原題:Bruce Almighty

もしあなたが1週間だけ神様になれるとしたら— あなたならどうしますか? ハートを揺さぶる感動のヒューマン・コメディ!

2003年/アメリカ/カラー/101分/ 配給:UIP映画

2004年04月21日よりDVDリリース 2003年12月20日より日劇3ほか全国一斉ロードショー

公開初日 2003/12/20

配給会社名 0081

解説


この冬 あなたのハートを揺さぶる最高のヒューマン・コメディ

 全米で大作が揃うサマーシーズンのメモリアル・デイの5月23日に公開されるや、3日間で6,795万ドル(約81億円)を記録し、あの『マトリックス リローデッド』のV2を阻み首位を奪取。コメディ映画史上、続編をのぞく歴代No.1のヒットを記録した恐るべき映画が登場した。
ジム・キャリーとトム・シャドヤック監督が、『ライアー ライアー』以来6年ぶりにゴールデン・コンビを組んだ『ブルース・オールマイティ』は、笑って泣けてハートウォーミングな感動にひたれるヒューマン・コメディの傑作である。
 やることなすこと失敗続きでブルーな日々を送っている。不器用な生き方しかできない自分に腹が立つ。そんな思いを抱えている人達に、幸せと勇気を与えてくれる人生応援ムービーだ。
キャリーが演じるブルースは、ローカル・テレビ局に勤務する庶民派のレポーター。キャリアにも優しい恋人にも恵まれ、傍目には幸せいっぱいに見える彼だが、実は胸の内に小さな不満をいっぱい抱えている。そんなブルースの目下の目標は、まもなく引退するアンカーマンの後釜にすわること。だが、そのポストをライバルの同僚に奪われてしまった彼は、生放送中にキレて禁止用語を連発。局をクビになったあげく、ストリート・ギャングにからまれて、文字通り踏んだり蹴ったりの目にあう。「あんたは職務怠慢だ!」と、天の神に向って悪態をつくブルース。すると驚いたことに神が出現。「文句を言うなら、お前が代わりにやりなさい」と、ブルースに自分のパワーを授けて1週間のバカンスに出かけていく。たちまち全能になったブルースは、天変地異を自在に操って大スクープをゲット。堂々の職場復帰を果たし、夢にまで見たアンカーマンの座を手に入れる。だが、それと引き換えに恋人のグレースはブルースから離れていってしまう。そして愛する者が去った今初めてブルースは、自分がもともと手にしていた幸福が、どれほど大きなものだったかに気づいていく。そんなブルースの心の成長を描く物語は、劇中に引用される『素晴らしき哉、人生!』と同様、人生にまつわるポジティブなメッセージを優しい調子で語りかけてくる。人生は理不尽なことだらけで、思わず神に当たりたくなることもしばしば。でも、頼るべき神は、本当は自分の心の中にいる。その自分の力を信じ、足元をみつめて生きることの大切さと素晴らしさを、この映画は、温かな笑いと共に思い起こさせてくれるのだ。
そんなドラマのヒューマンな味わいに、ピタリとはまる名演技を見せてくれるのが、今回のジム・キャリーだ。『グリンチ』や『マスク』で見せたハチャメチャなコメディアンぶりと、2年連続ゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞した『トゥルーマン・ショー』や『マン・オン・ザ・ムーン』で見せたドラマチックな演技派ぶり。双方が程よくブレンドされた役作りは、まさに絶妙。放送禁止用語を連発する中継シーンでは思いっきり笑わせ、恋人への愛を激白するシーンでは涙を誘い?と、硬軟自在の演技をたっぷり楽しませてくれる。
共演陣にも魅力の顔ぶれが揃った。ブルースの不平を優しく受け止める恋人のグレースを好感度満点に演じるのは、TV「フレンズ」の人気者で、本年度のエミー賞主演女優賞にもノミネートされた実力派のジェニファー・アニストン。ブルースにパワーを授ける神の役に、独特の威厳とユーモアを光らせるのは、『ショーシャンクの空に』『ディープ・インパクト』の名優モーガン・フリーマン。また、ブルースが勤めるテレビ局の上司の役どころで、『マグノリア』『インサイダー』のフィリップ・ベイカー・ホールの他『オーバー・ザ・トップ』のスティーブ・キャレル、『エディー/勝利の天使』のリサ・アン・ウォルター、『アンナ』のサリー・カークランド等が出演し、脇をピリリとしめる好演ぶりを見せている。
 本作ではジム・キャリーと共にプロデュースも兼ねたトム・シャドヤック監督のもと、スタッフには、気心の知れたファミリーのメンバーが集結した。撮影は、『ダンス・ウィズ・ウルブス』でアカデミー賞を受賞し、『ナッティ・プロフェッサー/クランプ家の面々』でシャドヤック組の仲間入りをしたディーン・セムラー。バッファローの町並みの再現に腕をふるったプロダクション・デザイナーは、『パッチ・アダムス』『ライアー ライアー』『コーリング』でシャドヤックと組んでいるリンダ・デシーナ。衣装デザインは、『パッチ・アダムス』『ライアー ライアー』のジュディ・ラスキン・ハウエル。編集は、同2作を手がけたスコット・ヒル。ミック・ジャガーの挿入歌を効果的に使った音楽は、『ライアー ライアー』『コーリング』のジョン・デブニーが担当している。
 ブルースとグレースがデートするレストランの場面で、とろけるようなヴォーカルを聞かせるトニー・ベネットなど、通好みのゲストの顔ぶれも注目のポイント。もちろんラストには、恒例のNGカット集のお楽しみが用意されている。

