原題:TALK TO HER

深い眠りの底でも、女は女であり続ける。

2002年3月15日スペイン初公開

2002年/スペイン/カラー/112分/ 配給:ギャガ・コミニュケーションズ

2004年02月16日よりDVDリリース 2003年6月28日よりテアトルタイムズスクエア、銀座テアトルシネマにてロードショー

公開初日 2003/06/28

配給会社名 0025

解説


第75回アカデミー賞2部門ノミネート!
監督賞:ペドロ・アルモドバル、オリジナル脚本賞
ゴールデン・グローブ賞 最優秀外国語映画賞受賞!!
深い眠りの底でも、女は女であり続ける。昏睡状態となったバレリーナを目覚めさせたのは、男の盲信的な愛だった…。孤独を知る全ての人々にアルモドバルが贈る、21世紀の愛の賛歌。

<昏睡状態のバレリーナを目覚めさせたのは、男の盲信的な愛だった。
孤独を知る全ての人々にアルモドバルが贈る、21世紀の愛の讃歌。>

世界の映画賞を席巻し大ヒットを記録した『オール・アバウト・マイ・マザー』から3年。世界中が待ち焦がれたペドロ・アルモドバル監督の最新作がついにヴェールを脱ぐ。そこで描かれるのは、生と死、愛と孤独、痛みと希望、そして切ないまでのコミュニケーションヘの渇望である。

愛する者が昏睡という、手の届かない世界へ行ってしまった時、ある者は涙に生きるしか術を知らない。だが決してあきらめることなく、語りかけ、呼びかけ続ける者もいる。届かないはずの言葉は届くのか?愛は奇跡をもたらすのだろうか?だがその代償は?そんな問いへのひとつの答えを、アルモドバルは、温かな洞察と啓示に満ちた切ない究極の愛の物語へと結実させた。現在と過去を自在に往き来しながら、4人の孤独な主人公たちの心とその背景を次第に明かしてゆくスリリングな構成や、要所要所で挿入される舞踊、サイレント映画、音楽演奏の巧みな使い方も、物語の語り手としてのアルモドバルのさらなる成熟を示している。

『オール・アバウト・マイ・マザー』で自らのキャリアを極めたと思われたアルモドバルが、なおそれを遥かに凌ぐ感動的な作品を生み出したことへの驚きと賞賛の声は高まるばかり。権威あるゴールデン・グローブ賞、ナショナル・ボード・オブ・レビューの最優秀外国語映画賞を受賞した他、ロサンゼルス映画批評家協会賞では英語作品を抑えて監督賞部門を制するという快挙を達成。ヨーロッパ映画賞では最優秀作品賞を含む最多5部門を独占。また興行面でも本国スペインとイタリアでは興行ランキング初登場1位。フランスでは2ヶ月以上に渡ってトップ10をキープ。心を揺さぶる本物の感動が拡がっている。

<ピナ・バウシュとカエターノ・ヴェローゾ、
一流アーティストやラテン諸国の名俳優との奇跡のコラボレーション>

本作のオープニングを飾りいきなり観客の心を鷲掴みにするのは、ドイツが世界に誇る舞踊家・振付家ピナ・バウシュの『カフェ・ミュラー』の舞台である。彼女の芸術こそ、この物語の主人公たちが生きている“天国と地獄の中間地帯”を象徴すると、アルモドバルは映画のオープニングとエンディングに彼女の舞台を起用した。また、国際的な活躍を続けているブラジルのトップ・ミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾが物語のキーポイントに登場し、心揺さぶる歌と演奏を披露する。来日公演などを通じて日本にも多くのファンを持つふたりの貴重な出演シーンは、本作の大きな喜びとなるはずだ。眠れる美女アリシアを演じるのは『マルティナは海』(01)のレオノール・ワトリング。ほとんど台詞のない役にもかかわらず、圧倒的な存在感で観客を魅了する。彼女に愛と献身を捧げる看護士ベニグノを演じるのは舞台出身のハビエル・カマラ。本作では独特の性格俳優ぶりを発揮し、ヨーロッパ映画賞観客賞を受賞するなど、絶賛を浴びている。べニグノの親友になるジャーナリスト、マルコを演じるのは、アルゼンチン映画界きっての演技派ダリオ・グランディネッティ。女闘牛士リディアに扮するのは女優から歌手へ転身したロサリオ・フローレス。本作では女性闘牛士という難役を見事にこなしてスクリーンに復帰し、ファンを驚かせた。

ストーリー




昏睡状態となり眠り続ける、バレリーナと女闘牛士。話しかけ、触れられた一人の女にだけ、愛の奇跡が訪れる…。

病室の清潔な白いベッドの上で、アリシア(レオノール・ワトリング)は昏睡状態となり深い眠りの中にいた。だが、彼女はひとりではない。看護士のベニグノ(ハビエル・カラマ)が、4年間、眠り続ける彼女の髪や爪の手入れをし、体を拭き、クリームを塗り、服を替える。彼女に日々の出来事や感動的な舞台や映画について語りかけるべニグノは、他人からは解らなくとも、2人の間に確かなコミュニケーションの存在を感じている。

ベニグノがアリシアを初めて見たのは、母親と暮らすアパートの窓からだった。15年間家に閉じこもり、母親の介護だけをしてきた彼は、バレエ・スタジオで踊る彼女の若々しい美しさから目が離せなくなった。母を亡くした後、決心しアリシアに近づこうとするが、ある日彼女は交通事故にあい昏睡状態となってしまう。母親の介護経験を生かし、自ら志願し、以来、献身的な看護士として“人生で最も充実した4年間”を過ごしてきた。

一方、女闘牛士であるリディア(ロサリオ・フローレス)もまた、競技中事故によって昏睡状態で入院していた。彼女の恋人であるアルゼンチンのマルコ(ダリオ・グランディネッティ)は、突然の事故に困惑し、彼女の傍らで泣き、ふさぎこんでいた。

互いの境遇を語り合ったベニグノとマルコの間には、いつしか厚い友情が生まれていった。晴れた日には男たちが一緒にそれぞれの大切な女性をテラスに連れ出して、並んで日光浴をする微笑ましい風景が見られるようになる。

「話しかけてみて。女性の脳は神秘的だから。」

ベニグノに促されるがマルコは、眠り続ける彼女に話しかけるどころか、触れることさえできなかった。

しかし、ベニグノの盲信的とも言える揺るぎない愛は、誰も予想だにしなかった悲劇と奇跡を招き、それぞれの運命を大きく変えてゆく…。

スタッフ

監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
製作総指揮:アクステイン・アルモドバル
製作:エステル・ガルシア
撮影監督:ハビエル・アギーレサロペ
音楽:アルベルト・イグレシアス
編集:ホセ・サルセド

キャスト

レオノ-ル・ワトリング:アリシア
ハビエル・カマラ:ベニグノ
ダリオ・グランディネッティ:マルコ
ロサリオ・フローレス:リディア
ジェラルディン・チャップリン:カタリナ
パス・ベガ:『縮みゆく恋人』ヒロイン
ピナ・バウシュ
カエターノ・ヴェローゾ

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