原題:magonia

トロント国際映画祭 正式出品  サンセバスチャン 正式出品  トビリシ国際映画祭 オープニング上映作品 イスタンブール国際映画祭 最優秀映画賞(ゴールデン・チューリップ)受賞 ポゴダ国際映画祭 最優秀映画賞受賞 トロント国際映画祭 新人部門 審査員特別賞受賞

2001年9月22日オランダ公開

2001年/オランダ映画/カラー/112分 配給:東北新社

2005年09月22日よりDVDリリース 2005年3月19日、ユーロスペースにて公開!

公開初日 2005/03/19

配給会社名 0051

解説


愛する息子に、父が託す“希望”の物語

毎週日曜日、透き通る海に囲まれた美しい島を、父に会うために訪れる少年。船乗りだった父は週に一話ずつ、天空にあるといわれる国<マゴニア>について語り聞かせる。モスクに彩られるイスラムの街で、師の歌を奪った青年、広大な砂漠に浮かぶ一軒の小屋に訪れた夫婦、そして嵐の港で恋人の迎えを待つ女 —— 地図にない国<マゴニア>で、狂おしいまでに愛を、自由を希求する人々を通して語られるのは、幾通りもの希望の話だった。それは毎回全く異なる世界だが、父が息子に託すメッセージは一つ、「希望は最後に消えるもの」。やがて父の語る<マゴニア>の真実を知る出来事が起こる。

美しく、切なく、リアルな、おとなのためのファンタジー

父と息子の物語を縦軸に、父が語るエキゾチックな三篇の話を横軸にストーリーが紡がれる、カラフルなタペストリーのような映画『マゴニア』。それは、日常にぽっかりと見つけたオアシスのような、おとなのためのファンタジーとも言うべき物語です。現実と理想の間には常にギャップがあるけれど、人はそこに希望を感じるから生きていく。父の物語るファンタジーの世界と現実を行き来しながら、やがて私達は朽ちることのない希望に到達する。

【マゴニア】
不運が空から降ってくる前に一時的に留まる場所として、ヨーロッパに古くから伝わる架空の国。天空に浮かぶ船の形をしているともいわれ、様々な伝承がある。

ストーリー


果てしなくのびた地平線、透き通るような海に囲まれた美しい島に、少年は毎週日曜、父に会いに訪れる。船乗りだった父は、愛する息子に、雲の上にある架空の国<マゴニア>の物語を優しく語り聞かせるのだった。少年はその世界に魅了され、父と子のイマジネーションは空高く舞い上がって行くかに思えたが…。

1つめの話 師の歌を奪った青年

モスクやミナレットが立ち並ぶイスラムの街。大衆浴場の煙突の上を白い鳥が飛んでゆく。その先には、美しい女性がたたずみ、教会の塔に立つ青年を見上げている。青年は毎朝、年老いた師を背負い、塔に登る。かつて美声で人々を魅了し、祈祷に呼んだ師の声は、もはや人々には届かない。人々は信仰を失いつつあった。青年は、残り少ない命の炎を祈祷にかける師を崇拝する一方で、師に仕える女性に思慕を寄せる。

2つめの話 砂漠の孤島に訪れた夫婦

砂漠の中にぽつんと浮かぶ小さな家。写真立てには女性のポートレイトが飾られている。黒人の青年と老いた父親の二人だけが、その家に住んでいる。四方を砂に囲まれた砂漠の孤島。見渡す限り他に家はなく、彼らの他に人もいない。その砂漠の沈黙を、白人の夫婦が破る。車が故障した二人は、青年と父に助けを求め、砂漠の小屋で一夜を明かすことになる。

3つめの話 恋人の迎えを待つ女

雲がたれ込み、風が雨を運ぶ嵐の港で、ヨセは今日もラムジーを待つ。嵐が運んできた男の中の男。両腕に東と西を抱くビル・ラムジー。彼は船乗りだ。嵐で船が出せない夜に、この港にやってきた。そしてヨセを愛した。彼は言った「きっと迎えにくる」と。港の誰もが知っていて、誰もがその男の出現を待っていた。彼女に想いを寄せる若き設計士以外は。彼は彼女のために船を設計し、彼女を港から、この世界から連れ出すことを誓う。しかし、その想いはヨセに届くはずがなかった。

日曜日、少年はいつものように港で父を待つ。しかし、父の姿はそこにない。不安に駆られ、少年は父を探して走り回るが、その姿はどこにも見当たらない。やがて少年は、いつも父と別れる門の奥へと足を踏み入れるのだった…。

スタッフ

監督:イネケ・スミツ
原作/脚本:アルチュール・ジャピン
撮影:ピヨッター・クックラ

キャスト

ディルク・ローフトホーフト
ウィレム・フォーフト
〈1つめの話〉
アミラン・アミラナシヴィリ
ノダル・ムガロブリシュビリ
ラムゼイ・ナスル
ナト・ムルバニゼ
〈2つめの話〉
リンダ・ファン・ダイク
アダマ・クヤテ
ピーター・ボルフュイス
テオフィル・ソウイエ
〈3つめの話〉
アンチュ・ドゥ・ブック
フィリップ・ファン・デン・ブーガール
ヒールト・フーナーツ
ヤック・ワウテルセ

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