原題:Standing in the Shadows of Motown

2002年トロント国際映画祭正式出品作品 2002年トライベッカ国際映画祭正式出品作品

2002年11月15日全米初公開

2002年/アメリカ/カラー/108分/ 配給:シネカノン

2004年12月24日よりビデオレンタル開始 2004年11月25日よりDVD発売開始 2004年6月19日よりK's cinema 、梅田ガーデンシネマ、動物園前シネフェスタ4にてロードショー 2004年5月1日より渋谷シネ・アミューズにてロードショー

公開初日 2004/06/19

配給会社名 0034

解説


ファンク・ブラザース・・・その名は知らなくとも、彼らの音楽はいつでも世界中の人々に聴かれている。彼らは黄金期のモータウンを支えた男たちだ。マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダー、ジャクソン・ファイブ、ダイアナ・ロス&シュプリームス、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ、テンプテーションズ、フォートップスなど、数え切れない程の有名アーティストを輩出し、数々の名曲を世に送り出したモータウン・レーベル。そのレコーディング・バンドとしてあの独特な“モータウン・サウンド”を確立し、多くの名曲に魂(ソウル)を吹き込んで陰から支えたのがファンク・ブラザースだったのだ。もし彼らがいなければ、星の数ほどのヒット・ソングもその美しい輝きを失っていたはずだ。

彼らが世に送り出した全米No.1ヒットの数は、 実にビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ローリング・ストーンズ、エルヴィス・プレスリーのNo.1全てを足した数よりも多いのだ! それらの曲は1960年代の公民権運動、ベトナム戦争、そして大きな変動期を迎えたアメリカ社会とシンクロし、時代のサウンド・トラックとして大きな役割を果たした。

しかし彼らの卓越した才能と革新的な姿勢が達成した偉業に対して、彼らが得る事が出来た名声はあまりにも小さすぎた。初期のモータウンはレコードに演奏者のクレジットを載せていなかったため、彼らの名前が一般的に語られる事はほとんどなかった。それでも彼らが創り上げたサウンドがいまだに多くのアーティストに影響を与え続けている事は紛れもない事実であり、彼ら自身に対するリスペクトを公言するミュージシャンも大勢いる。誤解を恐れずに言えば現在ヒット・チャートを賑わせている音楽の全てが、知らず知らずのうちに彼らの影響を受けている、と言っても過言ではないだろう。すべては彼らから始まったのだ。

本作は1989年のラルフ・J・グリーソン賞を受賞したアラン・スラツキーの著書「Standing in the Shadows of Motown」 (『伝説のモータウン・ベース ジェームス・ジェマーソン』リットーミュージック刊)を基に、14年の製作期間を費やし完成されている。この映画の中だけでしか見られない 貴重な当時のインタビューや演奏シーン、過去の追想シーン、そしてニュース映像などを織り交ぜながら、現在の彼らにスポットを当て、ファンク・ブラザースの実像を浮き彫りにしている。撮影の主な舞台はモータウン・レーベルのかつての本拠地デトロイト。ファンク・ブラザースが、伝説の“ヒッツヴィルU.S.A. ” のスタジオAなど、当時のレコーディング現場を再訪する姿を追う。何百もの名曲が産声を上げた現場だ。 若かりし頃のメンバーが、昼間のスタジオの仕事を終えた後、夜明けまでジャム・セッションに興じていたアフター・アワーズのナイト・クラブを再訪する姿もカメラは追う。

全編に30曲以上のモータウンの名曲が散りばめられ、誰もがその聴き覚えのあるメロディに心躍らせることだろう。特にクライマックスのコンサート・シーンでは、ファンク・ブラザースが今は亡きメンバーの遺影を掲げながら再結成される。そしてベン・ハーパー、ジョーン・オズボーン、ミシェル・ンデゲオチェロ、モンテル・ジョーダンに加え、チャカ・カーン、ジェラルド・レヴァートやブーツィー・コリンズら R&Bの錚々たるスーパースターが彼らをバックに歌うという夢の共演が実現し、胸が熱くなるような素晴らしい演奏を繰り広げてくれる。

ファンク・ブラザースを突き動かしていたのは音楽に対する情熱であり、それは今も昔も変わらない。だが映画が明らかにする彼らの物語には、ヒット・ソングにまつわる栄光と挫折と悲哀が交錯する。

本作は2002年のニューヨーク批評家協会賞最優秀ノンフィクション賞、 全米批評家協会賞最優秀ノンフィクション賞などの映画賞と、2003年グラミー賞最優秀コンピレーションサウンドトラックアルバム/最優秀トラディショナルR&Bボーカルパフォーマンスなどの音楽賞を受賞。その作品としてのクォリティの高さを証明した。それと同時にファンク・ブラザース自身がこの映画によって注目を集め、その後様々なゲストを迎えて全米ツアー を行い大成功をおさめる。そして次第に再評価の波が巻き起こり、ヨーロッパ・ツアーも行い、遂に2004年グラミー賞でファンク・ブラザースは功労賞を受賞することになる。

映画撮影後にドラムのピストル・アレン、完成直後にはピアノのジョニー・グリフィスが亡くなったのは本当に残念だが、アラン・スラツキーの著書が世に出てから15年の時を経て、初めて正当な評価を勝ち取り彼らにスポットライトが当てられたのだ。映画の枠を超えた真実の物語は、グラミー賞功労賞受賞というクライマックスを迎えて、ひとつの作品として完成した。

尚、基になった本と映画の共通する原題「Standing in the Shadows of Motown」は、フォートップスの1966年のヒット曲「Standing in the Shadows of Love」に依るものだ。

ストーリー


スタッフ

監督:ポール・ジャストマン

キャスト

ファンク・ブラザース
スティーヴィー・ワンダー
チャカ・カーン
ベン・ハーバー
ブーツィ・コリンズ
ジョーン・オズボーン

LINK

□公式サイト
□IMDb
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http://www.standingintheshadowsofmotown.com/
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