原題:The Missing

2003年/アメリカ/シネマスコープ/デラックスカラー/3,540m 7巻/2時間17分/DTS SRD SDDS SR 字幕翻訳:戸田奈津子/ サントラ盤:ソニー・ミュージック・クラシカル/原作:ソニー・マガジンズ 配給:UIP映画

2010年06月04日よりDVDリリース 2007年07月25日よりDVDリリース 2005年02月25日よりDVD発売開始 2004年11月26日よりDVD発売開始 2004年5月8日より日比谷スカラ座2ほか全国順次ロードショー

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公開初日 2004/05/08

配給会社名 0081

解説



 2001年度アカデミー賞において作品・監督・助演女優・脚色の4部門を独占した『ビューティフル・マインド』から2年。ハリウッド屈指の語り部、ロン・ハワードが、今、新たな感動を映像に焼き付ける——。
『スプラッシュ』、『ウィロー』、『バックドラフト』、『遥かなる大地へ』、『アポロ13』、『身代金』、そして『ビューティフル・マインド』まで、ロン・ハワードはさまざまな題材を手がけ、常に超一級のエンターテインメントに仕上げてきた。しかも、どのような題材であっても、一貫して人間の絆をテーマにする。子供の頃からハリウッドで生き、才能を培ったハワードは「人と人の共感できる関係性を描ききる」ことが多くの支持を集めるのを知り抜いている。映画の本道であるアクションを駆使しながら、人間の葛藤と情愛を浮かび上がらせる巧みな語り口。前作『ビューティフル・マインド』でひとつの到達点をみせたハワードが、さらなる高みを求めて挑んだのが、この作品である。

 出演者は選りすぐりの実力派が揃えられている。娘の願いを聞き、追跡する父親ジョーンズには『逃亡者』でアカデミー助演男優賞に輝き、『追跡者』や『メン・イン・ブラック』、『英雄の条件』などで男くさい魅力を振りまくトミー・リー・ジョーンズ。ここでは白人社会になじめず、インディアン世界に身を投じた男性像をみごとに演じきる。たくまざるユーモアを交えながら娘をみまもり、修羅を経験した男が持つ凄みをちらりとみせるあたり。トミー・リーでなければ表現し得ないキャラクターである。

 ヒロインのマギーを演じるのは『エリザベス』でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、一躍、その存在を知らしめたケイト・ブランシェット。『リプリー』、『ギフト』、『耳に残るは君の歌声』、そして『ロード・オブ・ザ・リング』まで、豊かな演技力で多彩なキャラクターを演じてきた彼女が、たくましく、しかし弱さももったヒロインをリアリティ豊かに画面に焼き付ける。母親として、娘として、またひとりの女性として、さまざまな貌をもった女性像を、ふくらみのある演技でみせる。ブランシェットの存在が、この作品の魅力をいっそう深めている。

 ふたりを囲んで、娘に『シモーヌ』でアル・パチーノの娘役を演じたエヴァン・レイチェル・ウッドと、『ハンテッド』のジェナ・ボイドが起用されたのをはじめ、『ラスト・オブ・モヒカン』のエリック・シュウェイグ、『ザ・コア』で主演を務めたアーロン・エッカート。『アダプテーション』のジェイ・タヴァレ、『スモーク・シグナルズ』のサイモン・ベイカー。『メン・イン・ブラック』のセルジオ・カルデロンなどに加えて、『セイント』のヴァル・キルマーと、ロン・ハワードの弟クリント・ハワードと父のランス・ハワードも出演している

 スタッフも超一級の才能が結集している。トーマス・イードソンの原作小説のエッセンスを汲み、みごとな脚色をみせたのは『スペース・カウボーイ』のケン・カウフマン。ニューメキシコ・ロケを活かしながら迫力の映像を切り取った撮影は『チェンジング・レーン』のサルヴァトーレ・トチノ。衣装は『アメリカン・ビューティ』でアカデミー衣装デザイン賞に輝いたジュリー・ウェイス。視覚コンサルタントには『グリンチ』のメレディス・ボズウェル。編集は長年にわたってロン・ハワード作品を
手がけてきたマイク・ヒルとダン・ハンリー。音楽は『タイタニック』でアカデミーを手中に収めたジェームズ・ホナー。プロデューサーは、ハワードの盟友で、ハワード作品のほとんどをサポートしてきたブライアン・グレーザーと、インディペンデント映画で実力を発揮してきたダニエル・オストロフ。製作総指揮と第2班監督は『ビューティフル・マインド』のトッド・ハロウェル。

