原題:The Cring Wind

いまオキナワからきこえる。ぼくたちの島の、まだ終わらない物語。

アジアフォーカス福岡映画祭2004正式出品作品::http://www.focus-on-asia.com/

2004/カラー/1時間46分 配給:シグロ

2005年08月05日よりDVDリリース 2005年08月05日よりビデオリリース 2004年7月31日、渋谷ユーロスペースにて夏休みロードショー 2004年7月31日、テアトル新宿にて夏休みレイトロードショー

公開初日 2004/07/31

配給会社名 0035

解説


原作は、芥川賞受賞作家目取真俊(めどるま しゅん)の短編「風音」「内海」ほか。目取真は自らシナリオも手掛け、島に生まれ育った作家のまなざしから、イメージ豊かな映像詩を書き下ろした。監督が、ベルリン国際映画祭銀熊賞をはじめ数々の映画賞を受賞した名作『絵の中のぼくの村』の東陽一。記録映画『沖縄列島』でデビューし、沖縄に格別な想いを持つ東は、目取真の独創的なシナリオを得て、これまでの日本映画にも沖縄映画にもない、まったく新しいジャンルの映画を生み出した。

この映画の登場人物に漂うそんざいかんがいい。ロケ地の沖縄北部・本部町で監督に見出された清吉おじー役上間宗男(地元の海人)、耳切おじー役治谷文夫(地元の画家)。オーディションで選ばれた島育ちの少年たち。沖縄芝居のベテラン、吉田妙子と北村三郎、そして、本土からやってくる老婦人役の加藤治子、夫婦役の光石研とつみきみほまでもが、オキナワの原風景の中に溶け込んでいる。

 ジプシー音楽とバッハの“アリア”。この音楽が、沖縄に対する先入観を心地よく裏切り、脚本の幻想的なイメージをふくらませる。この映画のエネルギーは、きびしい歴史を生き抜いてきた最強ジプシーバンド「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」の楽曲から生まれる。この映画のセンチメントは、バッハのゴールドベルク変奏曲“アリア”が流れるシーンにある。「動の音」と「静の音」は、寄せては返す波のように、物語を最終章へと運んでいく。

ストーリー


 舞台は、夏の沖縄。強い海風が吹くと、不思議な音がきこえる「風音」の島。浜辺の切り立った崖の中腹にある風葬場に、頭蓋骨が置かれている。銃弾が貫通したこめかみの穴を風が通り抜けるとき、音が鳴るらしい。人々から「泣き御頭(なきうんかみ)」と呼ばれ、島の守り神として鎮座していた。
 ある夏の日、少年たちが「泣き御頭」に小さないたずらをする。その日から「風音」が止み、島のおだやかな日常にさざ波が立ち・・・。島に生きる者、島の外からきた者、島で死んでいった者、それぞれの記憶が重なり合いながら、「風音」の謎が明らかになる。
 魂を運ぶと言い伝えられる蝶の群れ、頭蓋骨を守る大きなカニ、浜辺で蠢くヤドカリ、テラピア、ハブ、海、空、米軍ヘリ、戦争。いまオキナワからきこえる。ぼくたちの島のまだ終わらない物語。

スタッフ

監督:東陽一
原作・脚本:目取真俊
音楽:タラフ・ドゥ・ハイドゥークス
   「バンド・オブ・ジプシーズ」より
   平安隆&タラフ・ドゥ・ハイドゥークス
   「遊び語い(あそびかたい)」
   バッハ
   「ゴールドベルク変奏曲“アリア”」(ピアノ:園田高弘)
企画・製作:山下徹二郎
撮影:蔦井孝洋
美術:吉田悦子
録音:鶴巻仁
助監督:兼重淳

キャスト

上間宗男
加藤治子
つみきみほ
光石研

北村三郎
吉田妙子
治谷文夫
細山田隆人
加藤未央
島袋朝也
伊集朝也
ほか、沖縄のみなさん

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