原題:Gomez & Tavares

マルセイユ発!凄い奴らがやってきた!

2003年/フランス/109分/シネスコープ/ドルビーデジタル 配給:日活

2005年06月10日よりDVDリリース 2004年11月13日より銀座シネパトスにて公開

(C)2003 Hugo Films-M6 Films-Les Productions de la Gueville

公開初日 2004/11/13

配給会社名 0006

解説



ヴァイス(=悪徳)がうごめく美しい港町・マルセイユから、フレンチ刑事アクションの傑作が登場!
 青い海、抜けるような空、降り注ぐ太陽—。
 フランス第2の都市、マルセイユは古くから貿易の拠点として栄えてきた港町で、風光明媚なリゾート地としてもよく知られている。ジーン・ハックマン演じるポパイ刑事が活躍した傑作『フレンチ・コネクション』シリーズ、アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドが夢の共演を果たし、イナセな男を演じた名作『ボルサリーノ』(1969)、最近では『TAXi』シリーズでも舞台となったマルセイユは、フレンチアクションには欠かせない地だ。
 マルセイユ—
この美しい港町の裏では国際的犯罪に絡む悪徳が日夜うごめいている。マックスとカルロスはマルセイユ署に勤める、金の匂いには敏感はヴァイスなコンビ刑事だ。ある組織の裏金を管理する会計士が謎の死を遂げ、ストリッパーの娘が失踪した。彼らの鼻が素早く反応する。しかし、朝飯前と思えた仕事も二重三重の罠がしかけられ、マックスとカルロスは窮地に陥る—。
 かつてない型破りなモーターボートとヘリコプターの迫力チェイス、壮絶な銃撃戦、カークラッシュなど、陸・海・空を縦横無尽に駈け巡るアクション・シーンにはハリウッドも脱帽。フランス伝統のフィルム・ノワールを打ち破り、新たなフレンチアクションムービーの傑作が誕生した。
マルセイユを一掃するのは、俺ら≪トラブル・バディ≫!
 コンビ刑事ものは人気のジャンルとして『ビバリーヒルズ・コップ』、『リーサル・ウェポン』、『バッドボーイズ』などヒットシリーズを生んできた。それはいわゆるボケとツッコミ的な役回りの妙に面白さがあり、トラブルを巻き起こしながらも最終的には刑事として<正義を守る>という使命の元に活躍するコンビ刑事として描かれてきた。本作も軟派でチャランポランな刑事、マックスと堅物でクールな刑事、カルロというキャラクターはその組み合わせの妙という点では変わりはない。しかし、本作が今までの刑事物と大きく違うのは、このふたりはヴァイス<トラブルバディ>というところにある。豪邸に住みたい、いい女をはべらせたい、クルーザーも欲しいという欲望の方が正義よりも勝っているのである。そのヴァイスな欲望が災いして(?)、事件を解決するという新しい展開がフランスでも受け、2003年5月の公開時には4週にわたって興収ベスト10にランクインするスマッシュヒットを記録した。
俺ら≪トラブル・バディ≫だけじゃない。曲者揃いのヤツら。
 マルセイユのヒーロー刑事を気取っているマックス・タヴァレス役をコメディアンとしても人気を誇るティトフが扮し、相棒のカルロス・ゴメス役をラッパーとしても活躍しているストーミー・バグジーがクールで謎めいた刑事をカッコ良く演じる。だらしないマックスを叱咤する叔父役を『インドシナ』(1992)などでの名演が記憶に残るジャン・ヤンヌが扮し、一見好々爺でありながら、かつては裏社会で顔の知れた男として随所に登場し、物語をサポート。また、芸達者なのは男性陣だけではない。本作ではマルセイユという華やかな地に相応しい美女も登場する。事件の鍵を握るストリッパー、ポーリーナ役を『愛してる、愛してない…』(2002)のエロディ・ナヴァールが演じ、美しい肢体をおしげもなく見せる。カルロスの妹役ジーナを演じるノエミ・ルノアールはトップモデルとしてすでに有名だが、本作では見事なマーシャルアーツを披露し、鮮烈な印象を残す。
 監督は長編第1作『Les Jolie Choses』(2001/日本未公開)でドーヴィル映画祭の最優秀フランス語脚本賞を受賞したジル・パケ=ブレネル。自分の好きなジャンルを全て盛込もうと果敢なチャレンジに挑んだ。それは音楽にも現れており、製作のきっかけともなったラップミュージックをはじめ、レゲエ、ジャズなどヴァラエティに富んだサウンド・トラックにも注目したい。その手腕から今後もさらなる活躍を期待させる。

