原題:Fun with Dick and Jane

2005年12月21日全米公開

2005年/アメリカ/ 配給:ソニー・ピクチャーズエンターテインメント

2007年11月28日よりDVDリリース 2006年06月07日よりDVDリリース 2005年12月24日 渋谷東急ほか全国公開

ビデオ時に変わった場合の題名 ディック&ジェーン

公開初日 2005/12/24

配給会社名 0042

解説


倒産、リストラ、失業。長引く不況は、これらの言葉を現実味のあるものとして響かせ、現代のサラリーマンのストレスとなってのしかかる。明日は我が身。そんな現代人のシリアスな胸の内を踏まえつつ、元気をあたえてくれるのが「ディックとジェーン 復讐は最高!」だ。

主人公ディック&ジェーンに、それは突然やってきた。ITメディア開発企業グローバダイン社で働くディックは念願のマイホームを手に入れ、昇進も決定して前途洋々。愛する妻ジェーンもこれを機に仕事を辞め、家族と過ごす時間を作ろうとしていた。まさに絵に描いたような幸福な一家…となるはずだった矢先のグローバダイン社の倒産。

ディックがそれを知ったとき、CEOのマカリスターはすでに株を手放してエスケイプ。天国から地獄とはまさにこのこと。失業したディックとジェーンは生活に困窮してプラズマテレビも手放し、芝生を剥ぎ取られ、電気も止められる始末。

再就職もままならず、手を出したのが夫婦コンビでの強盗稼業。もともと勤勉なふたり、犯行を重ねる度に腕を上げ、ついにはそこで得た技術を活かして復讐計画に着手する。標的は、倒産でただひとり巨万の富を得たマカリスター。この腹黒い男に、ディックとジェーンが仕掛けた罠とは?

ある研究によると、CEO(最高経営責任者)の平均的な収入は、従業員の平均の約400倍とのこと。これは10年前の10倍の比率というから、貧富差の拡大はまさに現実のもの。確かに、世の中は権力を持つ者が勝利を収めるようにできている。

しかし、社会のルールに従って一生懸命働き、正直に生きてきた結果が貧乏暮らしだなんて納得がいかない! 社会の不条理に対して誰もが抱く、そんな怒りを行動にぶつけたディック&ジェーンは、まさに現代のボニー&クライド。ただし、やり方はもっとスマートで、そのうえ面白い。諸悪の根源である権力者に一泡吹かせる、痛快なドラマはストレスを気持ちよく吹き飛ばしてくれるに違いない。

ディック&ジェーンに扮するのは、「トゥルーマン・ショー」「ブルース・オールマイティ」で人間味のあるキャラクターをユーモラスに体現してきた全米屈指のドル箱スター、ジム・キャリーと、「ディープ・インパクト」「さよなら、さよならハリウッド」でのヒューマンな好演が忘れ難いティア・レオーニ。ちょっぴり見栄っ張りなのが玉にキズだが、愛と信頼で結ばれたおしどり夫婦を、好感たっぷりに演じ切り、観客の共感を引き寄せる。

憎きマカリスターに扮するのは、「アビエイター」「エリザベスタウン」でも同様の役を演じて経営者役が板についてきた(?)アレック・ボールドウィン。また、ハリウッド版「Shall we ダンス?」のリチャード・ジェンキンスが、ディック&ジェーンに手を貸す元重役に扮して味のあるところをみせる。

監督は、「ギャラクシー・クエスト」で落ちぶれた俳優たちやオタクをヒーローに押し上げた実績のあるディーン・パリゾット。製作はジム・キャリーと、「ビューティフル・マインド」のブライアン・グレイザー。また、脚本に「俺たちニュースキャスター(V)」や、初監督作「40 Year Old Virgin」を全米で大ヒットさせたジャド・アパトーと、TV出身の新鋭ニコラス・ストーラー、撮影監督に「ドッジボール」のジャージー・リジンスキー、音楽に「ハッピー・フライト」のセオドア・シャピロと、コメディーの分野で活躍する精鋭が揃っている。

ストーリー


ディック・ハーバー(ジム・キャリー)はIT開発企業グローバダイン社に勤務する優秀な社員。愛する妻ジェーン(ティア・レオーニ)との間に息子ビルをもうけ、幸福な家庭を築き、マイホームも手に入れたうえに仕事ではコミュニケーション部部長への昇進も決定。ハーバー家はアメリカンドリームを実現した、理想の一家と思われた。

昇進後のディックの最初の仕事はテレビの経済番組に出演し、自社のPRをすること。ところが生放送中、とんでもないニュースが飛び込んできた。グローバダイン社のCEO、マカリスター(アレック・ボールドウィン)が過去2年で自社株のほとんどを売却しており、経営はすでに破綻していたのだ。

キャスターの追及をしどろもどろでかわして戻ってみると、社内は大混乱に陥っていた。マカリスターの片腕だったバスコム(リチャード・ジェンキンス)も、その事実は初耳で、ウィスキーをあおってヤケになっている。社員たちは残務整理に大慌て。ただひとり大儲けして、ヘリコプターで逃げるように立ち去るマカリスターを、ディックは呆然と見送るしかなかった。

帰宅したディックを待っていたのは、ジェーンが勤め先の旅行代理店を辞職したという知らせ。彼女は仕事よりも家庭を優先させることを選んだのだ。ディックは”心配するな、再就職の当てはある”と大見得を切るが、現実は甘くない。部長職の肩書きにふさわしい転職先が見つからないまま3か月が過ぎた。

負債だけがつのり、電気も止められた。マイホームを売ろうにも不動産が暴落したため借金は残る。背に腹は変えられず、ディックはスーパーで、ジェーンはスポーツジムで仕事を得るが、どちらも慣れない仕事、うまくいかず、すぐにクビになる始末。

高級家具もプラズマテレビも売りに出したが、一時しのぎに過ぎない。背に腹は変えられないとばかりに、ディックはコンビニ強盗を決意する。ジェーンに”バカはよして”と止められるも、店員に銃を向けた以上、後戻りはできない。意外なほどあっさり金を強奪できた二人は、その日から強盗稼業に全力投球。勤勉なふたりは犯行に必要な情報を吸収し、その手口は回を重ねるほど洗練されてゆく。

そんなある日、銀行強盗を企てたふたりは、そこで覆面姿の先客の強盗コンビに遭遇。逮捕されたこのふたりは、なんとディックのかつての同僚とその妻だったのだ。その夜、TVのニュースでは逮捕された同僚夫妻の映像とともに、グローバダインの元社員たちの現在の惨状、そして狩りを楽しむマカリスターの姿が映し出されていた。

意を決したディックは偶然再会したバスコムから情報を得て、マカリスターから大金を奪う計画を練る。場所は大胆にも、マカリスターが取引をしている最中の銀行内。白昼堂々、実行に移されたディック&ジェーンのこの計画は成功するのか!?

スタッフ

監督:ディーン・パリソット
製作:ジム・キャリー、ブライアン・グレイザー
脚本:ジャド・アパトー、ニコラス・ストーラー、ピーター・トラン
撮影:ジャージー・ジーリンスキー
編集:ドン・ジマーマン

キャスト

ジム・キャリー
ティア・レオーニ
アレック・ボールドウィン
アンジー・ハーモン
リチャード・ジェンキンス
ジョン・マイケル・ヒギンズ
ジェフ・ガーリン

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