配給会社名 0090

解説



一家団欒という日常風景にひそむ、嘘———。
既に崩壊した現代の家族の姿を、『自殺サークル』の園子温が炙り出した、衝撃の“ホームドラマ”です。

あなたはあなたの関係者ですか?
主人公は田舎に住む17才の高校生。家族や学校の人間関係に飽き飽きし、東京へ出てゆくことばかり夢見ている。彼女が“廃墟ドットコム”というサイトを見つけ家を捨てたことから、一見幸せそうに見えた「家族」という輪が崩壊していく————。
人はそれぞれの繋がりの中で様々な役割を担っています。しかし、現代に生きる人々は、それぞれの役割を担いきれているのでしょうか? 人と人との繋がりが希薄になり、生きている実感の曖昧な現代、自分の本当の姿すら見えなくなっているのではないでしょうか?

娘という役割、父という役割
紀子は東京で、<家族サークル>ともいえるレンタル家族の組織の一員となります。家族のいない孤独な人々に、契約時間内<娘>としてふるまう仕事。
食卓を囲む一家団欒という日常的風景。そこに潜むウソを、監督・園子温は我々の前につきつけます。娘という役割を演じる娘、父という役割を演じる父、家族という虚構を演じる家族。そこには既に崩壊している現代の家族の姿があるのです。
原案は映画公開後に監督自身によって書き下ろされた『自殺サークル完全版』(河出書房新社)。映画『自殺サークル』が示していた、<ネット自殺>の真相に迫る、いわば「解決編」なのです。

世界が認める才能・園子温と、実力派が揃った出演陣
本作「紀子の食卓」はカルロヴィヴァリ国際映画祭にて特別表彰と国際シネクラブ賞を同時受賞。同監督の「奇妙なサーカス」もベルリン国際映画祭でベルリナーレリーダーズ賞を受賞し、ブエノスアイレス映画祭他、監督特集が各国で組まれるなど、今最も世界で注目を集める作家の一人。
主人公の島原紀子役に『雪に願うこと』での体当たりの演技が記憶に新しい吹石一恵。今もっとも輝いている女優の一人です。父親・健三役に『パッチギ』『パビリオン山椒魚』など日本映画に欠かせない演技派・光石研。紀子に影響を与えるクミコ役に『月光の囁き』『ハッシュ』のつぐみ。そして妹のユカ役に、本作が本格デビューとなる吉高由里子。他に、手塚とおる(『夢の中へ』)、並木史朗(『ブラックキス』)、三津谷葉子(『東京大学物語』)、宮田早苗(『東京ゾンビ』)、藤間宇宙(『独立少年合唱団』)などが参加。ポツドールの安藤玉恵や、漫画家の古屋兎丸が出演しているのも話題。

ストーリー

島原紀子(吹石一恵)は、17歳の平凡な女子高生。妹・ユカ(吉高由里子)、新聞記者の父・徹三(光石研)、母・妙子の4人家族。紀子は田舎でくすぶっている自分や、家族との人間関係に苛立ちを感じていた。そんな中、学校の情報室で“廃墟ドットコム”をという全国の女の子が集まるサイトを見つけた紀子は、そこで「ミツコ」と名乗り、ハンドルネーム「上野駅54」や他の仲間たちと知り合う。彼女たちとなら何でも分かり合えると感じた紀子は、ある停電の夜、家出して東京へ向かう。

東京で紀子は「上野駅54」ことクミコ(つぐみ)と知り合い、彼女が経営する<家族サークル>とも言えるレンタル家族の一員となる。そこで紀子は「ミツコ」として<娘>の役割を演じながら、本物の<家族>との関係、本当の<自分>との関係を実感していく。

2002年5月26日、新宿駅8番線プラットホームから女子高生54人が、ホームへと一斉に飛び込んだ。その謎を解く手がかりを、妹・ユカは“廃墟ドットコム”の中に発見する。女子高生54人が集団で自殺した次の日、54の赤い丸が増えていたことから、姉・紀子が54人の中にいるのではと思ったユカは、“廃墟ドットコム”の秘密をもって東京へ消える。

ユカの失踪から2ヵ月後、母・妙子は自殺してしまう。徹三は、紀子とユカの消息を追ううちに、“廃墟ドットコム”のことを突き止めていた。紀子もユカも彼らの組織の<家族サークル>の一員だと知った徹三は、友人に頼んでクミコを母親役、紀子とユカを娘役として指名し、クローゼットの中に隠れて彼らを見守る。
彼らは、かつての幸せな家族団欒を取り戻すことができるでしょうか?

スタッフ

原作・脚本・監督:園子温

エグゼクティブプロデューサー: 諸橋裕
プロデューサー:鈴木剛
撮影:谷川創平
録音:池田知久
美術:藤田徹
編集:伊藤潤一
音楽:長谷川智樹
助監督:天野修敬
特殊造形:西村喜廣
スチール:黒田光一
テーマ曲:「Lemon Song」(作曲:園子温 編曲:長谷川智樹)
挿入曲:「バラが咲いた」(作詞、作曲:浜口庫之助)唄:マイク真木

キャスト

吹石一恵
つぐみ
吉高由里子

並樹史朗
宮田早苗
三津谷葉子

安藤玉恵
渡辺奈緒子
季鐘浩

古屋兎丸
手塚とおる

光石研

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