ストーリー


 作日も派手な立ち回りで事件を解決した刑事、マックス(ティトフ)はマルセイユのヒーロー気取りだ。しかし、実生活ではヒーローには程遠く、いまだに叔父(ジャン・ヤンヌ)の世話になり、庭の一角にあるトレーラーハウス住まい。しかも、叔父には囮捜査でチョロまかした現金を取り上げられる情けない男だった。さらに憂鬱なことに、パリから堅物で知られる刑事、カルロス(ストーミー・バグジー)がマックスの新しい相棒として赴任してくる。これからは上前をはねることもできなくなってしまう…。

 早速、事件が飛びこんできた。 首吊り自殺に見せかけた殺人の疑いがあり、被害者は会計士としてある組織の金を管理していたらしいこともわかった。身内は失踪してしまった娘、ポーリーナ(エロディ・ナヴァール)だけ。聞き込みを開始するマックスとカルロスは挙動不審のふたりと遭遇する。派手な銃撃戦の末、参考人として署に連行するが、手違いから参考人の弁護士と称する男に射殺されてしまう。署長(エチエンヌ・シコ)の怒りを買ったマックスとカルロスは捜査から外されてしまう。
 しかもカルロスには背任行為の疑いも出てきた。カルロスは身分不相応な高級住宅地に居を構え、しかもマルセイユの裏社会に通じているアイゼンベルグ(ダニエル・デュヴァル)とも旧知の仲だった。不審に思ったマックスはカルロスの家に忍び込むが、カルロスの妹、ジーナ(ノエミ・ルノワール)に見つかり、気まずい思いをする。そんな時、失踪していたポーリーナーからマックスに電話が入った!

 警察が押収した帳簿は、殺された会計士とポーリーナにしか解読できない暗号で埋まっていた。ポーリーナはある条件と引換えに捜査に協力することになった。そして、会計士が管理していたのはバジノレリ(フィリップ・ルメール)という男が抱える組織の裏金ということも判明した。マックスとカルロスはバジノレリの家に乗り込む。ポーリーナという切り札を持っている彼らは勝算ありと踏んでいたが、すでにポーリーナはバジノレリの手下に拉致されていた!
 —いったい何故? ポーリーナの居場所はマックスとカルロス、そして一部の警察関係者しか知らないはずだった。事件の核心へ近づいてきていると思っていたマックスとカルロスだが、事はそんな単純ではなかった。
 果たしてマックスとカルロスはこの難事件を解決することができるのか? 組織の金はどこに隠されているのか? ますます謎は深まっていく——。

スタッフ

監督:ギリーズ・パケット=ブレナー
プロデューサー:ステファーヌ・マルシル
脚本:ルノー・ベンダヴィッド/ジル・パケ=ブレネル
美術:アラン・ヴェシェ
衣装:サンドリーヌ・ヴェール

キャスト

ゴメス:ストーミー・バグジー
タバラス:ティトフ
会計士の娘・ポーリーナ:エロディー・ナヴァール
タバラスの叔父:ジャン・ヤンヌ

ノエミ・ルノワール
エチエンヌ・シコ
フィリップ・ルメール
ダニエル・デュヴァル

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