原題:Letters from Iwo Jima

ナショナル・ボード・オブ・レビュー最優秀作品賞受賞 ロサンゼルス映画批評家協会賞 最優秀作品賞受賞 第64回米ゴールデン・グローブ賞最優秀外国語映画賞 第79回アカデミー賞 作品賞、監督賞、脚本賞、音響効果賞ノミネート

2006年12月20日全米公開

2006年アメリカ映画/141分/8巻、3,863m、シネマスコープ・サイズ/SRD/DTS/SDDS/ 字幕翻訳(部分):戸田奈津子/ 配給:ワーナー・ブラザース映画

2008年12月17日よりDVDリリース 2007年12月07日よりDVDリリース 2007年08月10日よりDVDリリース 2007年04月20日よりDVDリリース 2006年12月9日(土)、丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー

(C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc. and DreamWorks LLC

公開初日 2006/12/09

配給会社名 0085

解説


東京から南へ1250km。
日本の最南端に近い太平洋上に、その島はあります。
東京都小笠原村硫黄島。
面積22k・、周囲22km、山手線一周ほどもない小さな島です。
その島で、61年前、何があったのか、
あなたは知っていますか?

◆アメリカのきもち、日本のきもち、同じきもち ─ 。

『父親たちの星条旗』に続く「硫黄島」2部作第2弾、
日本から見た硫黄島。
2006年12月9日、世界に先駆けて日本公開。

5日で終わるとされた戦いを、36日間、戦い抜いた男たち。世界中の誰よりも、強く、愛しく、誇らしく ─ 私たちはいま、彼らと出会う。

1945年2月19日、アメリカ軍の上陸と共に始まった硫黄島をめぐる攻防は、アメリカ側の圧倒的な戦力の前に、5日もあれば終わるとされた。しかし、その硫黄島戦を36日間にも及ぶ長期戦へと変貌させ、戦史に残る戦いへと変えた男たちがいる。

指揮官の名は栗林忠道 ─ 圧倒的な戦力の差を、知略をもって迎え撃ち、太平洋戦争においてアメリカを最も苦しめた指揮官として、今もかの地で畏敬の念をもって語り継がれる日本の陸軍中将。そして、その栗林のもと、一日でも長く祖国を守り抜こうと、死よりも辛い“出血持久戦”を戦い抜いた男たち ─ 。彼らこそ、クリント・イーストウッドがどうしても描かなければならないと思った、日本の男たちだ。「私は、日本だけでなく世界中の人々に彼らがどんな人間であったかをぜひ知ってほしいのです」。

アメリカ留学の経験を持つ栗林中将の、当時の軍人像からは思いもよらない進歩的な発想とおおらかな人柄。自ら陣頭に立って2万余の兵を率いた指揮官は、死地に赴いてなお我が家のお勝手のすきま風を気にかけ、島で生まれたヒヨコの成長を幼い娘に書き送る、愛情豊かなよき家庭人でもあった。負傷したアメリカの青年兵をひっそりと看取ったオリンピックの金メダリスト、生まれてくる我が子の顔も見ぬままに島へ送られてきた若き父親の嘆き……今の私たちと変わることのない同じきもちを抱きながら、戦場という極限の場所に立ち、相手を苦しめてなお畏敬の念を抱かせた日本の男たち。私たちと変わらないその素顔を知るほどに、硫黄島での彼らの日々に、心を震わさずにはいられないのだ。

アメリカ最高の監督、製作者が、最大の敬意のもとに描き出す日本の硫黄島、日本のきもち。「硫黄島」2部作第1弾の『父親たちの星条旗』に続き、本作の監督を務めるのは、2度のアカデミー監督賞(『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』)に輝く名匠クリント・イーストウッドだ。イーストウッドにとって、この1本を描かずして「硫黄島」の完成はありえなかった。製作には、やはり2度にわたってアカデミー監督賞(『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』)を受賞しているスティーブン・スピルバーグ。さらに、アカデミー作品賞/脚本賞受賞の『クラッシュ』で監督・脚本を手がけたポール・ハギスが本作でも原案に参加している。

