原題:candy

キャンディはまるで“エッチの国のアリス”!

1968年12月17日全米初公開

1968年/イタリア・フランス・アメリカ/カラー/124分/ヴィスタ/モノラル/ 提供:アスミック・エース エンタテインメント 配給:プチグラパブリッシング

2003年6月21日よりシネマライズにてレイトショー

公開初日 2003/06/21

配給会社名 0199

解説


キャンディはまるで“エッチの国のアリス”!キュートな60年代ファッションと「おしやれエッチ」な魅力がPOPに全開!みんな彼女に夢中になる!

原作は『イージー・ライダー』のテリー・サザーンによるドラッグ・カルチャーの聖典。伊・米仏英からオスカー常連の大スターたちが大集合したのに、あり得ないくらい支離滅裂!1969年製作の幻のエロティックコメディがようやくオリジナルヴァージョンで、甦る!

甘くて無垢で脳天気、ロリータな表情も愛らしい女子高生キャンディ・クリスチャンは、華麗な教授、庭師、空軍大将、天才医師、せむし男、ヨガの伝道師など、次々と出会う奇妙な男たちを救済するために、グラマー&ブリティなナイスバディを惜しげもなく捧げる。キャンディはまるで“エッチの国のアリス”のごとく虚飾と偽善に満ちた世界を遍歴し、サイケ&フリーセックスの時代をひとりさっそうと駆け抜ける!

キャンディ役はスウェーデン出身の当時18歳のエヴァ・オーリン。16歳でミスティーンインターナショナルに選ばれたエヴァ・オーリンはまるで妖精が降臨したように、透き通った白い肌とちょっと太めでキュートなマシュマロバディでイノセントな魅力をふりまく。舌足らずで可憐なウィスパーヴォイス、太もも重視のセックス・シーンも、フリフリのワンピもキャミソールも、ミニのファーコートも最高にキュート!!

彼女を取り巻く出演者たちも超豪華。『波止場』『ゴッドファーザー』でアカデミー主演男優賞2回受賞のマーロン・ブランドをはじめ、『恋人よ帰れ!わが胸に』で助演男優賞受賞のウォルター・マッソー、『白い刻印』で助演男優賞受賞のジエームズ・コバーンほか、ビートルズのメンバーとしてあまりにも有名なリンゴ・スターや『クレオパトラ』のリチャード・パートン、オスカー監督のジョン・ヒューストンなどなど。60年代映画界の大物スターたちが、嬉々としてキャンディをめぐるおバカ演技を披露している。名優達のあまりに濃すぎる力演は、果たして演技なのか、はたまた本当にキャンディに夢中になったのか!?とにかく必見!!

原作は、1958年に出版され、従来の道徳概念を打ち破った女子高生のセックス解放をブラックユーモアたっぷりに描き、アメリカで発禁扱いにされたいわくつきの小説「キャンディ」。作者テリー・サザーンは『博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』の脚本、『イージーライダー』の脚色、『バーバレラ』の脚色などを手がけた天才脚本家で伝説のビートニクのひとり。反体制的なスタイルとポップな感覚が調和した、カウンター・カルチャー界の代表的な作家のひとりとして、『バロウズ』や『ビートニク』には本人として出演もしている。今回は1969年(*1)に製作され、初公開版(日本公開は70年)よりも長い、日本初のオリジナルヴァージョンでの公開が実現!

*1『キャンディ1の製作年度については諸説あり、68年とも言われる。日本公開は1970年9月12日

ストーリー


純粋無垢な女子高生キャンディ・クリスチャンは、シェイクスピア役者のように華麗な講義をする教授(R・パートン)に夢中。放課後、家まで送ると誘われた彼女は有頂天、まんまと誘惑に嵌ってリムジンの中で襲われる。教授は酒も入り、泥酔状態になってしまい最後までコトが運ばず、運転手に抱えられてキャンディの家の地下室に運ばれた。着替えを済ませたキャンディが教授を介抱しようと降りていくと、そこに庭師のエマニュエル(R・スター)が待っていた。彼女のセクシーな肢体に興奮した庭師は、自らの立場も省みずキャンディを押し倒してしまう。マズイことにはキャンディのパパ(J・アスティン)も丁度御帰宅、現場を目撃してしまう。

