原題:LEY LINES

黒社会シリーズ遂に完結か!? 最近では、アイドル映画も撮れる三池崇史監督が、 劇場用映画デビュー作からの同シリーズを完結させる!

1999年大映/110分/ビスタサイズ/カラー/製作・配給:大映

2008年02月06日よりDVDリリース 1999年5月22日より中野武蔵野ホールにて公開 1999年9月10日からレンタル開始

公開初日 1999/09/10

配給会社名 0004

解説

三池崇史監督が劇場用映画デビューを果たしたのは『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』である。この作品は、評論家から絶賛され、今でも語り継がれるほど、カルト的な人気を誇っている。 そして、後に制作された『極道黒社会 RAINY DOG』、本作『日本黒社会 LEY LINES』を併せて、黒社会シリーズ3部作完成となる。
この黒社会シリーズは、主演が3作品とも違い、物語も継続しているわけでは無いが、それぞれの作品の根底に流れる、無国籍な風合いと世界観は共通していると言えるだろう。
一作目は新宿に巣くう中国マフィアの中で、急激に力をつけてきた男と、刑事の対決が描かれる。 椎名桔平扮する刑事が在日中国人2世であるという設定がドラマに厚みを持たせ、一部行われた台湾ロケが、登場人物たちの背景の複雑 さにリアリティを持たせている。
続く『極道黒社会 RAINY DOG』はオール台湾ロケを敢行。全編に降りしきる、うるさいほどの雨がドラマ全体を切ないムードに盛り上げている。
ここではスタッフの大半を台湾側にゆだね、『カップルズ』の李以須が撮影監督を務めている。キャストも主演の哀川翔と、彼を追う狂気のサラリーマンを演じた田口トモロヲ以外は全て現地の俳優を起用した。 これらの作品を作る上で、忘れてはいけない人物がいる。侯孝賢の作品を数多く手掛けた名プロデューサー・張華坤だ。
彼は、93年制作の『ボディーガード牙 修羅の黙示録』で三池監督と出会った。
本作では、登場人物のほとんどはアジアの血を持っている。唯一、哀川翔扮する、トルエン売りの池田は純血日本人のようだが、詳細はわからない。

ストーリー

中国人と日本人の間に生まれた、呂龍一と俊霖。兄・龍一は不良仲間と喝上げやドラッグに勤しむ日々。弟・俊霖は真面目でガリ勉。二人は幼い頃苛められて育った。ある日、龍一は仲間と共に、ベトナム人が経営する工場を襲い、金を奪うとそのまま家出してしまう。しかし、列車に乗る寸前で仲間3人が次々に怖気づいてしまう。残ったのは張だけ。張は龍一達よりかなり年上だが、学校の同級生で、卒業した後も何かとつるんでいた。仲間に裏切られ、落胆する龍一。小さな列車は人もまばらで龍一をひどく孤独にさせた。その時、ふと窓の外を見ると、バイクで追いかけてきた弟の俊霖が目に飛び込んできた。仲間は2人に増えた。しかし、龍一は複雑だった。列車がトンネルに入る。真っ暗なそこは、まるでこれからの彼らの行く末を暗示 しているようだった。
到着した先は新宿。場末の中華料理屋。そこで彼らは娼婦アニタに出会う。体の線がモロにでるぎりぎりのミニスカート。一目でそれと分かる服装だった。アニタにすれば田舎から出てきたばかりの若者など、いいカモにすぎない。龍一達は、まんまと金をだまし取られ、すっからかんに。途方にくれる3人。
そんな時、ひょんな事から知り合った黒人バービーに、トルエン売買の仕事を紹介してもらう。
元締めの池田は胡散臭い人間だったが、彼らにとっては天の助け。何とか金をためて、外国に行こうと計画する。しかし、偽造パスポートを手に入れるには膨大な金が必要だった。そのうえ、偽造パスポート屋から上海マフィアに手が回り、目をつけられるはめに。上海マフィアのボス・ウォンは湯水のように湧く金を持っていて、そして素晴らしく恐ろしい人間だった。手ひどく痛めつけられる龍一。
一方、客に変態行為を強要されたアニタは、ボスの元から逃げ出し、3人と再会する。
4人は日本から逃げ出す金を得るために、ある計画を立てた。

スタッフ

監督:三池 崇史
製作:土川 勉
プロデューサー:木村 俊樹
脚本:龍 一朗
撮影:今泉 尚亮
照明:白石 成一
美術:石毛 朗
録音:佐藤 幸哉
編集:島村 泰司
音楽:遠藤 浩二
製作協力:エクセレントフィルム
製作:大映

キャスト

北村一輝
李丹
柏谷享助
田口トモロヲ
大杉 漣
菅田 俊
渡辺 哲
伊藤洋三郎
サムエル ポップ エニング
哀川 翔
竹中直人

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