原題:Shackleton's Antarctic Adventure

これは真実の物語である。

2001年2月10日全米初公開

2001年/アメリカ/カラー/40分/ 配給:(株)さらい

2002年10月1日よりほかサントリーミュージアム・サントリーアイマックスシアターほか名古屋港水族館にて公開 2002年9月28日よりメルシャン品川アイマックスシアターにてロードショー

公開初日 2002/10/01

配給会社名 0132

公開日メモ 極寒の南氷洋に閉じ込められた、先の見えない苦難の連続にも決して諦めることなく、稀に見るリーダーシップを発揮し、遭難から1年9ヵ月後、遂に隊員28人全員の無事生還を果たす。人々はこれを《奇跡》と呼んだ。

解説



世界中の冒険家たちが、人類に残された最後の大陸“南極”を目指した20世紀初頭。初の南極大陸横断を試みながら予期せぬ事態に巻き込まれ、世間を驚嘆させる大冒険を成し遂げた男がいた。その名はサー・アーネスト・シャクルトン。極寒の南氷洋に閉じ込められた彼は、先の見えない苦難の連続にも決して諦めることなく、稀に見るリーダーシップを発揮し、遭難から1年9ヵ月後、遂に隊員28人全員の無事生還を果たす。人々はこれを《奇跡》と呼んだ。
この映画はいまだ多くの冒険家たちが語り継ぐシャクルトンの偉業を、臨場感あふれる大型スクリーンに甦らせ、いつまでも鮮やかに記憶に留める壮大なプロジェクトである。シャクルトン隊に加わった写真家ハーレーが残した貴重な映像と2度にわたる果敢な南極ロケが、待ち受ける危険、自然の猛威、そしてそれらに立ち向かう隊員たちの勇気をありのままに再現。その圧倒的な映像に、観客はあたかも自分が南極大陸でサバイバルを余儀なくされた冒険家となって、リアルな感動と興奮を体感するのである。
写真家ハーレーが命を賭けて持ち帰った映像は、冒険史を語るうえで貴重な資料であると同時に、シャクルトン隊の壮絶な闘いを今に伝える証言者となった。船出する一行の意気揚々たる笑顔、船上で生まれた子犬を嬉しそうに抱えるシャクルトン、氷原に閉ざされて立ち往生するエンデュアランス号、凍てつく寒気の中で船の進路を切り拓こうと作業する隊員たちなどなど、本当に起こったありのままの物語が、写真家ハーレーの視点で鮮やかに甦る。
また、巨大で重量のある大型スクリーン用1M似カメラで南極ロケを敢行した撮影クルーは現代の技術の進歩をもってしても困難なシャクルトンの旅を追い、遭難した28人さながらの苦難を強いられた。サウスジョージア島、南極海、ウェッデル海、エレファント島・・・シャクルトンが辿ったルートには、1世紀を経た今も変ることのない荒れ狂う海、立ちふさがる氷山、真っ白に覆われた道なき道が待ち受けていた。それでも、この環境こそ待ち望んだ撮影条件と考えるクルーは美しくも厳しい南極の素顔を見事に映像に収め、持ち帰ったのである。「シャクルトンの危険に満ちた航海をできるだけ同じように体験することで、彼と精神を分かち合いたかった」と語るクルーの熱い思いは、大型スクリーンいっぱいにあふれ、観客にもまた冒険史上最高の《奇跡》を体験させてくれるのである。

ストーリー



1914年、ロンドンの新聞に前代未聞の求人広告が掲載された。苦難に満ち、報酬は少なく、生命の保証さえないと断言するその広告は、大英帝国南極横断探検隊の隊長サー・アーネスト・シャクルトンが出したものだった。南極点到達を果たしながら命を落としたスコットの悲劇が記憶に新しいなか、徒歩による南極大陸横断を無謀と評する人々もいたが、時はあたかも英雄時代と呼ばれる探検華やかなりし頃。名誉と賞賛のみを求めて集まった志願者は、なんと5000人以上にものぼった。さっそく人選を行なったシャクルトンは南極探検のエキスパートから、老練な船、大工、船医、学者、料理人、さらには写真家や画家に至るまで、総勢26人の精鋭を選び出す。ここに、冒険史上最高の奇跡を体験する主役たちが集まった。その半年後、入念な準備を終えたシャクルトンは旅立ちの時を待っていた。ますます悪化するヨーロッパ情勢は、世界大戦へと突入しそうな気配である。シャクルトンは隊員を一堂に集め、探検を決行するか否かを政府に委ねる電報を打った。その2時間後、時の海軍大臣ウィンストン・チャーチルから返ってきた電報には、たった一言こうあつた。「決行せよ!」続く第2信にはさらに「英国政府は探検の断行を望む」と書かれていた。
 いよいよプリマス港を出港した一行は、前途洋々と南極大陸を目指した。彼らが乗り込んだのは、南氷洋航海のために当時の最高技術をもって建造された大型木造帆船エンデュアランス号。3本マストとスチームエンジンを持ち、最高時速18.8kmで楓爽と航行する美しくも強靭な船である。この船であれば南極までの行程は安泰、危険や難関は南極大陸にこそあると誰もが信じて疑わなかった。しかし、大自然の猛威には人知のおよばぬ時がある。最前線の捕鯨基地があるサウスジョージア島を出発したエンデュアランス号は、その2日後、予想外の氷山群に閉じ込められてしまったのだ。隊員たちの人力による削氷と風の気まぐれだけを頼りに、ゆっくりと移動すること10ヵ月。遂にエンデュアランス号は身動きがとれなくなり、一行は船を捨てて前進することを余儀なくされる。彼らを待ち受けているのは、何カ月も太陽がおがめない暗黒の日々、マイナス数十度にまで達する気温、生物を捕らえてまで補わなければならない食糧の欠乏、そして連日の寒気と重労働の末に極限にまで達する疲労・・・。それまで南極横断の夢を固く抱き続けてきたシャクルトンは、ここにきて運命を左右する一大決心をせざるを得なかった。無残にも氷盤に砕かれ、沈みゆくエンデュアランス号を前に、彼は断固たる態度で隊員たちに告げた。「新たな目標は、誰ひとり欠けることなく、28人全員を無事祖国に生還させることである」と。塘球上におけるもっとも苛酷な環境で、救助の希望もないまま、不屈の精神と勇気だけを頼りとした真の冒険が始まった。

スタッフ

監督:ジョージ・バトラー
製作総指揮:スザンヌ・シンプソン
脚本:モーズ・リチャーズ、クリスタル・V・スピジェール
音楽:サム・カードン
撮影:リード・スムート
追加撮影:デビッド・ダグラス

キャスト

アーネスト・シャクルトン
フランク・ワイルド
フランク・ワースリー
トマス・クリーン
パース・ブラックボロ
ハリー・マクニーシュ
ジョン・ヴィンセント
ジェイムズ・フランシス・ハーレー
レナード・ハッセー

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http://www.shackletonsantarcticadventure.com/
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