原題:LES CHEVALIERS DU CIEL

音速の世界を体感する“衝撃の100分”

2005年/フランス/カラー/1時間40分/シネマスコープ/DTS/SRD/SR 6巻 9,053ft/2,759m 字幕翻訳:寺尾次郎 配給:UIP

2006年07月07日よりDVDリリース 2006年2月11日より有楽座ほか全国ロードショー

(c)2006 Universal Studios. All Rights Reserved.

公開初日 2006/02/11

配給会社名 0081

解説



『TAXi』の監督が新たに仕掛けたフランス版『トップガン』

それは驚異のスピードで観る者を地上から雲の上へと導く、ノンストップ・スカイ・アクション!!

 あの『トップガン』から10年以上前、その原型とも言えるコミックが、フランスでティーンを中心に絶大な人気を博していた。そのコミックのタイトルは「Tanguy La Verdure」。
 東西の冷戦が続き、緊張状態にあったヨーロッパの空の平和を護る一翼を担っていたフランス空軍の活躍と、スケールの大きな国際謀略、そして魅力的なパイロットたちのキャラクターを余すところなく描いた躍動感溢れるコミックだ。その伝説のコミックが、30年もの時を経て、スクリーンに飛来する。
 物語の背景を現代に移し、大空を翔る騎士と呼べるパイロットたちに焦点を当てた『ナイト・オブ・ザ・スカイ』である。CGによる映像製作が常識となっている昨今、この映画の飛行シーンでは極力デジタル処理を排除し、この映画のもう一人の主役であるミラージュ2000に最高4台のカメラを持ち込み実写での撮影が行われた。他を圧するスピード感、臨場感、飛翔感が実現したのである。
 F14トムキャットやF117ナイトホークステルス攻撃機など、アメリカ軍の飛行機はこれまで数多くのスカイ・アクションで登場してきた。そんな中、1984年から20年以上に亘ってフランス空軍の主力戦闘機の座を守り続けている名機がある。この映画で登場するミラージュ2000がそれである。最高時速こそ最新鋭機には及ばないものの、音速を軽々と超えるスプリント力を持ちながら、ドッグファイトで最も重要視される旋回性能などの操縦性は、今なお世界最高クラスと言われている。
 この映画は史上初めてフランス空軍の全面協力の体勢でスタートし、撮影には本物のミラージュ2000をふんだんに使用、さらに出演者たちも厳しい特殊訓練を経て、実際に搭乗しての撮影を敢行した。
 眼も眩むようなスリルとスピード、そして観る者に実際にコクピットにいるかと錯覚をおこさせるような迫真のリアリティはこうして生まれたのだ。

 監督はレーシング・ドライバーの経歴を生かし、『TAXi』で世界的なヒットをとばしたジェラール・ピレス。”スピード”という概念を映像に移し変えるその豪腕はまさにこの映画に最適の才能である。ミラージュ2000のスピード感に勝るとも劣らない見せ場を連発する脚本は『ミシェル・ヴァイヨン』のジル・マランソンが担当。そして主演のマルシェリ大尉には『ピアニスト』で史上最年少のカンヌ映画祭主演男優賞を獲得したブノワ・マジメル。正統な演技派であるにもかかわらず、『スズメバチ』『クリムゾン・リバー2』といったアクション映画にもスタントを使わず挑戦し、今やフランス映画界のトップに君臨している。ヒロインには『好きと言えるまでの恋愛猶予』のアリス・タグリオーニ。マルシェリにひけをとらない腕を持つアメリカ人女性パイロットを熱演している。マルシェリとコンビを組むヴェロワには、『ロング・エンゲージメント』など、これも演技派で知られるクロヴィス・コルニアック。政治の世界に身をおきながらマルシェリを陰からサポートする内閣官房の女性スタッフを『IP5/愛を探す旅人たち』のジェラルディン・ぺラスが好演、さらに『灯台守の恋』『フェリックスとローラ』のフィリップ・トレトンらフランス映画の現在を代表する実力派が結集した。

 地元・フランスでは暴動に揺れる真っ最中の11月9日に535スクリーンで公開され、堂々一位スタートを果たした。唯一惜しまれるとすれば、こうした非常時でなければフランス映画史の記録を塗りかえた数字を残しただろうと関係者が口をそろえることくらいであろう。