そして、彼ら世界最高のスタッフが選んだのは、日本を代表する最高の俳優陣。栗林中将を演じるのは、ハリウッド俳優のひとりでもある『ラストサムライ』の渡辺謙。その栗林と、一兵卒ながら行動を共にすることになる西郷を演じたのは、イーストウッドをして類まれなる才能と言わしめた『青の炎』の二宮和也。硫黄島に散った金メダリスト、バロン西に『半落ち』の伊原剛志。元憲兵隊員の新米兵士・清水に『パッチギ!』の加瀬亮。栗林に反発する厳格な軍人、伊藤中尉には『男たちの大和/YAMATO』の中村獅童。他に『学校』『カンゾー先生』の裕木奈江ら、新鋭からベテランに至るまで日本が誇る実力派俳優がこの作品のもとに集まった。

私たちが忘れてはならないひとつの島。日米双方の視点から硫黄島の真実を描きだす史上初の2部作は、いよいよ日本へと視点を移す。

硫黄島の地中から掘り起こされた、届けられることのなかった数百通もの手紙。妻へ、母へ、子どもたちへ ─ 。彼らの手紙が、それぞれの素顔を、尽きせぬ思いを、鮮やかに照らし出していく。ふたつの「硫黄島」を通して見えてくるのは、ひとつのきもち。国を超え、時を超えて変わることのない、胸を刺す人としての真実。

61年の時を経て、いま、彼らからの手紙が私たちの手もとに届く ─ 。

ストーリー



◆一日でも長く ─ 。
61年の時を超えて届く男たちの想い。

2006年、硫黄島。地中から発見された数百通もの手紙。それは、61年前、この島で戦った男たちが、家族に宛てて書き残したものだった。届くことのなかった手紙に、彼らは何を託したのか ─ 。

戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、ひとりの指揮官が硫黄島に降り立った。陸軍中将、栗林忠道(渡辺謙) ─ アメリカ留学の経験を持ち、それゆえにアメリカとの戦いの厳しさを誰よりも知り尽くしていた男。本土防衛の最後の砦とも言うべき硫黄島の命運は、この男に託された。

着任早々、長年の場当たり的な作戦を変更し、部下に対する理不尽な体罰をも戒めた栗林に、兵士たちは驚きの目を向ける。今までのどの指揮官とも違う栗林との出会いは、硫黄島での日々に絶望を感じていた西郷(二宮和也)に、新たな希望を抱かせる。従来の常識にとらわれない栗林のやり方は、古参の将校たちの反発も呼んだが、一方で頼もしい理解者もいた。そのひとりが、ロサンゼルス・オリンピック馬術競技の金メダリスト、「バロン西」こと西竹一中佐(伊原剛志)だった。

硫黄の臭気が立ち込める灼熱の島、食べ物も飲み水も満足にない過酷な状況で、栗林の指揮のもと、掘り進められる地下要塞。島中に張りめぐらせたこのトンネルこそ、米軍を迎え撃つ栗林の秘策だったのだ。

1945年2月19日、ついにアメリカ軍が上陸を開始する。その圧倒的な兵力の前に5日で終わるだろうと言われた硫黄島の戦いは、36日間にもおよぶ歴史的な激戦となった。死こそ名誉とされる戦争の真っ只中にあって、栗林中将は兵士たちに「死ぬな」と命じた。最後の最後まで生き延びて、本土にいる家族のために、一日でも長くこの島を守り抜け、と。

栗林の奇策に反発し、軍人らしく玉砕を貫こうとする伊藤中尉(中村獅童)、憲兵隊のエリートから一転、過酷な戦地へと送り込まれた清水(加瀬亮)、戦場にあってなお国際人であり続けたバロン西、まだ見ぬ我が子を胸に抱くため、どんなことをしても生きて帰ると妻に誓った西郷、そして彼らを率いた栗林もまた、軍人である前に、家族思いの夫であり、子煩悩な父であった。

61年ぶりに届く彼らからの手紙。そのひとりひとりの素顔から、硫黄島の心が明かされていく ─ 。

スタッフ

監督/製作/音楽:クリント・イーストウッド
脚本:アイリス・ヤマシタ
製作総指揮/共同原案:ポール・ハギス
“「玉砕総指揮官」の絵手紙”(栗林忠道・著/吉田津由子・編/小学館文庫・刊)に基づく
製作:スティーブン・スピルバーグ、ロバート・ローレンツ
共同製作:ティム・ムーア
撮影:トム・スターン
美術:ヘンリー・バムステッド、ジェイムズ・J・ムラカミ
編集:ジョエル・コックス、ゲイリー・D・ローチ
衣装:デボラ・ホッパー

キャスト

栗林忠道中将:渡辺 謙
西郷:二宮和也
バロン西:伊原剛志
清水:加瀬 亮
伊藤中尉:中村獅童
花子:裕木奈江

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