原題:Big Girls Don't Cry

17歳の必需品。ぬいぐるみ、コンドーム、そして本当の友だち。

2002年10月24日全米初公開

2002年/ドイツ=アメリカ/91分/カラー/ビスタ/SDDS・ドルビーデジタル・ドルビーSR 字幕翻訳:伊原奈津子 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

2004年02月25日よりDVDリリース 2003年9月13日よりシアター・イメージフォーラム、シネマメディアージュにてロードショー

公開初日 2003/09/13

配給会社名 0042

解説


美しく、楽しく、エキサイティングな季節であると同時に、人生の中で最も大きい危険と困難さも秘める思春期という時代。ドイツから届いた最新作『ビタースウィート』は、ふたりの少女の視線を通して描かれる、ティーンエイジャーのヴィヴィッドな青春ドラマだ。
17歳のカティとステフィは、性格も家庭環境も違うけれど、幼い頃からの大親友。ある日、ステフィの父親の浮気現場を目撃してしまった彼女たちは、親の離婚、友情、恋愛、自我、裏切りといった、さまざまな問題に直面しながらも、ともに自分自身を深く見つめ、やがてそれらを乗り越える強さを身につけていく。

監督・脚本を担当したマリア・フォン・ヘランドは、短篇映画『Real Men Eat Meat』で数々の国際的な賞を受賞した注目の女性監督。彼女とふたりの女性プロデューサー、アンドレア・ウィルソン(ドイツ・コ口ンビア・ピクチャーズ・フィルムプロダクション)と、ジュディ・トッセル(エゴリ・トッセル・フィルム)は、10代の少女についての映画を創るにあたって「自分たちの経験や思い出に頼るだけではダメだ」と分かっていた。
リサーチのために、大勢のティーンエイジャーと実際に会って話をした監督は、複雑で現実味のある登場人物を創り出すことに成功。本作が初の長編映画にも関わらず、観る者の心を強くとらえ、現代の若者の不安定さ、夢、欲望をスクリーンに見事に映し出している。

大人へと背伸びしつつも、正義感の強い純粋な少女、カティ役を演じるのは、アメリカンダイナーで偶然、監督にキャスティングされたアンナ・マリア・ミューエ。この作品がスクリーン・デビューとなる期待の新星だ。一方、クールで小悪魔的な残酷さを持つステフィ役には、2001年の『ガールズ☆ガールズ』に出演した、ドイツ映画界の人気若手女優カロリーネ・ヘルフルトが選ばれた。『ガールズ☆ガールズ』では、一番オクテでシャイな女のコを演じていた彼女が、今回は屈折して大人になりきれない少女の脆さや孤独を体当たりで演じている。

彼女たちがコーディネートするドイツティーンのセクシー&キュートなファッション、モダンでシックなインテリアや家具などをチェックするのも楽しい。
音楽担当はスウェーデン出身のミュージシャン、ニクラス・フリスクとアンドレアス・マットソン。アトミック・スウィングやカーディガンズなどの懐かしくてせつないムード漂う楽曲の数々を使用し、ひたむきで傷つきやすい登場人物たちの世界観を盛り上げてくれる。

ストーリー


カティは中下流階級の保守的な家庭に育つ17歳。しつけに厳しい両親は、派手な服装で夜遊びするカティを叱りつけ、勝手に部屋をのぞいては、隠してあったコンドームやタバコを見つけたりする。一方、カティの幼い頃からの親友であるステフィは、リッチな家庭のひとりっ子。口喧嘩が絶えないカティの両親と違って、ステフィの両親は自由奔放で、明るく仲のよいカップルだ。
今も同じ高校に通うクラスメイトのふたり。カティがつきあっていたBFのヨヒェンは、最近ブロンドでかわいいイヴォンヌとの仲を噂されている。ステフィと、バンド・ミュージシャンのクラスメイト、カルロスとの交際は1年以上になる。本当はカティもステディな彼がほしいのだが、現実はなかなかうまくいかず、いつも短い期間で別れてしまうのが悩みのタネだった。
ある夜、カティとステフィは行きつけの店で、クラウスとジャニと出会う。カティはクラウスを気に入り、4人は一緒に店を出た後、ベルリンのトレンディなクラブへ向かう。しかし、その店で彼女たちが目撃したのは人目もはばからずイチャついている、ステフィの父親と彼の同僚であるジャネットの姿だった。あまりのショックに呆然とするステフィ。逃げるようにして店を出た後、店先で嘔吐しながら、彼女は復讐を胸に誓う。
カティのサポートもあって、父親の愛人の娘、テッサがボーカリストをめざしていることを知ったステフィは、ちょうどバンドのボーカルを探していたカルロスにテッサを紹介する。テッサがオーディションで失敗して大恥をかくことを予想しての計画だったが、実際は正反対。カルロスは、テッサの素晴らしい歌声とナチュラルな人柄に惹かれてしまう。テッサヘの嫉妬心と憎しみをさらに募らせたステフィは、最後の切り札を使うことを決意する。それは以前、クラスメイトのイヴォンヌがくれたポルノ業界のプロデューサーの連絡先だった。
音楽プロデューサーを紹介すると偽って、ポルノプロデューサーのところへ何も知らないテッサを送り込む。ステフィの邪悪な目論みを聞きながら、カティは胸騒ぎを覚えるが彼女を止めることができない。しかし、この復讐計画は、彼女たちの予想をはるかに超えて、周囲の人をも巻き込む悲劇へと発展していくのだった……。

スタッフ

監督:マリア・フォン・ヘランド
製作:アンドレア・ウィルソン
   ジュディ・トッセル
撮影:ロマン・オーシン
製作デザイン:ウルリカ・アンデルソン
キャスティング:ネシー・ネスラウアー
編集:ジェシカ・コンドン
衣裳デザイン:アンドレアス・ヤンキック
メーキャップ:ハイコ・シュミット
       ヨハンナ・ヒンシュ
美術:ソンヤ・B・ツィンマー
ライン・プロデューサー:オリバー・ダミアン
音楽:ニクラス・フリスク
   アンドレアス・マティッソン

キャスト

アンナ・マリア・ミューエ
カロリーネ・ヘルフルト
ジョセフィン・ドメス
ダビット・ヴィンター
ティルベルト・シュトラール=シェファー
シュテファン・クルト
ニナ・ベトリ
ガブリエラ・マリア・シュマイデ
マティアス・ブラントゥ
テレサ・ハルデール

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す
http://www.grosse-maedchen-weinen-nicht.de/
ご覧になるには Media Player が必要となります