原題:Natural City

本国韓国にて2003年9月5日公開

2003/韓国/114min/カラー 配給:メディア・スーツ

2006年04月28日よりDVDリリース 2005年7月30日、銀座シネパトスにて公開予定

公開初日 2005/07/30

配給会社名 0066

解説


5年のあいだ謎のベールに包まれていた『ナチュラル・シティ』が、ついに姿を現す!
 1999年、ミン・ビョンチョン監督が撮った一本の映画が、韓国映画界に激震を与えた。原子力潜水艦を描き、韓国ではかつてないアクション映画と激賞された『ユリョン』である。そのミン監督が、5年の沈黙を破って『ナチュラル・シティ』と共に帰ってくる。
 『ナチュラル・シティ』は、人間に恋するアンドロイドの女性と、そのアンドロイドを愛した特別捜査官(MP)との悲劇的な愛の物語だ。2人の関係を通して描かれるのは、終末の色が濃い2080年の未来社会である。
 ミン監督は、個人的にもSFというジャンルが好きだという。だが彼が未来を舞台にした映画を撮った理由は、それだけではない。人間のもっとも根本的な感情にスポットを当て、時間も空間も越えた純愛を描くには、SFというジャンルが最適だと考えたからだった。その意味では、アクション満載のSF映画でありながら、『ナチュラル・シティ』はじつは切ない恋愛を描いたメロドラマでもあると言える。
『ブレードランナー』『マトリックス』『イノセンス』など数々の傑作を生んできた、「SF」と「ラブ・ロマンス」。映画史が誇る最高のテーマに、世界が注目する韓国映画界が初めて挑んだ。

別世界での愛
あらゆる人間感情の源である、愛。愛を知らない人間は
心に慈しむものもなく、その存在意義を失う。
人間とアンドロイドとの愛を描く『ナチュラル・シティ』は、私たちに愛の大切さを、そして愛する対象と永遠に別れたくないという人間の基本的な本能を教えてくれる。
世界を動かしているのは、偉大な愛の力なのだ。

ストーリー



人間とアンドロイドが共存する2080年。
ソウルは今、「メッカ・ライン・シティ」という名の巨大な都市に変貌している。遺伝子工学は発達の頂点を極めていたが、脱走した離脱アンドロイドによる数々の犯罪が街を荒廃させ、有害なアンドロイドの除去を請け負う「メッカ・ライン・ポリス・センター」(MLPC)の任務は、日々重要度を増していた。MLPCの特別捜査官R(アール)は、激務に追われる中、様々なアンドロイドに接するうち、クラブ・ライハで踊る美しいショーガール、リアに出会い、一瞬でその純粋な笑顔に心を奪われる。

ほどなく2人は愛し合うようになるが、リアは人間ではなかった。彼女はアンドロイドで、その廃棄期限は刻々と迫っていた。ショーガールとしてプログラムされたリアの記憶は、Rとの幸せな思い出に満たされていく。しかしRがリアを救おうと奔走するにつれ、リアの思いは二つに引き裂かれていく。人を喜ばせるために製造された彼女を、Rが本来の目的から引き離そうとするからだった。Rは彼女に約束する。「必ずお前を人間にしてやる」と───。

リアと交わしたその約束を守るため、Rは自らの肩書きを汚すことを知りながら裏社会へと足を踏み入れる。除去したアンドロイドから損傷した人工知能チップを取り出し、ひそかに闇市場に流すのだ。Rはやがて、アンドロイドを不法に製造する科学者・ジロ博士に接触する。

研究のため法を犯し社会から追放されたジロ博士は、スラム街の片隅で恐ろしい計画を進めていた。そのためにはある条件に一致する人間の身体が必要なのだ。博士のターゲットは、スラムに暮らす若い娼婦、シオン。博士は、彼女こそリアの身代わりに相応しい女であるとRに吹聴する。奇しくも、シオンの父はアンドロイドを愛し、彼女とともに葬られることを望んで死んでいった。ある雨の日、子供のように戯れるRとリアの無邪気な姿を見かけたシオンは、Rがジロ博士に利用され自分を探しているとも知らず、自ら彼に声をかけるのだった。

MLPCの隊長、ノマは、凶悪な戦闘用アンドロイド「サイパー」の捜索に駆けずり回っていた。その一方で、長年の親友であり最も信用する直属の部下Rが、アンドロイドに魅了されていることに不安を感じていた。科学班とともにサイパーの行方を探る過程で、ノマはついに、Rが闇取引に手を染め、ジロ博士と黒い関係を結んでいることを知ってしまう。

リアの廃棄期限まで残された時間はわずか。愛のために全てをなげうつ男と、彼への友情と職務の間で悩む上官、スラム街で気丈に生きる女。科学の進歩が生んだ負の遺産である二つの悪が彼らを追いつめる───。愛、孤独、そして狂気。終末の色濃い未来社会で、人間性と、滅びゆく人間愛との闘いが幕を明ける。

スタッフ

監督・脚本:ミン・ビョンチョン
撮影:イ・ジュンギュ
照明:ソ・ジョンダル
美術:チョ・ファソン
音楽:イ・ジェジン
編集:キョン・ミノ
CG:メカド
特殊効果:チョン・ドアン
武術:チョン・ドゥホン

キャスト

R:ユ・ジテ
リア:ソ・リン
シオン:イ・ジェウン
ノマ:ユン・チャン
ジロ博士:チョン・ウンピョ
警務官:シン・グ
ノ・チャンシク博士:オム・チュンベ
クラブ・ライハのオーナー:ユン・ジュサン
コンパン:キム・ウルドン
サイパー:チョン・ドゥホン

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