スキャンダルを避けてニューヨークヘ転校するため、キャンディはパパ、ジャック叔父さん(J・アスティン2役)、リビア叔母さん(E・マルチネリ)に連れられて空港へ向かった。が、その途中、バイクを駆るエマニュエルの3姉妹にしつこく追いかけられ、離陸寸前の空軍の軍用機に逃げ込んだ。しかしその瞬間、パパは一撃を受けて頭に傷を負い、気絶してしまう。一方、彼らの乗り込んだ軍用機はスマイト准将(W・マッソー)以下、禁欲的な空軍兵士ばかり。とはいえ一目でキャンディの魅力に虜になってしまった准将は熱く熱弁を振るい、コックピット内で彼女を裸にする。そしてなんと、興奮した彼は手を滑らせて落下傘降下のエマージェンシー・ボタンを押してしまう。彼は自分の欲求を満たすことなく、落下するしがなかった。

ようやくニューヨークに着いたキャンディー行は、パパの治療を天才医師ドクタークランカイト(J・コバーン)にお願いすることにした。コロシアムを思わせる手術室に入ってきたクランカイトはさながら闘牛士のごとく大胆な手法で鮮やかに手術を行ってみせ、集まった観客を驚かせる。パパの容態が気になるキャンディは、パパの病室を探すうち、乱痴気パーティに巻き込まれてしまう。クランカイトとダンラップ医院長(J・ヒューストン)は犬猿の中であったが、二人は騒ぎにまぎれ、気絶したキャンディを別の病室に連れて行くが、やはり喧嘩別れ。残ったクランカイトはキャンディをベッドで脱がせ、診療とみせかけてコトに及ぼうとする。が、運悪く看護婦に見つかり、一方的に悪者扱いされたキャンディは病院を飛び出した。

のどが渇いた彼女は、カフェに入ってコーラを注文する。と、そこに入って来たカメラマンに気に入られ、トイレの中まで追いかけられてビショ濡れになりながらの大撮影会が始まった。警察の介入で難を逃れた彼女は濡れた服のまま、あてもなく歩いていく。しばらくすると、池のほとりでせむし男(C・アズナブール)と知り合った。彼のおかげで彼女は屋敷の中で服を着替えることが出来、暖炉で暖まることも出来た。はじめて自らの意思で体を許すキャンディ。

やがて彼女は愛と平和を求めて旅に出た。トレーラーに乗り込んだ彼女はヨガの伝道師グリンドル(M・ブランド)に出会う。彼の怪しげな教えを聞くうち、いつの間にか服を剥ぎ取られ、裸にされてしまうキャンディ。彼の説ぐ“呼吸法”を実践するうち、今度はグリンドルに襲われてしまう。トレーラーから逃げ出した彼女は、広大な砂漠に降り立った。そこで出会った美しい鳥と白い顔の聖者に導かれ、キャンディは洞窟に入っていく。そこはなんと、巨大な地下寺院に繋がっていたのだ。そして遂に聖者に抱かれたキャンディは、恍惚を感じるうち、聖者が水に打たれ、彼の顔から白い化粧が剥がれてゆくのを見て思わず叫ぶ。「パパじゃないの!!」。

草原を颯爽と歩くキャンディ。女神のごとき白装束で歩いていくと、今まで通り過ぎて言った男たちが勢ぞろいし、楽しそうに遊んでいる。彼女はその前を通る度、着ていた衣装に花柄模様が増えていき、増々美しく、至高の存在となっていく。あたかもその花柄が、彼女を通り過ぎた男たちの象徴であるかのように。男たちは注射を打って子供になり、さらに無邪気になっていく。そして彼女は無限に広がる宇宙を目指し、ひとり毅然と歩いていく。振り返ることなく。

スタッフ

監督:クリスチャン・マルカン
原作:テリー・サザーン
音楽:デイヴ・グルーシン、ザ・バーズ、ステッペン・ウルフ

キャスト

エヴァ・オーリン
シャルル・アズナブール
マーロン・ブランド
リチャード・バートン
ジェームズ・コバーン
ウオルター・マッソー
リンゴ・スター

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