ストーリー






 ヨーロッパ全土を揺るがす事件の発端はイギリスのファーンバラで起こった。この地で行われていた航空ショーで、フランスの戦闘機ミラージュ2000が忽然と姿を消したのだった。この事態にスクランブル対応したのはアントワーヌ・マルシェリ大尉(ブノワ・マジメル)とセバスチャン・ヴァロワ大尉(クロヴィス・コルニアック)。キレ者揃いのフランス空軍の中でも、優秀なパイロットとして知られているこの二人は、たまたま北海エリアをパトロール中だったのだ。すぐさま捜索を開始した二人は、A340旅客機の真下に隠れて飛行しているミラージュ2000を発見する。世界有数のジェット戦闘機の強奪を未然に防ぐため、戦闘体勢に入るマルシェリとヴェロワ。
ミラージュ2000が3機入り乱れてのドッグ・ファイト。そしてヴェロワが後ろを取られ、ロックオンされる。その時、あろうことか司令部から追跡の中止命令が入る。一瞬逡巡するマルシェリ。
しかし、何者かに操られたミラージュ2000は射撃を開始しようとする。もう待ってはいられない。
マルシェリの指が発射ボタンにかかる。そしてその機体は北海の海面に墜落していった。
 二人は国際的な謀略を防いだヒーローとなるはずだった。しかし、彼らを待っていたのは、パリの空軍最高司令部からの叱責だった。先日の事件は、防空体制の抜き打ちチェックのために特殊任務部隊(SMS)が計画したもので、ミラージュが攻撃することはありえないというのだ。空軍とSMSは組織的に切り離されているとはいえ、同じ国を護る仲間を死に追いやったことを知り、マルシェリは激しく同様する。しかし、彼にはどうしても腑に落ちないことがあった。あのミラージュは確かにヴェロワに対して攻撃をしかけていたということだ。フライトレコーダーの解析を待ち裁定が下るまでの間、マルシェリとヴェロワは通常任務から外され、新兵の訓練といういわば閑職に追いやられた。

 新兵の中には交換プログラムでやってきた二人の女性パイロットがいた。その一人、ブロンドの髪のパイロットを見て、マルシェリは目を疑う。彼女はエステル・キャス(アリス・タグリオーニ)、マルシェリがかつて赴任したアフリカの地で恋に堕ちたその相手だった。小柄なことはパイロットにとって有利な要素の一つだが、エステルはそうした利点だけでなく、操縦の腕も群を抜いていた。それは、模擬戦闘でミラージュ2000の扱いには長けているはずのヴェロワのバックをこともなげに取ってしまうほどだった。エステルのパイロットとして、そして女性としての成長に再び心動かされるマルシェリだが、彼にとって最悪の裁定が下された。マルシェリのフライトレコーダーの画像からは撃墜したミラージュが攻撃開始したという事実は認められなく、軍籍を剥奪するというのだ。マルシェリは心の中で叫ぶ——嘘だ、誰かがデータを改竄したに違いない、と。
 マルシェリはやはり有能なパイロットだった。なぜなら彼の心の叫びは正鵠を射ていたからだ。
SMSの隊長であるベルトラン(フィリップ・トレトン)こそが、フライトレコーダーの記録に手を加えた張本人だったのだ。今回の事件で、パイロットの一人を失ったベルトランにはどうしても有能な替わりが必要だった。というのも、中東の某国から、アメリカのF16とミラージュ2000のいずれかを購入するというオファーがあり、その決定はアフリカ大陸をどちらが早く横断するかによるというものだった。しかも、このフライトは通過する国々の許可を得ていなく、領空侵犯を繰り返すというものだった。空軍から追われても、飛ぶことを諦められないマルシェリは、責任を感じて同じく空軍を辞めたヴェロワと共に、片田舎の飛行場でようやく職をみつける。しかしそれは旧式のプロペラ機で観光飛行や、宣伝飛行をするというものだった。そんな中、唯一のマルシェリの理解者は、政府のSMS担当の女性スタッフのマエル・コスト(ジェラルディン・ペラス)だった。ベルトランのしたことを知るコストは、一つの可能性に気づく——実際に攻撃をしようとしていたからには、あのミラージュを操縦していたのはSMSのパイロットでない。だとすれば、この事件にはもうひとつ裏がある、ということだった。ただでさえ危険なSMSからのオファーに、さらに危険な要素が加わるのだが、マルシェリはこの任務への参加を決めた。真相をつきとめたいというコストの願いもあったのだが、もう一度ミラージュ2000を操縦できるということはパイロットとして無上の喜びだからだ。そしてこの任務にあたるパイロットが集まる。
驚くべきことにその中にはエステルもいた。二度目の再会を喜ぶよりも、マルシェリの心にはかすかな疑念が生じる。何故、エステルはタイミングよく自分の前に現れるのか…。

