原題:Le Divorce

2003年8月8日全米初公開

2003年/アメリカ・フランス/カラー/118分/シネマスコープ/ドルビーSR・SRD/6巻/ 字幕:古田由紀子 配給:20世紀フォックス映画

2007年11月21日よりDVDリリース 2005年02月04日よりビデオレンタル開始 2005年02月04日よりDVD発売開始 2004年5月22日より有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー

(C)2003 TWENTIETH CENTURY FOX

公開初日 2004/05/22

配給会社名 0057

解説


恋愛と芸術で満ちあふれたロマンチックな街・パリに、ひとりのアメリカ人女性がやって来た。彼女の名前はイザベル・ウォーカー。フランス人と結婚して、パリに住む姉ロクサーヌに会いに来たのだ。しかし、詩人で思いつめるタイプのロクサーヌは、自分勝手な夫のシャルル・アンリと<ル・ディヴォース(離婚)>寸前! 一方イザベルは、そんな姉を心配しつつ、恋愛を謳歌。外交官エドガルの愛人になるが、彼は、なんとシャルル・アンリの叔父にあたる人物。これに加えて、ロクサーヌが実家から持参した絵画の所有をめぐり、双方の家族は、アメリカン・ファミリーVSフレンチ・ファミリーのバトルに発展していく。
 ファッション、芸術、グルメ……と、女性のあらゆる欲望を満たしてくれる憧れの街・パリ。でもそんな美と快楽の街は、伝統と規律を重んじる厳しい顔も持っていた。ひとりのアメリカ人女性がエレガントなパリの街でぶつかった、マナー、モラル、お金、恋愛、結婚、セックス、そして離婚というカルチャー・ギャップの壁。彼女は、自由の国・アメリカとの違いにとまどいながらも、フランスの懐に飛び込み、さまざまな経験を経て、大人の女になっていく。
 原作はダイアン・ジョンソンのベストセラー小説「ル・ディヴォース」。これに目をつけたのが『眺めのいい部屋』、『ハワーズ・エンド』、『日の名残り』で3度アカデミー賞候補になったジェームズ・アイヴォリー。エレガントなコスチューム・プレイを得意とするアイヴォリーが、今回はめずらしく現代劇、それもコメディで、人間関係や恋愛におけるカルチャー・ギャップを上品に軽やかに描いている。俳優陣も超豪華。イザベルに『あの頃ペニー・レインと』のケイト・ハドソン。ロクサーヌに『マルホランド・ドライブ』のナオミ・ワッツ。そしてイザベルの恋の相手エドガルに『奇人たちの晩餐会』のティエリー・レルミット。ロクサーヌの夫シャルル・アンリにメルヴィル・プポー。ほかサム・ウォーターストン、ストッカード・チャニング、レスリー・キャロン、グレン・クローズ、マシュー・モディン、ジャン=マルク・バール……と、そうそうたるキャストが勢ぞろい。
 ひとつの離婚劇が、家族、親戚を巻き込み、アメリカVSフランスの意地の張り合いに発展していく様をコミカルに魅せていくこの映画は、同時に強烈なカルチャー・ギャップを通して、ヒロインの恋愛観、人生観を大きく変えていく様を描く。変化も傷つくことも恐れず、人生を積極的に楽しもうとする、イザベルのポジティブな姿勢は、若い女性の共感を得るに違いない。

ストーリー



 イザベル(ケイト・ハドソン)がフランス、シャルル・ド・ゴール空港に降り立った。パリに住む詩人の姉ロクサーヌ(ナオミ・ワッツ)に会いに来たのだ。彼女にはフランス人の夫シャルル・アンリ(メルヴィル・プポー)がいて、ただいま妊娠中。幸せの絶頂のはずだったが、イザベルがロクサーヌの部屋をたずねると、驚くべき事実が発覚。夫は愛人を作り、出ていったというのだ。まだ小さい娘がいて、お腹にはもうひとりの子供がいるにもかかわらず、家族に愛情のかけらも見せず家出した夫に、怒り心頭のロクサーヌ。イザベルは、そんな姉の娘の子守りをしつつ、仕事探し。タイミングよく、ロクサーヌの知り合いの作家オリヴィア(グレン・クローズ)が資料整理をしてくれる人を探していると聞き、アシスタントとして働くことになる。
 ある日、TVの討論番組を見ていたイザベルは、セクシーな外交官エドガル(ティエリー・レルミット)にひかれる。彼がシャルル・アンリの母スザンヌ(レスリー・キャロン)の弟で、身内だということがわかっていながら急接近。すっかりパリの魅力にハマっていたイザベルは「恋の街パリなら何でもあり」とばかりに、「愛人になってほしい」という彼の申し出を受けてしまう。
 一方、ロクサーヌは、離婚を望む夫に対し「絶対に離婚しない」とはねつけていた。身勝手な彼の言いなりになりたくない反発心もあったが、何よりフランスの離婚手続きがあまりにもやっかいで男女差別も甚だしいことにウンザリしていたのだ。ところがシャルル・アンリは離婚話に加え、彼女が実家から持ってきたラトゥールの名画「聖ウルスラの絵」に、母親のスザンヌとともに欲を見せ、夫婦の所有だと言いだす始末。ロクサーヌは自分の両親の希望をかなえ、米国の美術館に寄贈したかったのだが、国外に持ち出すと離婚のとき不利になるとアドバイスされ、がっかりする。
 その頃イザベルは、エドガルからプレゼントされた真っ赤なケリーバッグをきっかけに、彼との愛人関係をスザンヌに知られてしまう。エドガルは浮気な男ではあるがケリーバッグには忠実で、関係を持つ女性には必ずそれを贈る癖があったのだ。そして、離婚問題と絵の所有をめぐり、フランスにやって来ることになった両親のウォーカー夫妻(サム・ウォーターストン、ストッカード・チャニング)、ロクサーヌ、イザベルは、スザンヌに会いにシャルル・アンリの実家を訪れることになる。ところがそこにはエドガルの妻も来ていたのだった……。

スタッフ

監督:ジェームズ・アイボリー
原作:ダイアン・ジョンソン
製作:イスマイール・マーチャント/マイケル・シファー
脚本:ルース・ブラヴァー・ジャブヴァーラ
撮影:ピエール・ロム
音楽:リチャード・ロビンス
衣装:キャロル・ラムジー
配給:20世紀フォックス

キャスト

ケイト・ハドソン
ナオミ・ワッツ
ジャン=マルク・バール
レスリー・キャロン
ストッカード・チャニング
グレン・クローズ
ロマン・デュリス
スティーブン・フライ

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す