原題:BETWEEN STRANGERS

小さく砕けても、幸せはまだ、私たちの手の中にある。

2002年/カナダ・イタリア合作/1時間38分/カラー 配給:アルシネテラン 後援:カナダ大使館/協力:博報堂メディアパートナーズ、アルシネテラン

2005年11月25日よりデラックス版DVDリリース 2005年5月7日、ユーロスペースにて全国順次ロードショー 2005年3月12日、シャンテシネ他にて全国順次ロードショー

公開初日 2005/03/12

配給会社名 0013

解説


 あの『ひまわり』のソフィア・ローレンが
記念すべき100作目に選んだのは、
この“幸せへの物語”。

1950年から現代に至るまで戦後イタリアが生んだ大女優としてその地位が揺るぐことのないソフィア・ローレン、輝かしいキャリアの中でも記念すべき100作品目を飾ったのは、愛するカルロ・ポンティとの間に生まれた、息子エドアルド・ボンティのデビュー作だ。野性的かつ官能的な魅力で世界中を虜にしたローレンの美しさは、現在もなお衰えることがないばかりか、本作品ではさらに年を重ねることで得られる円熟した優しさが加わり、内面の美しさが溢れるような新たな魅力が惹き出された。2002年ヴェネツィア国際映画祭・トロント国際映画祭で正式出品上映され、等身大の女性達を描いた映画としても絶賛された本作品は、ローレンにとっても久しぶりの主演公開映画となっている。

一片ずつのピースが豊かに重なり合うように織り成す、世代の異なる3人の女性達の人生。
消せない傷に別れを告げて、彼女達の人生が出逢った。

「世界のどこかに自分の居場所を見つけるために必要な(勇気)を描いた」とポンティ監督の言葉にあるように、本作はそれぞれのライフステージで過去に決別をし、自分の人生の可能性を見出す中で、新しい一歩を踏みだそうとしている3人の女性達の物語である、誰の心のなかにもある家族や、仕事や、諦めきれない夢……。自分の人生にとって、譲れない大切な何かを探し出すために、彼女達が模索していく様が、同じ時間軸の中で美しく交差している。

卜ロントを舞台に繰り広げられる
華麗なる俳優陣の競演

「自分の居場所〈アイデンティティの確立〉というテーマに合わせて、こだわって選んだ」とポンティが語る本作品の舞台は「世界のモザイク」と呼ばれるトロント多国籍な人々がそれぞれの文化を大切にし、個人を尊重しあいながら生活をしている街だ。そんな街で戸惑いながらも一歩を踏み出す3人の女性を演じるのはソフィア・ローレンと、『魅惑のアフロディーテ』で見事アカデミー助演女優賞を受賞し、以降様々なジャンルの作品で演技が光るミラ・ソルヴィーノ、『クラッシュ』でも鮮烈な印象を残す一方で、『彼女の恋からわかること』で等身大の女性の姿を語ったデボラ・カーラ・アンガーという豪華女優陣さらに、ジェラール・ドパルデュー(『メルシィ!人生』)、マルコム・マクダウェル(『バレエ・カンパニー』)、ピート・ポスルスウェイト(『シッピング・ニュース』)、クラウス・マリア・ブラウンダウアー(『メフィスト』)といった錚々たる個性派名優達が脇を固め、美しい音楽はキェシロフスキ監督の「トリコロール」でスコアを担当したズビグニエフ・フレイスネルが担当している。

ストーリー


オリビアは、芸術の都フィレンツェへの想いを断ち切ることが出来ない日曜画家の主婦。毎週、公園へ通いデッサンを続けている。足が不自由な夫のジョンは、そんなオリビアの楽しみを知らない。オリビアは長年連れ添ったジョンと、平和で静かなゴ毎日を過ごしているけれども、心の中には誰にも言えないでいる秘密があり、オリビアが絵への夢を諦めきれないのには、大きな理由があった。

有名なフォト・ジャーナリストを父親に持つナタリアは、アンゴラの戦場をカメラに収め、「TIME」の表紙という華々しいデビュ一を飾った。鼻高々に賞賛する父親に対してナタリアはその成功を素直に喜べないでいる。ナタリアにとってアンゴラはあまりにも悲惨な戦場だったので、シャッターを押した記憶さえ思い出せない。アンゴラで撮ったナタリアの写真に写っているのは、悲しい瞳の少女。死が隣り合わせの戦火の中、少女はその後どうなってしまったのだろうか。目を閉じると今でも戦場の光景が甦る。自分はあの時、果たしてシャッターを押すべきだったのか、他に出来ることはなかったのか—–。

チェロ奏者のキャサリンは、長いツアーが終わっても娘と夫のいる家に帰れずにいた。母親を死に追いやった父親への思いを断ち切れず、家族と離れ離れに過ごす日々を送っている。心の中で何年も父親の出所を待っていた。今でも小さい頃の父親の姿が目に焼き付いている寝ようとする頃決まって父親が母を殴る音が聞こえた。そんな悲しい過去が彼女を家族との幸せから遠ざけてしまっていた。今日も留守番電話には、娘からのメッセージが残されているのに、答えることが出来ない。今のキャサリンにとって父親に復讐をすることが全てなのだ。

トロントを舞台に世代の異なる彼女達が、本当の自分の居る場所を探して再出発しようとしている。オリビアは、胸の中にある諦めきれない情熱一それは夢であり、ジョンにも言い出せない秘密のこと。ナタリアは、仕事と自分自身の価値観について。キャサリンは、家族と向き合うこと……。彼女達は別々の方向を歩みながら、でも惹き付けられる様に強い結びつきを感じて、幸せへの第一歩をふみだ阿。の価値観について。キャサリンは、家族と向き合うこと……。彼女達は別々の方向を歩みながら、でも,惹き付けられる様に強い結びつきを感じて、幸せへの第一歩を踏み出した。

スタッフ

脚本・監督:エドアルド・ポンティ
製作:ガブリエッラ・マルティネッリ
エルダ・フェッリ
共同製作:ロベルト・パーチェ
マリオ・コトーネ
製作総指揮:ウラディスワフ・バルトシェヴィチ
      シモーネ・デ・リッタ
撮影:グレゴリー・ミドルトン
美術:ダン・ヤーリ
編集:ロベルト・シルヴィ
音楽:ズビグニェフ・プレイスネル
衣装:マリオ・ダヴィニョン
配役:ルーシー・ボールティング
   クレア・ウォーカー

キャスト

オリビア:ソフィア・ローレン
ナタリア・バウアー:ミラ・ソルヴィーノ
キャサリン:デボラ・カーラ・アンガー
ジョン:ピート・ポスルスウェイト
ナイジェル:ジュリアン・リチングス
アレクサンダー・バウアー:クラウス・マリア・ブランダウアー
アラン・バクスター:マルコム・マクダウェル
雑貨屋の主人:レン・ドンチェフ
ジェブ:コーリー・セヴィエ
マット:ドヴ・ティフェンバック
ケヴィン:アレックス・ハウス
ロヘリオ:ノーム・ジェンキンズ
少女:シドニー・ピアソン
ジョージ:アンドルー・ターベイ
ホドナ:カレン・グレイヴ
マリア:キャスリン・ウィンズロー
マックス:ジェラール・ドパルデュー
ラフル:ロバート・ジョイ
TVレポーター:J.C.ケニー
アマンダ・トレンタ:ウェンディ・クルーソン

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