原題:PLEASANTVILLE

今時の高校生、マグァイアとリースが白黒TVドラマの世界にタイムスリップ! ファンタジー・コメディの巨匠、ゲーリー・ロス第1回監督作品。

☆98年度L.A.映画批評家協会賞最優秀助演女優賞受賞 ☆98年度ボストン批評家協会賞最優秀助演女優賞受賞・最優秀助演男優賞受賞 ☆99年度アカデミー賞最優秀美術賞・最優秀衣装デザイン賞・最優秀音楽賞ノミネート ☆99年ゴールデンサテライト賞受賞 ☆99年度ゴールデンサテライト賞最優秀助演女優賞受賞、最優秀脚本賞受賞 ☆99年度シカゴ映画批評家協会賞助演女優賞ノミネート ☆99年度ブロードキャスト映画批評家協会賞最優秀作品賞受賞・最優秀助演女優賞受賞

1998年アメリカ/2時間4分/ニューライン・シネマ製作/ビスタサイズ ドルビーSR/ドルピーデジタル/2時間4分/ギャガ・ヒューマックス共同配給

1999年10月22日よりビデオレンタル開始 1999年5月22日より、日比谷みゆき座他 全国東宝洋画系にてロードショー

公開初日 1999/05/22

配給会社名 0025/0145

解説

1950年代の古き良き時代のモノクロホームTVドラマ「プレザントヴィル」の世界に迷い込んでしまった、今どきの高校生の兄妹が繰り広げる、カルチャー・ギャップ・ファンタジーという、発想・設定の面白さから、いままでにない素晴らしい作品に仕上がっています。なんといっても、あのファンタジー・コメデイーの傑作『ビッグ』『デーヴ』でアカデミー賞に2回ノミネートされた脚本家、ゲイリー・ロスが、はじめてメガホンをとり、脚本も手がけるとあっては、いったい今回はどんなファンタジーが、繰り広げられるのか、否応なく期待が盛り上がるところです。
全てが完壁で、絵に書いたような幸せな街「プレザントヴィル」の白黒の世界に、90年代の現代から、今どきの高校生兄妹が突如として現れたからさあ大変。いままで、カラーというものが、存在しなかった衛は右へ左への大騒ぎ。カラーとモノクロの織り交ざった、パートカラーの衛へと変化していく…。この奇抜な発想こそファンタジー・コメデイーの天才、ゲイリー・ロスの真骨頂なのです。
ロス監督は『カラー・オブ・ハ一ト』をマジカルコメディーの『ビッグ』『デーヴ』を越えるものであると考えています。監督は言います。「まず最初に考えてみた。全てが完璧な場所があったらし、いったいどうなるのだろうか。1950年代のホームドラマのような世界が現実にあったとしたら? そして人々が個人の感情や情熱を初めて経験するとしたら。そして心と言動の変化によって彼らの世界に色がついたとしたらどうだろう? と。」ロス監督は自分でも、この世界の「色づき」が街を引き裂いてしまうことになるとは思っていませんでした。「書いていくにつれ、自由になろうとする住人どうしの戦いにまで発展していった」…人々は、人生の喜びに対して目を開けば、愚かさや苦悩や恐怖も同時に知ることになることを発見する。これはすべて人生の一部であり、選ぶことはできないと『カラー・オブ・ハ一ト』は伝えています。
そして『カラーオブハート』最大の特徴は、最新映像効果技術です。『オズの魔法使い』以来2つの全く異なる世界を表し、物語の中の大きな感情的変化を表すのに、色がこれほどまで効果的に使用された映画はなありませんでした。ロス監督は自社の映像スタッフを利用し、カラーのキャラクターを白黒の世界に境目なく溶け込ませる最新の画期的な技術を開発しました。古いハリウッド映画に「色をつける」のと同じように、白黒用フィルムに撮影してから色彩効果を加えるか、それともカラー用フィルムに撮影し、色を取り去るかというどちらかでした。結局、大規模なテストを行った後、全てカラー用フィルムを用いることに決めて本作品を作り上げました。

