原題:Land of the Dead

これが最後。これが究極の“ゾンビ”!!

2005年6月24日全米公開

2005年度作品/ユニバーサル映画提供/上映時間:1時間33分/ シネマ・スコープ/DTS,SRD,SDDS,SR/5巻/8,343ft,2,543m/翻訳:石田泰子/PG−12 配給:UIP映画

2010年12月02日よりDVDリリース 2005年12月23日よりDVDリリース 2005年8月27日、みゆき座ほか全国ロードショー

(C)2005 Universal Studios,All rights reserved.

公開初日 2005/08/27

配給会社名 0081

解説




原点にして頂点、
ついに動き出したホラー界の巨匠ジョージ・A・ロメロが創造した、
新たな“ゾンビ=リビングデッド”神話!!
遥か古より、“生者”と“死者”の間にはあまねく物語が語り継がれてきた。
聖書や古典文学の世界から、日本の怪談に至るまで様々な物語が、あるときは死に対する畏怖心をキー・ワードに、またあるときは死者の満たされぬ思いをきっかけにして語られてきた。そしてそこには悪魔や悪神が登場し、邪な心を生者や死者に吹き込むというバリエーションも数多く登場してきた。
しかし、そうした“生者”と“死者”の物語は1960年代に大きな転機を迎える。しかも19世紀末に誕生した新しいジャンル——映画がその舞台となったのである。
記念すべきその作品は、リビングデッド・サーガに着想を得たジョージ・A・ロメロが68年に発表した『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』である。ひたすら糧である人の血肉を求め、あてどもない彷徨を繰り返す彼らは、“生”と“死”の無間地獄にぽっかりと口をあけている虚(うろ)とも言うべき存在である。西洋文明が生んだそれまでの悪しき者たちは目的=悪意を持つ者たちだったが、ゾンビには意思のかけらもない。彼らはただ欲=本能の権化として存在するからこそ、致命的な弱点もない。
このロメロが産み落とした、斬新で、絶対的に不気味であり、それが故に見ようによってはどこかしらユーモアさえも感じさせるこの存在は、世界各国のクリエイターのマインドを大いに刺激した。低予算でアイデア勝負のホラー映画はハリウッドにとって、次世代の才能の宝庫となった。ジェームス・キャメロン、レニー・ハーリン、ピーター・ジャクソン、オリバー・ストーン、サム・ライミ、そしてスティーブン・スピルバーグら、スター監督の多くはそのキャリアの端緒でこのジャンルを通過している。
さらに言わずと知れたゲームの世界。ゾンビの世界観から「バイオハザード」や「DOA」など世界的にヒットしているアクション・ゲームが数多く生み出された。
日本ではゲームに加えて、小説世界に多大な影響を及ぼした。その代表格がゾンビを“起き上がり”という日本古来の民族伝説と融合させた小野不由美の「屍鬼」であろう。
そして今回、ロメロが満を持して放つのが『ランド・オブ・ザ・デッド』である。これこそ全世界が待望した、原点にして頂点、そして究極のゾンビの誕生である。
 ホラー映画というジャンルを超え、映画界にその名を刻む、伝説の巨匠ジョージ・A・ロメロが、自ら創造した神話“ゾンビ=リビングデッド”サーガを20年ぶりに復活させる。自ら納得できる脚本でなければ、絶対に監督しないという頑ななまでの完璧主義は、亡きスタンリー・キューブリック(『2001年宇宙の旅』)を彷彿させ、企画が難航し続けることで漂う伝説性はテレンス・マリック監督(『シン・レッド・ライン』)のようでもある。
 だが、ロメロが監督した傑作群は世界中にカルト・ファンを生み、クエンティン・タランティーノ等多くのクリエイターたちさえもロメロを神のように崇拝する。そして彼らの殆どが最も熱望していたのが、“ゾンビ=リビングデッド”サーガの復活だった。かつて、「ロメロが、新作のゾンビ映画を監督する!!」というニュースが度々流れては消えてきたが、ようやく今、世界中の映画ファンの夢がかない、新たなる伝説がスタートしたのである。

