LUNATIC POWER OF LOVE〜愛(エロス)の力はひとを狂わせる〜 第2弾「エロス番長」シリーズ

2004年/日本/113分/DV/ビスタサイズ 配給:ユーロスペース/宣伝:イメージリングス

2005年04月28日よりビデオリリース 2005年04月29日よりDVDリリース 2004年8月21日よりユーロスペースにてロードショー!

公開初日 2004/08/21

配給会社名 0131

解説



同型のDVカメラによる撮影、同一予算、エンターテインメント作品という互角の条件のもとに、日本映画界を代表する監督(番長)と気鋭の新人(刺客)たちが技と力を競い合う『映画番長』、その第2弾「エロス番長」シリーズは、ピンク映画四天王と呼ばれた瀬々敬久が監修をつとめ、番長の名にふさわしく自らが見出した二人の若き才能の挑戦を受けて立ちます。吉田良子の『ともしび』はムダなセリフを排した静寂の中に都会で生きる女性ならではの切ない愛を描き、西村晋也の『ラブキルキル』は妄想ばかりがヒステリックに暴走する田舎町の恋愛模様を軽妙洒脱に描く逸品です。一方、瀬々監督自身の『ユダ』は大ヒットした『MOON CHILD』(03)以来となる待望の劇場長編最新作。現代社会の病巣と憂鬱をスタイリッシュに描く鮮烈なタッチは健在ながら、登場人物たちに注がれるやさしさの眼差しは新境地とも言え見逃せません。そして今回、ピンク映画界の巨匠にして若者たちからリスペクトを集める渡辺謙監督長年温めてきた企画を『片目だけの恋』として結実、特別招待として参加するのも話題です。

『映画番長』心得の条!
−“映画は戦場だ!”(サミュエル・フラー)−
一、『映画番長』シリーズは、若き才能に長編デビューの機会を与えることだけを目的としたものではない。
一、新人(刺客)には、すでに活躍中の気鋭の映画監督(番長)たちの作品を面白さで凌駕し、番長交代を強いることが課せられている。なぜなら映画番長を葬り去るしか、彼らに未来はないからだ。
一、『映画番長』シリーズは従って、番長にも刺客にも同一ジャンル、エンターテインメント作品、DVカメラ(Panasonic AG-DVXlOO)による短期間撮影、同一予算という互角の条件を課した果し合いの場であり、力と技と戦略を観衆に問うコロシアムでなくてはならない。
一、近頃眼にする新人監督の映画は行儀がいい。だがこの時期の映画の面白さは本来、表現への理不尽な情熱にあったはずだ。
適度な技術とバランス感覚から生まれる企画に映画の未来はないとしよう。『映画番長』は、映画以上でも以下でもない真摯なデタラメさを競う場である。
一、その対決に勝利した番長と刺客だけが、次の機会を与えられる。
尚、今回は映画美学校の講師を番長とし、卒業生の中から刺客を選んだが、今後は他流試合も行っていく予定。

ストーリー



性同一障害のユダと、心とからだに傷をもつ女、美智をめぐる数奇な運命…

東京でドキュメンタリービデオを制作している私(光石研)は、ある日、自分がユダと名付けた少年(本多一麻)に興味を持ち、彼の日常をビデオカメラで追い始めるが、ユダは私のビデオカメラを盗んで行方をくらましてしまう。数ヶ月後、私のところに中村美智と名乗る女(岡元夕紀子)がやって来る。彼女はユダが盗んだはずのビデオカメラのストラップを持っており、そこに記された住所を頼りにやって来たという。私がユダのことを尋ねると、「死んだ」と答える美智。私の事務所を去ろうとしたところで交通事故に遭い病院に担ぎ込まれた美智を見舞った私は、彼女の口から彼女とユダをめぐる数奇な物語を聞かされる…。
監督は、自主制作映画で果敢に時事的問題に取り組みながら、圧倒的な風景描写の中に「生と死」を見つめる作風で熱狂的な支持を得る瀬々敬久。
最近では、ロッテルダム映画祭やヴィエンナーレ映画祭などに招待上映され、海外でも注目を集める。97年『KOKKURI こっくりさん』、『雷魚』で一般映画に進出。また、2000年に公開された『HYSTERIC』では、スタイリッシュな持ち味も加わり、新境地を開拓。最新作は『MOONCHILD』(03年)。

スタッフ

監督:瀬々敬久
脚本:佐藤有記、瀬々敬久
プロデューサー:堀越謙三、大野敦子
音楽:安川午朗
撮影:斉藤幸一
録音:小宮元
助監督:海野敦
制作担当:齋藤有希
ヘアメイク:宗村幸絵
スタイリスト:北條訓子
音響効果:西岡正己
編集:今井俊裕


企画・製作・配給:ユーロスペース
協力:映画美学校(NPO)

キャスト

岡元夕紀子
光石研
本多一麻
三浦誠己
下元史朗

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す