ストーリー



 ブルース・ノーラン(ジム・キャリー)は、ニューヨーク州バッファローのローカル・テレビ局に勤めるレポーター。彼は天性のユーモア感覚の持ち主だったが、そのせいでまわってくる仕事は巨大クッキーの取材のような三面ネタばかり。それもしばしばボツにされるとあって、憧れのアンカーマンの座は遠のくばかりだ。
そんなブルースに、待ちに待ったチャンスが訪れる。ナイアガラの滝の<霧の乙女号>の記念イベントを、視聴率週間のニュース番組のなかで生レポートすることになったのだ。パラソルの帽子をかぶり、意気揚々とカメラの前に立つブルース。だが、本番直前、ライバルのエヴァン(スティーブ・キャレル)が次のアンカーマンに決まったと聞き、彼の頭の中はたちまち真っ白。支離滅裂な放送禁止用語を口走り、あっさり局をクビになってしまう。しかもそのあとには、ストリート・ギャングから袋だたきにされるオマケまでつき、ブルースは落ち込みのどん底に突き落とされる。そんな彼を、同棲中の恋人グレース(ジェニファー・アニストン)は、「出来事にはみんなワケがあるのよ」と言って慰めるが、被害妄想の塊になったブルースには、彼女の言葉も非難にしか聞こえない。挙げ句の果てに外灯と衝突事故を起こしたブルースは、天の神に向って「あんたは職務怠慢だ!」と、怒りをたたきつけた。
翌朝ブルースのポケベルに何度となく同じ電話番号から呼び出しがかかる。そして「仕事がある」という言葉につられ、倉庫街のビルを訪ねて行った彼を待ち受けていたのは、なんと清掃服を身につけた神(モーガン・フリーマン)だった。「私の仕事に不満があるなら、君がやれ」。神のお達しを半信半疑で聞くブルース。だが、ビルから一歩外に出た彼は、自分が本当に全能のパワーを備えていることに気づく。「スタート」と言うだけで車を動かすことも、スープを『十戒』の紅海のように割ることもできる! そのパワーの偉大さを知って、ブルースはニンマリ。と、再び彼の前に現われた神は、パワーを使うにあたって、ふたつのルールがあることを教えた。ひとつは、自分が神であると人に言ってはならないこと。もうひとつは、人の意志は操れないということだ。そう言い残してバカンスに出かけた神を見送ったブルースは、さっそくパワーを行使。口からイナゴを吐き出してストリート・ギャングを撃退し、グレースとのロマンチックな夜を盛り上げるために月景色を演出。さらに、警察犬の訓練所からジミー・ホッファ(’70年代に謎の失踪を遂げたトラック運転手組合の会長)の遺体を掘り出すという世紀のスクープをモノにして、めでたく職場復帰を果たす。
それからというもの、ブルースの取材先ではつねに隕石落下などの大事件が勃発。「ミスター特ダネ」のニックネームで知られるようになったブルースは、たちまち局の看板スターになる。そしてついにニュース原稿に仕掛けをしてエヴァンを失脚させた彼は、めでたくアンカーマンの座を勝ち取った。
が、喜んでばかりはいられないこともあった。神の仕事を引き継いで以来、ブルースの頭の中では、さまざまな人々の祈りの声が鳴り響くようになったのだ。「祈りに答えなければ、どんどん声は大きくなる」。神にそう言われたブルースは、パソコンに祈りをダウンロードし、片っ端から「イエス」の文字を打ち込んで行く。すると、たちまち株が大暴騰。異常な数の人間が宝クジに当たり、それがデモ騒ぎに発展していくなど、世界に大混乱が巻き起こる。
そんな中、アンカーウーマンのスーザン(キャサリン・ベル)との仲を誤解して出て行ったグレースの愛を取り戻そうと、ブルースは持てるパワーをフル稼働。だが、人の意志は操れないというルールどおり、グレースは「愛していた」という言葉を残してブルースの元を去っていく。
そしていよいよ、アンカーマン・デビューの日がやって来た。ブルースにとっては、まさに一世一代の晴れ舞台だ。しかし、本番開始直後、隕石落下の後遺症によって電源がダウン。外では暴動が起こり、とても放送どころではなくなってしまう。
 すべての異変は、ブルースが自分勝手な欲望を満足させるために神のパワーを乱用した結果、引き起こされたこと。その重大さに気づいたブルースは、自分が、愛するグレースの祈りさえも聞く耳を持たない愚か者だったことを思い知る?

スタッフ

監督・製作:トム・シャドヤック
製作:マイケル・ボスティック、トム・シャドヤック、ジム・キャリー
製作総指揮:ロジャー・バーンバウム、ゲイリー・バーバー
脚本:スティーブ・オーデカーク
撮影:ディーン・セムラー
衣装デザイン:ジュディ・ラスキン・ハウエル
音楽:ジョン・デブニー

キャスト

ブルース・ノーラン:ジム・キャリー
グレース:ジェニファー・アニストン
神:モーガン・フリーマン
デビー:リサ・アン・ウォルター
ジャック・ケラー:フィリップ・ベイカー・ホール

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