殺しの芸術家、その最大な武器は“恐怖”

東京国際映画祭2004・日本映画・ある視点上映作品(上映題名『シンクロニシティ』)

2004年/日本/カラー/133分 配給:アップリンク

2006年07月28日よりDVDリリース 2006年1月28日、新春 Q-AXシネマ オープニングロードショー

公開初日 2006/01/28

配給会社名 0009

解説


ヴィジュアリスト手塚眞監督によるヴィジュアル・サイコ・スリラー

デビュー当時から、ホラー映画でのエンタテイメント性溢れる竹品作りで注目を集め、その後もPV、CM、イベントプロデュース、舞台演出、アニメ監督と、常に新たなメディアで才能を発揮してきたヴィジュアリス卜手塚眞。その手塚眞監督が映画監督デビューから20余年を経て、その原点であるヴィジュアルを徹底的に追求し観客を恐がせるという手法により新たなエンタテイメント作品『ブラックキス』を作り上げました。
手塚監督がかつて書いた小説の主人公〈鷹山〉(特殊犯罪事件のプロファイリングの専門家)も本作で映像化されるなど、構想6年に及ぶ本作は、友情、恋愛、アクション、サスペンス、ホラーと様々なマテリアルで入念に練られたストーリーに仕上がりました。手塚眞監督のエンターテイメント集大成、新感覚サイコ・スリラー作品誕生です。

独自の映像美の中に仕掛けられた様々なトリック

舞台である新宿をアジアの魔都として描き出すために、ハイビジョンカメラで撮影を行い、ポストプロダクション時にはデジタル処理により今回の闇のコンセプトであるダークグリーンを強調し21世紀のフィルム・ノワールとしての表現を追及し独特の色合いとタッチを持つ映像美に仕上げました。また、ショッキングかつ斬新でスタイリュシュな映像の中に、ファッションモデル、ブードゥー教、反復して現れる数字、奇妙なぬいぐるみなど、さまざまな映画的キーワードをトリックとして仕掛け、この映画の要素の一つでもある“偶然”と“必然”の闇を飛び交うように登場させることで、観る者の緊張感をつのらせていきます。

オールスターキャストの犯人探し、迷宮の末に恐怖がある

モデル志望のアスカを、実際にモデル出身で最近は映画出演も続き、海外のテレビにも出演しアジアでのファンも多い橋本麗香、そしてその同居人で事件の中心人物となるカスミにミュージシャンでもある川村カオリ、そして犯人に迫るカメラマンを安藤政信、刑事を松岡俊介、ファッションモデルを実際のモデルでもある岩堀せり、その他、奥田瑛ニ、草刈正雄、小島聖、あんじ、オダギリジョーとオールスターキャスト。手塚眞監督は、このヴィジュアル・サイコ・スリラーに、より恐さのリアリティを与えるために、俳優に撮影前から一つの演出を行いました。クライマックスで明らかになる、犯人探しにつながる謎解きの数シーンが白紙の台本を出演者に渡したのです。基本的に撮影は台本順に行われたため、もしかしたら目の前にいるこの相手が犯人なのではないかという、俳優それぞれの疑いや不安を、そして恐怖を映像はリアルに切り取っていきました。

ストーリー

殺害後、死体を芸術的に装飾する猟奇殺人事件が発生した。芸能プロデューサーとファッションモデルが殺害され、その手口は警察さえも震え上がらせる残虐、かつ完璧なものだった。モデルを目指し上京してきたアスカ(橋本麗香)は、偶然その現場を目撃してしまう。それはアスカとルームメイトのカスミ(河村カオリ)の周りで起こる猟奇殺人の幕開けだった。アスカとカスミを執拗に追うカメラマンのタツオ(安藤政信)、この事件に挑む刑事のユウスケ(松岡俊介)。偶然によって呼び集められた4人の若者は、恐怖の迷宮へと迷い込んでいく。警察の推理をあざ笑うかのように「殺しの芸術家」による犯行は重ねられ、ブラックキスが必ず現場に残す、「黒いキスマーク」は増えていくのだった…。
そんな中、ユウスケは特殊犯罪プロファイリングの専門家と噂される伝説の元刑事、鷹山から「インターポール国際犯罪者番号8099」という謎の犯罪者について聞かされる。そして鷹山は「犯人の最大の武器は“恐怖”なのです」と告げる。
この美しくも残虐な犯行の目的は何か?そして次の犠牲者は?
愛と友情、信頼と疑惑が交差し、それぞれが犯人ではとお互いを疑う中、新たな殺人が起こるのだった。

スタッフ

監督・脚本:手塚眞
プロデューサー:浅井隆
撮影監督:白尾一博
美術:磯見俊裕
音楽:高木完
エンディングテーマ:日暮愛葉「ユメミタイ(cherish my life)」
人形造形:児島サコ
ファッションショー:20471120

キャスト

橋本麗香
川村カオリ
松岡俊介
安藤政信
小島聖
岩堀せり
あんじ
オダギリジョー
草刈正雄
奥田瑛ニ

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