ホラー界の社会派ロメロが描く、時代を投影したゾンビ像
 90年代以降、幾つかのゾンビ系アクション・ホラー・ゲームが人気を得、そして大ヒット映画『バイオハザード』(01)、『28日後…』(02)、『ドーン・オブ・ザ・デッド』(04)などが生まれた。だが、それら全ては、ホラー界の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が描いた、現代ゾンビの原点……リビングデッド(生ける屍)サーガから着想を得たものだった。
ロメロが創造した神話は、ベトナム戦争下の68年に始まった。『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』(68)を監督し、蘇った死者が生肉を喰らうという“現代ゾンビ”を誕生させ、ゾンビを単なる恐怖の怪物として描写するだけでなく、冷徹な視点で当時の社会問題……ベトナム戦争や人種差別などを隠喩させた。そのスタイルは、単なるホラー映画の枠を超えて高い評価を得、99年には「アメリカ国立フィルム・レジストリー」によって、国がフィルムを永久保存することに決めたほどである。
 続いて、人間とゾンビのサバイバルをショッピングセンターを舞台に描いた傑作『ゾンビ』(78)では、物質主義の偏重による消費社会を風刺していた。そして『死霊のえじき』(85)では、更にゾンビが地上に蔓延した世界となり、地下の軍事施設に立てこもった穏健派の人間と軍人たちとの対立を描きつつ、軍人たちの無謀な暴走ぶりを暗喩させた問題作に仕上がっていた。
 そしてロメロはその時代性を投影した“ゾンビ=リビングデッド”サーガの新作を作るつもりだったが、90年代には実現に至らなかった。だが、新世紀になって、新たなアイデアが生まれ、21世紀に相応しい、究極のゾンビ映画が完成したのだ。
『スター・ウォーズ』が夢と希望に溢れたサーガなら、“ゾンビ=リビングデッド”サーガは、それ以上に年月と情熱をかけた、恐怖と社会性をはらんだ壮大なサーガである。
 
カンヌを騒然とさせた『ランド・オブ・ザ・デッド』に集結したスタッフ、キャストたち
 常に斬新なゾンビ映画を作り続けてきたロメロ監督の新作『ランド・オブ・ザ・デッド』が、今年5月に行なわれた「カンヌ国際映画祭2005」で、未完成ながら特別に招待された。そこでは20分間の映像が上映され、圧等的な支持を受けると共にその恐さでカンヌ中を震え上がらせたという。
世界の映画人からも注目を集めた、ロメロのリビングデッド・サーガの新作には、当然の如く、優れたスタッフ&キャストが集結した。撮影にはエイズを題材にした異色ミュージカル『ゼロ・ペイシェンス』(93)のミロスラフ・バシャック、音楽には『ストーカー』(02)で新鮮なサウンドを提供したラインホルト・ハイルとジョニー・クリメックのコンビが、斬新でリアルなゾンビたちの特殊メイクは、『キャプテン・スーパーマーケット』(93)、『マウス・オブ・マッドネス』(94)、『スクリーム』(96)、『キル・ビルVol.1』(03)などで、その手腕を発揮したKNBエフェクトがあ
たった。
 そして主人公ライリー役には『ザ・リング2』(05)の注目株サイモン・ベイカー、強欲な権力者カウフマン役に『ブルー・ベルベット』(86)の怪優デニス・ホッパー、ヒロインのスラック役にダリオ・アルジェント監督の愛娘で『サラ、いつわりの祈り』(04)のアーシア・アルジェント、ドラマの鍵を握るチョロ役には『ロミオ&ジュリエット』(96)の個性派ジョン・レグイザモが扮した。彼らはこぞってロメロ監督が製作する本物のゾンビ映画に出演したいと願い出た。これは、いかにロメロ監督のリビングデッド・サーガが一般のファンのみならず、映画業界からも絶大な人気を誇っているのかという証しでもある。そして、ゾンビのリーダー格とも言うべき重要なビッグダディ役には、TV映画『新ナイトライダー2000』(91)のユージン・クラークが扮している。