 アメリカ映画界最高の人材が結集してつくりあげた、映画的興奮に満ち溢れる超大作がここに登場する。

ストーリー



 1885年、アメリカ南西部ニューメキシコ州。荒野の無法地帯に孤立して建つ家で、マギー・ギレクソン(ケイト・ブランシェット)は女手ひとつで娘を育てていた。ティーンエイジャーの姉リリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)は、町に憧れ農場暮らしを嫌っているが、妹ドット(ジェナ・ボイド)は自ら納屋で牛の乳絞りを担当するほどのしっかり者。肉体的には辛い生活だが、牧童のブレイク・ボールドウィン(アーロン・エッカート)のサポートもあって、充実した日々を送っていた。

 ある日、ブレイクが連れて来た初老の男をみてマギーは絶句する。男は20年前に家族を捨てて、アパッチ族とともに生きることを選んだ父親サミュエル・ジョーンズ(トミー・リー・ジョーンズ)だった。ジョーンズは過去を悔いる気持ちからマギーのもとを訪れたのだが、父のいない困窮生活で母を失い、自らも苦労を重ねた彼女は、1晩、泊めただけでけんもほろろに追い返す。

 翌朝、町の祭見物に出かけたふたりの娘とブレイク一行が何者かに襲われる。男たちは無残に殺され、ただひとり生き残ったドットはリリーが誘拐されたことを告げる。マギーは、町の保安官事務所に駆け込み、そこで、犯人は騎兵隊の斥候として雇われながら造反を起こして脱走したネイティブ・アメリカンであり、若い女性を誘拐しては奴隷としてメキシコに売り飛ばしていることを知る。だが、保安官も捜索を騎兵隊に任せ、その騎兵隊も当てにならない。娘の身を案じた彼女は自ら追跡することを決心し、居合わせたジョーンズに協力を仰ぐ。長年、ネイティブ・アメリカンと暮らしてきた彼は、その習慣や戦い方に精通していた。何が何でも母の後を追うと訴えるドットも連れて、マギー、ジョーンズの家族三世代による追跡が始まった。

 誘拐グループは犯行を重ねながら国境へと向かっていた。犯罪グループのボスは騎兵隊の制服に写真を貼り付けているアパッチ族の呪術師、ペーシュ・チャイデン(エリック・シュウェイグ)。リリーは隙をみて武器を入手、縛られた紐を自力で切って逃亡を図るが、あっけなく捕まってしまう。途中、マギーとジョーンズは襲撃を受けた農家で騎兵隊と遭遇する。マギーは中尉(ヴァル・キルマー)に誘拐グループの討伐を直訴するものの、彼らは略奪以外の苦労は望まないと拒絶。彼女は状況の厳しさをいやというほど思い知らされた。必死の追跡でようやく誘拐犯に追いついた3人だったが、待ち伏せに失敗。やはりペーシュに婚約者を誘拐されたネイティブ・アメリカンのオネスコと、その父カイタに出会う。ジョーンズとカイタは古くからの友人だった。
その夜、マギーの落としたブラシの毛にペーシュは呪いをかけ、マギーは高熱にうなされるが、ジョーンズとカイタの必死の努力で切り抜ける。
翌朝、ジョーンズはカイタとともに誘拐犯からリリーと婚約者を金で買い取る交渉に向かうが、一筋縄でいかない相手の策略にはまって失敗。カイタは惨殺され、ジョーンズも傷を負って戻ってくる。娘をひとり諦めるか、屈強な相手に必死の攻撃をかけるか——。選択を迫られたマギーはためらうことなく救出を選ぶ。家族の存亡を巡って、最後の戦いに臨もうとする父と娘。そこには、長い旅の間に少しずつ育んできた信頼の絆があった。

スタッフ

監督:ロン・ハワード
製作:ブライアン・グレイザー、ダニエロ・オストロフ、ロン・ハワード
製作総指揮:トッド・ハロウェル、スティーブ・クリスタル
脚本:ケン・カウフマン
原作:トーマス・イードソン
撮影:サルヴァトーレ・トチノ
音楽:ジェームス・ホーナー

キャスト

トミー・リー・ジョーンズ
ケイト・ブランシェット
エヴァン・レイチェル・ウッド
ジェナ・ボイド
エリック・シュウェイグ
アーロン・エッカート
ヴァル・キルマー

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