原題:Ladder 49

助けたい。 最後の一秒まで。全力で生きるために。

本国アメリカにて、2004年10月8日ロードショー

2004年/アメリカ/カラー/116分/ 配給:東宝東和

2005年09月22日よりDVDリリース 2005年5月21日、日比谷スカラ座ほか全国ロードショー

公開初日 2005/05/21

配給会社名 0002

解説



9.11同時多発テロの現場で英雄的な活躍を繰り広げた消防士たち。彼らに、心からのリスペクトを捧げたい。そんな純粋な思いから、1本の傑作映画が誕生した。2004年10月1日の公開と同時に、全米中を熱い涙で包み込んだ『炎のメモリアル』。仕事を愛し、仲間を愛し、家族を愛したひとりの消防士の人生の軌跡を、リアルなまなざしで描いた本作は、「人の命を救いたい」という熱い思いを抱いてレスキューに人生を捧げた名もなきヒーローの姿を通して、かけがえのない命の輝きを、全力で生き抜くことの素晴らしさを、力強く讃えた感動のヒューマン大作だ。
大規模な火災現場で爆発に巻き込まれ、絶望的な状況に陥った消防士のジャック。燃えさかる炎、充満する黒煙との壮絶な戦いの場面で幕を開けるドラマは、なんとしてもジャックを生還させようとする仲間たちの決死の救出活動をスリリングに描き出すいっぽうで、ジャックの脳裏に蘇る思い出の数々をたどり、彼の愛すべき人間像を浮かび上がらせていく。いたずら好きの先輩たちから、からかわれどおしだった新人時代。初めてホースを握り、火を消し止めたときの興奮。生涯のパートナーとなるリンダとの出会い。親友の殉死に無念な思いを噛みしめた夜。子供の寝顔をみつめながら、仕事を取るか家庭を取るかのジレンマに揺れ動いた日々??。仲間と家族に支えられながら消防士として成長を重ねてきた彼は、いま、倒壊寸前の建物の中で、生き延びるための最後の戦いに渾身の力を振り絞る。それは、自分が何のために生きるのかを黙々と問い続け、家族が誇れる自分になりたいと願い続けてきた男のプライドを賭けた戦い。そんなジャックの高潔な姿、「人の命を救いたい」という信念を最後の瞬間までまっとうする生き様が、見る者の胸を熱く揺り動かす。

ジャックを演じるのは、『グラディエーター』『サイン』『ヴィレッジ』と絶好調のキャリアを歩むホアキン・フェニックス。消防士の真実の姿を伝えるべく作られたこの映画に全力投球で挑もうと決意した彼は、ボルティモア消防アカデミーで6カ月の訓練を受けたのち、ラダー隊のメンバーとして1カ月間レスキュー活動に従事。人の命を救うことに自らの生の証を求めるジャックの人物像を深く掘り下げた力演で、観客の心を鷲づかみにする。そのフェニックスを文字通りサポートする形で、人間味溢れる好演ぶりを見せるのは、消防署長のマイク・ケネディに扮したジョン・トラボルタ。ジャックを一人前の消防士に育て上げていく過程で、兄弟のような絆を育んでいくケネディの温かな人柄と、リーダーとしてのカリスマ性を見事に体現し、ドラマの感動を何倍にもふくらませる。
その他のキャストも魅力ある顔ぶれが揃った。死と背中合わせの消防士の仕事に気を揉みながらも、ジャックの理解者として家庭を支える妻のリンダには、『白いカラス』の好演が記憶に新しいジャシンダ・バレット。ジャックの救出活動に死力を尽くすラダー隊の体長レニーには、『ターミネーター2』のロバート・パトリック。自分と同じ消防士の兄を失うことになるレイには、『白い嵐』のバルサザール・ゲティ。さらに、『ボーイズユン・ザ・フッド』のモリス・チェスナット、『クレイジー/ビューティフル』のジェイ・ヘルナンデス、「24」のビリー・バークらが、ジャックの同僚の役で出演し、本物の消防士たちに勝るとも劣らない鉄壁のチームワークを披露する。
脚本は、『遠い空の向こうに』でヒューマニタス賞を受賞したルイス・コリック。監督は、『マイ・ドッグ・スキップ』で放送映画批評家協会賞の作品賞をはじめとする数々の賞を受賞したジェイ・ラッセル。「近年の最も泣ける映画」を手がけたことで知られるふたりは、今回もその持ち味を存分に発揮。ジャックをはじめとするキャラクターの感情をきめ細かく描き出し、観客に人生の意味を問いかける味わい深いドラマを作り上げた。

撮影監督のジェームズ・L・カーターと、プロダクション・デザイナーのトニー・バロウは、共にラッセル監督と『エバーラスティング/時をさまようタック』でコンビを組んだ間柄。「映画史上最大の炎を作ろうと考えた」というラッセルの指揮のもと、火災現場の再現と取り組んだ彼らは、防毒マスクを装着して撮影に挑み、デジタルに頼らない本物の炎が舞う驚異の映像を作り上げている。
編集は、『エクソシスト』と『フラッシュダンス』でアカデミー賞候補になったベテランのバド・スミス、衣装は、『サイダーハウス・ルール』をはじめラッセ・ハルストレム監督とのコラボレーションで知られるルネ・アーリック・カルファスが担当。音楽は、『マイ・ドッグ・スキップ』『エバーラスティング/時をさまようタック』でラッセル監督と組んでいるウィリアム・ロスが手がけている。さらに、映画のクライマックスを彩るオリジナル・ソングを、作品の趣旨に共鳴したロビー・ロバートソンが手がけているのも、この映画をめぐる大きな話題のひとつだ。

ストーリー



ボルティモアの穀物倉庫で大規模な火災が発生した。仲間と共に現場へ駆けつけた消防士のジャック・モリソンは、爆発の危機をはらんだ建物の中に飛び込み、12階に取り残された生存者の救出に全力を尽くす。「オレから目を離すな。信じるんだ」。恐怖に脅える生存者を力強く励まし、窓からロープで脱出させるジャック。その直後、背後で爆音が轟き、床の穴に呑み込まれたジャックの身体は、数階下のフロアに投げ出されてしまった。もはや自力での脱出は不可能。仲間の救援を待つあいだ、ジャックの脳裏には、人命救助の熱い志を抱いて消防の仕事に就いた、あの懐かしい日々の思い出が蘇ってくる。

スタッフ

監督:ジェイ・ラッセル
製作:ケイシー・シルヴァー
製作総指揮:アーミアン・バーンスタイン、マーティ・P・ユーイング
脚本:ルイス・コリック
撮影:ジェームズ・L・カーター
音楽:ウィリアム・ロス

キャスト

ホアキン・フェニックス
ジョン・トラヴォルタ
ジャシンダ・バレット
ロバート・パトリック
モリス・チェスナット
ビリー・バーク
バルサザール・ゲティ
ジェイ・ヘルナンデス
ティム・ギニー
ケヴィン・チャップマン

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