ストーリー



死者と生者の最後の戦いが今始まる!
ある日突然、世界は変わった。
 宇宙線の影響か、それともウィルスなのか……原因は不明だが、地獄が溢れ出したかのように死者が甦り、ゾンビになって人間に襲いかかって新鮮な肉を喰らい始めた。噛みつかれた者は数時間内に死亡し、そして甦って、おぞましい“リビングデッド=ゾンビ”の仲間となっていく。ゾンビは増殖し、この世をゆっくりと、しかし確実に地獄に変えていった。地球を支配しているのは、もはや人間ではない……既にゾンビは、人間の予想を遙かに超えた「進化」を遂げようとしていた。
 この世で人間は、常に死と隣り合わせ。それでも金持ちの支配階級の人間たちは、かつての幻想を抱き、小都市を作った。ゾンビが入ってこないよう川に挟まれた地形を生かし、陸続きの部分は塀で覆った。まるで要塞のような小都市の中心には、フィドラーズ・グリーンと呼ばれる超高層タワーがそびえ建ち、そのペントハウスからカウフマン(デニス・ホッパー)が、この地を統治していた。彼をはじめとする裕福な者たちは、金の力を使って贅沢な生活を送っていたのだ。
 そんな要塞都市の支配者の命令で、ゾンビが溢れる危険地域から贅沢な食糧や物資を調達してくるのが、探知機や重火器を備えた強力な装甲車デッド・リコニング(死の報い)号を駆使する傭兵グループだった。そのメンバーには、ライリー(サイモン・ベイカー)、彼の右腕チョロ(ジョン・レグイザモ)、ライリーの良き理解者チャーリー(ロバート・ジョイ)らがいた。ライリーはこの仕事で金を稼ぎ、“塀のない世界”と自由を約束する北への逃亡資金を貯める目的があった。一方のチョロは、フィドラーズ・グリーンの上流階級の生活を密かに狙っていた。
 そしてタワーの中心には貧しい者たちがひしめき合うように生活し、一つの貧困社会を形成していた。そこでは、ギャンブルやドラッグなどがはびこっていた。ライリーはそこで、勝ち気な娼婦スラック(アーシア・アルジェント)の危機を目撃し、彼女を助けて仲間に加える。

この世の地獄=地球を支配するのは、ゾンビか、人間か……!?
 3年間もカウフマンのためにゾンビの世界に飛び込み働いてきたチョロは、今の生活に嫌気がさし、カウフマンに上流階級への生活を求め出した。だがカウフマンは、街には理事会と資格委員会があり、彼らの許可が必要だと言って断り、彼を用済み要員のリストに加えるのだった。
 その頃、ゾンビたちに変化が起きていた。一人の黒人ゾンビの行動によって他のゾンビたちも武器を使うことを覚えるなど、徐々にではあるが進化を見せ始めた。そして遥か遠くに見える超高層タワーに目を向け、ゾンビたちは群団を結成し、要塞都市へと迫っていく。
 そしてデッド・リコニング号に乗る傭兵グループはチョロと対峙しつつ、ゾンビたちの攻撃を阻止しなければならなかった。小さな要塞都市の支配権を巡り、人間VS進化したゾンビたちとの壮絶なサバイバル・バトルが展開していく……。

スタッフ

監督・製作:ジョージ・A・ロメロ
製作総指揮:スティーヴ・バーネット、デニス・E・ジョーンズ
製作:マーク・カントン、バーニー・ゴールドマン、ピーター・グランウォルド
製作総指揮:スティーヴ・バーネット
 デニス・E・ジョーンズ
撮影:ミロスラフ・バシャック
プロダクション・デザイナー:アーヴ・グレイウォル
編集:ミッシェル・ドハーティー
特殊メイクアップ:グレッグ・ニコテロ and ハワード・バーガー
衣装:アレックス・カヴァナフ
音楽:ラインホルト・ハイル
and ジョニー・クリメック
特殊メイクアップ:KNB エフェクト・グループ

キャスト

ライリー:サイモン・ベーカー
チョロ:ジョン・レグイザモ
カウフマン:デニス・ホッパー
スラック:アーシア・アルジェント
チャーリー:ロバート・ジョイ
ビッグ・ダディ:ユージン・クラーク
フォトブース・ゾンビーズ:サイモン・ペッグ、エドガー・ライト
橋守ゾンビ:グレッグ・ニコテロ
and
ナタ・ゾンビ:トム・サヴィーニ

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