 我知らず事件の中心にまきこまれてしまった腕利きのパイロットと、彼と互角といっていい女性パイロットを含んで最も危険なフライトが始まる。そして、やがて訪れるフランス革命記念日、ヨーロッパ25カ国の首脳が集まるパリの空の上、盛大なパレードを遥か眼下に見下ろし、すべての謎が解ける…。
 マルシェリはやはり有能なパイロットだった。なぜなら彼の心の叫びは正鵠を射ていたからだ。
SMSの隊長であるベルトラン(フィリップ・トレトン)こそが、フライトレコーダーの記録に手を加えた張本人だったのだ。今回の事件で、パイロットの一人を失ったベルトランにはどうしても有能な替わりが必要だった。というのも、中東の某国から、アメリカのF16とミラージュ2000のいずれかを購入するというオファーがあり、その決定はアフリカ大陸をどちらが早く横断するかによるというものだった。しかも、このフライトは通過する国々の許可を得ていなく、領空侵犯を繰り返すというものだった。空軍から追われても、飛ぶことを諦められないマルシェリは、責任を感じて同じく空軍を辞めたヴェロワと共に、片田舎の飛行場でようやく職をみつける。しかしそれは旧式のプロペラ機で観光飛行や、宣伝飛行をするというものだった。
 そんな中、唯一のマルシェリの理解者は、政府のSMS担当の女性スタッフのマエル・コスト(ジェラルディン・ペラス)だった。ベルトランのしたことを知るコストは、一つの可能性に気づく——実際に攻撃をしようとしていたからには、あのミラージュを操縦していたのはSMSのパイロットでない。だとすれば、この事件にはもうひとつ裏がある、ということだった。ただでさえ危険なSMSからのオファーに、さらに危険な要素が加わるのだが、マルシェリはこの任務への参加を決めた。真相をつきとめたいというコストの願いもあったのだが、もう一度ミラージュ2000を操縦できるということはパイロットとして無上の喜びだからだ。そしてこの任務にあたるパイロットが集まる。驚くべきことにその中にはエステルもいた。二度目の再会を喜ぶよりも、マルシェリの心にはかすかな疑念が生じる。何故、エステルはタイミングよく自分の前に現れるのか…。

 我知らず事件の中心にまきこまれてしまった腕利きのパイロットと、彼と互角といっていい女性パイロットを含んで最も危険なフライトが始まる。そして、やがて訪れるフランス革命記念日、ヨーロッパ25カ国の首脳が集まるパリの空の上、盛大なパレードを遥か眼下に見下ろし、すべての謎が解ける…。

スタッフ

監督:ジェラール・ピレス
製作:エリック・アルトメイヤー
ニコラ・アルトメイヤー
ロラン・ブロシャン
脚本:ジル・マランソン
脚色・台詞:ジル・マランソン
ジェラール・ピレス
キャラクター原案:ジャン=ミッシェル・シャルリエ
アルベール・ユデルゾ
オリジナル音楽:クリス・コーナー
撮影監督:パスカル・ルベーグA.F.C.
空中映像担当:エリック・マニャン
空中撮影監督:エリック・デュマージュA.F.C.
航空技術指導:ステファヌ・ガルニエ少佐
美術:ジャン=ピエール・フイエ
衣裳:シャトゥーヌ
キャスティング:ナタリー・シェロン
音響:リュシアン・バリバール
ケン・ヤスモト
セリム・アザジ
ジャン=ポール・ユリエ
マルク・ドワーヌ
編集:ヴェロニク・ランジュ
視覚効果スーパーバイザー:エヴ・ランボス
ポストプロダクション管理:シリル・コントジャン
製作管理:フィリップ・シュワルツ

キャスト

アントワーヌ"ウォークン"・マルシェリ大尉:ブノワ・マジメル
セバスチャン"ファーレンハイト"・ヴァロワ:クロヴィス・コルニアック
マエル・コスト:ジェラルディン・ペラス
エステル"ピットブル"・キャス:アリス・タグリオーニ
ベルトラン:フィリップ・トレトン
"アイポッド":ジャン=バティスト・ピュシュ
"スタン":クリストフ・レモン
レッドグレイヴ夫人:フィオナ・カーゾン
ファルジュ大佐:ジャン=ミッシェル・ティニヴェリ
アルドゥワン将軍:フレデリック・ヴァン・デン・ドリーシュ
クレベール大尉:エリック・プーラン
ド・セーズ:ピエール・ポワロ
ブキャナン将軍:ピーター・ハドソン

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