ストーリー

デイビッド(トビー・マグァイア)はおとなしい真面目な高校生。1950年代のアメリカの街「プレザントヴィル」を描いたテレビドラマの熱烈なファンである。母親は若い恋人に夢中で子供の面倒をみたがらない、双子の妹ジェニファー(リース・ウィザースプーン)は学校一のイケてる高校生として大胆かつ積極的に男に迫まり続け、そしてダサい兄をコバカにしている。学校では地球の温暖化、低就職率、HlV感染と暗くなる授業ばかり。そんな状況に囲まれたデイビッドは古き良き時代のアット・ホームなファミリーTVドラマ「プレザントヴィル」の世界に憧れるばかりだった。
ある日、いつもの様に「プレザントヴィル」を観ようとテレビの前に陣取ったデイビッドは、ボーイフレンドと一緒に音楽番組を見るというジェニファーとチャンネル争いになり、リモコンを壊してしまう。そこに突然訪問してきた年老いたテレビ修理工。その怪しげな修理工に大きな時代遅れのリモコンを手渡される。そのリモコンでまたもやチャンネル争いを始めた2人は、なんとそのまま「プレザントヴィル」の白黒のテレビの世界に引き込まれてしまった。デイビッドとジェニファーは、自分達がテレビの主人公と同じ白黒になってしまったことに気づき、慌てふためく。服装がダサいとわめきまくる妹をなだめ、元の世界に戻る為に、プレザントヴィルの住人としてしばらくふるまうことを提案する兄デイビッド。

その世界は雨も降らず、温度計は常に22度を指し、バスルームには便器がなく、ベットは幅95㎝のシングルのみ。パパが帰宅するとママは必ずお出迎え、そして頬にキス。家族で毎朝食事をする、機械的なまでに均一な生活。投げたバスケットボールは必ずゴールに入るというそんな現象に驚く2人。しかし、すぐさまバスケットボール部のキャプテンにお熱を上げるマイペースなジェニファーに対し、住人“バッド”としてアルバイトまでこなすデイビッド。ある日、大胆にもジェニファーがキャプテンにセックスを迫ったことから、徐々に街の様子が変わってゆく。2人の真似をする恋人達。天気と同じく思考までもが画一的だった街の人々が、次第に色づいてきたのだ。バラが赤くなり、草が緑色になりそして公園は色づいてきた。デイビッドとジェニファーから「読書をすること」や「絵を描くこと」、「自己主張すること」などを教えられたプレザントヴィルの住人は、個々の欲望、他の世界があるこに恐ろしさをおぼえながらも、美しいことに素直な歓喜を表し、次第に“色のある世界”に魅了されていった。図書館に人が並び、ソーダショップではロックが流れるようになると、市長は色づいた人お断りといった差別を始める。彼らは以前の規律正しい、家に帰れば妻が夕食を用意して待っている生活を取り戻す為に、集会を開き、美しい画集や本を焼き払い、黒と白とグレー以外の色を使うことを禁止してしまう。
始めはその美しさに夢中になっていた人々も、次第に元の秩序に満ちた自黒の世界を恋しく思うようになり始め、“カラー反対”の看板が街のあちこちに貼り出されるようになる。そしてついに“条例で禁止された色”を使い、人々を煽動しようとした罪でデイビッドが逮捕されてしまう。デイビッドの運命は、そして「プレザントヴィル」の未来はどうなってしまうのか…。

スタッフ

製作: スティーブン・ソダーバーグ、ジョン・キリック、ロバート・J・デガス
監督・脚本: ゲーリー・ロス
美術: ジニーン・オプウォール
衣装: ジュディアナ・マコフスキー
編集: ウィリアム・ゴールデンバーグ
視覚効果監督: クリス・ワッツ
色彩効果デザイナー: マイケル・サザード
音楽: ランディ・ニューマン

キャスト

デイビッド: トビー・マグァイア
ジェニファー: リース・ウィザースプーン
ベティ・バーカー: ジョアン・アレン
ジョージ・パーカー: ウィリアム・H・メイシー
ビル: ジェフ・ダニエルズ
テレビ修理工: ドン・ノット
ビッグボブ: J.T.ウォルシュ

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