原題:NOVO

何度も、私に恋して。

2002年12月25日フランス初公開

2002年/フランス映画/ビスタサイズ/ドルビーSRD/98min訳:関美冬 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2003年11月21日よりDVD発売開始 2003年11月21日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年6月14日より、シネセゾン渋谷にて「記憶に残る」ロードショー!!

公開初日 2003/06/14

配給会社名 0025

解説


もしも、あなたの恋の相手が、5分で記憶をなくしてしまう男だとしたら……。
そんないっ、ぷう変わった状況設定で繰り広げられる、パリ発のとびきりファッショナブルで息を飲むほどセクシーで、それでいて、私たちの生きる世界が抱える不安とそこから芽生える希望を切実に重ねあわせたくなる現代的で斬新な大人の恋愛映画だ。自由で明るく美しいエネルギーに満ちた主人公を演じるのはシャネルの新ミューズに大抜擢されたフランスの新星アナ・ムグラリス。意思が強く恋にポジティヴな彼女のひたむきな【恋する力】は、新しい季節に新しい恋を予感させる爽やかな風を運んでくれる。

オフィスのコピー係グラアムは、ある事情から数分前の記憶さえ維持できない状態にあるが、ある日オフィスにやって来た美人派遣社員イレーヌと激しい恋に落ちる……。

♪「5分で記憶をなくす」男との恋愛
長所……毎日、新鮮な出会いの感覚を体験できて、惰性に陥らない。とくに、過去にとらわれないセックスの快楽を満喫できる。
短所……彼は毎朝驚きとともにベッドで飛び起きる。隣りで眠る相手がだれなのか記憶できないからだ。「5分で記憶をなくす」男と「絆」を築くのは不可能かもしれない。

グラアムとイレーヌは、この刺激的だけど不安定な恋愛を継続させるのか?それとも、グラアムの記憶はやがて回復されるのか?なんといっても注目は、「5分で記憶をなくす」男に恋する、美しくて“エネルギッシュな”女性イレーヌ役に抜擢された、アナ・ムグラリス。
すでにクロード・シャブロルやシャンタル・アケルマンなど一流ベテラン監督の作品に出演した経歴をもつフランスの新進女優だが、今年の春夏広告ビジュアルでシャネルのミューズに選ばれ、一躍各方面から熱い視線を浴びる存在となった。本作を皮切りに、映画出演作の公開も続き、フランスの映画やファッション好きにとって、目を離すことのできない存在になりそう。
そのアナと恋に落ちる男グラアム=パブロを演じるのは、スペインを代表する人気スター、エドゥアルド・ノリエガ。傑作サスペンス『オーブン・ユア・アイズ』(98、アレハンドロ・アメナバール監督)と同様、過去と現在の断絶を生きる主人公の不安定な心情を見事の表現している。
同じくスペインから、最新作『トーク・トゥ・ハー』(02)に出演し、ペドロ・アルモドバル監督の新しいお気に入り女優として注目されるパス・ペガが、グラアム=パブロの妻として出演しているのも見逃せない。
『メメント』(クリストファー・ノーラン監督)や『ボーン・アイデンティティ』(ダグ・リーマン監督)など、時代の先端を走る映画の主題として《記憶》がクローズアップされてきている。そんなトレンドに鋭く反応しながら、愛する人と《記憶》を共有すことができないというハードな主題をポジティヴで美しいラブ・ストーリーで描いてくれたのは、東京を舞台に男女の不可思議な恋愛を描く前作『TOKYOEYES』(98)の記憶も新しい、フランスの実力派監督ジャン=ピエール・リモザン。重厚でいてボッブな軽やかさをも併せ持つその才能が遺憾なく発揮された本作は、間違いなく彼の代議作になるだろう。

ストーリー


「ロマンスは一人ではできない」

パリの街角で自動販売機と格闘するグラアム(エドゥアルド・ノリエガ)。ようやく、近くにいた男フレッド(エリック・カラヴァカ)の助けで飲み物を手にするが、数分後にはまた同じ格闘を繰り返している…。
あるオフィスでコピー係を務めるグラアムは、5分前の記憶さえすぐに忘れてしまう記憶障害の持ち主。フレッドはなにをしでかすかわからない彼の監視役らしい。グラアムは女性社長サビーヌ(ナタリー・リシャール)から誘惑されるが、二人が怪しげなセックスを社長室で繰り広げる様子さえも、監視カメラを通してフレッドに見守られている。
ある日、人材派遣会社から送られてきた美女イレーヌ(アナ・ムグラリス)に社内を案内する役目をおおせつかったグラアム。妙な行動を繰り返すコピー係のユニークな男性に惹かれたイレーヌは、自ら彼を自室での食事に誘い、二人はその夜のベッドを共にする。
やがてイレーヌは、かなり奇妙な行動や言動を繰り返すグラアムの症状を悟り、記憶することができない彼との恋愛がもたらす新鮮さと不安に引き裂かれ始める。確かに、新しい恋人グラアムとの情事は新鮮だ。「たいていの恋愛は、次第に相手の顔色をうかがうようになり、セックスもマンネリ化する。そんな惰性から自由な彼との恋愛は、今までにない充実感を私に与えてくれる」。だけど、その一方で、グラアムにひかれればひかれるほどイレーヌは深刻な不安に直面する。「彼は毎朝目覚めるとき、自分の横で眠る私の顔さえも覚えていない。二人の間で恋人らしい《絆》がいつの日か築かれることがあるの?」
ある日、若い二人の関係に嫉妬したサビーヌが、イレーヌを解雇する。この辺りから、事態は緊迫の度合いを高め、いくつかの真相も明らかにされていく。グラアムは実はパブロという名で、週に一度の病院での診察に立ち会う美しい妻イザベル(パス・ベガ)や、それとなく父親の様子を見守る息子アントワーヌらの家族が、彼の記憶の回復を待ち望んでいること。そして、一緒に武術の道場に通う仲だったかつての親友フレッドが絡む、グアラム=パブロの記憶喪失の原因……。
そしてグラアム=パブロの記憶が戻りはじめた矢先、記憶を記していたメモが盗まれた。完全に記憶が戻らない談ま、グラアムは失隙。かっての要や恋人、仕事などに別れを告げて、放浪を始める。必死に探すイレーヌ。そこで、彼は人生をやり値す手がかりを見つけ、“NOVO(新しい人間)”になってしまうのか?そして、そのとき、彼は妻と息子、それとも最愛の恋人イレーヌ、どちらの許に戻るのか?

スタッフ

監督・脚本:ジャン=ピエール・リモザン
共同脚本:クリストフ・オノレ
撮影:ジュリアン・ヒルシュ
音響編集/ミックス:フランソワ・ミュジー

キャスト

イレーヌ:アナ・ムグラリス
グラアム=パブロ:エドゥアルド・ノリエガ
フレッド:エリック・カラヴァカ
イザベル:パス・ヴェガ
サビーヌ:ナタリー・リシャール

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す