原題:贈り物/Last Present

鮮やかに、さわやかに−−− 生涯忘れない涙と感動のラブ・ストーリー

2002年韓国文化院開院23周年記念『韓国映画特別週間』上映作品

2001年/韓国/カラー/113分/ 提供:キングレコード、プランニングOM、スキップ、パンドラ 配給:パンドラ

2003年06月04日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年06月04日よりDVD発売開始 2003年12月7日より日比谷シャンテシネにてロードショー公開

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公開初日 2002/12/07

配給会社名 0063

公開日メモ 韓国で例のない現象を巻き起こした超話題作。9日間でソウルで20万人を超える観客を動員。幅広い観客層を集め、全国でも100万人を超える動員を記録する大ヒットとなった。女性ファンからの圧倒的な支持を得、公開時の映画ファン・アンケートでは「カップルで見たい映画No.1」に選出されている。

解説




 才能はあるのに、なかなか芽の出ないコメディアンのヨンギ。そんな彼を愛し、デビューを信じている妻ジョンヨン。小さな子供服専門店を経営して、生活を支えるジョンヨンにとって、だらしない生活に甘んじるヨンギが情けなく、二人の間には口喧嘩が絶えない。しかし彼に内緒でテレビ局のプロデューサーに掛け合い夫を使ってほしいと頼み込むジョンヨンの行動を、ヨンギは知るよしもない。そんな彼にもようやく大きなチャンスが巡ってくる。テレビ「お笑い王」トーナメント戦への出場権。だが、そのとき二人に残された時間があまりにも短くなっていた・・・。

 公開前から韓国映画史上最高の涙と感動のラブ・ストーリーと評され、昨年3月に韓国で公開されるや、女性客はもちろん男性客も涙が押さえられないという、韓国で例のない現象を巻き起こした超話題作。9日間でソウルで20万人を超える観客を動員。幅広い観客層を集め、全国でも100万人を超える動員を記録する大ヒットとなった。女性ファンからの圧倒的な支持を得、公開時の映画ファン・アンケートでは「カップルで見たい映画No.1」に選出されている。

 悲しみをこらえ、お互いを思いやりながらも、その気持ちを決して素直に表さない二人。だからこそ、その愛が、傷みが、観客の心に深く伝わって来る。それは、アジア人ならではの愛の表現とも言えよう。ときにコミカルな空気を醸しながら、情感豊かに描いていく各々のエピソードから、いとおしいほど二人の愛があふれてくる。その愛の深さ、暖かさが、見るものの心をぬくもりで包んで癒してくれることだろう。ジョンヨンとヨンギの愛の物語、それは去るものを悲しむ「涙の物語」ではなく、まさに、二人の愛の素晴らしさに感動する「至福のラブ・ストーリー」として、あなたの人生へのかけがえのない贈り物となることだろう。

ストーリー




 これまで日本で紹介され、大きな話題を呼んだ韓国映画は『シュリ』と『JSA』。この2作ともが、南北分断に絡んだ作品だったので韓国映画は政治色の感じられるものが主流なのだと思う人も多いかもしれない。しかし、本来韓国映画界が好み、しかも最も得意なのは、ラブ・ストーリー、韓国では「メロドラマ」と呼ばれるジャンルだと思う。思えば、このブームは96年の『ゴースト・マンマ』という作品(事故で亡くなった妻が、嘆く夫を心配して幽霊になって姿を現すという作品)あたりから始まっていたが、それが決定的となったのは97年の『接続』(インターネット・メールを通じて育む愛の話)だった。このラブ・ストーリーの流れは『手紙』『エンジェル・スノー』のように思い切り泣かせるものから、『八月のクリスマス』『情事anaffalr』のように、抑えた描写で描かれる恋愛ドラマまで、モチーフもさまざまに繰り返し生み出されている。韓国らしさということで言えば、やはり泣かせの入ったメロドラマ作りの上手さは特筆ものだ。日本の映画では泣けそうだと期待して見に行っても、じわじわとは来るのに、感情の頂点に達してぼろぼろと涙があふれ出るというところまで行ってくれない作品が多い。うーん、惜しい、もっと泣きたかったのに…と思いながら映画館を後にすることが少なくないのだ。これは作り手側の日本人特有の照れが、あまりにあからさまに泣かせるようにもって行くのを邪魔するせいかもしれない。しかし、観客としては予告編や、映画のポスター、宣伝コピーを見た段階で、ある程度泣けることを期待して見に行っているのだ。だったらやっぱり期待通りに泣かせてくれなくちゃなのである。その点韓国は、感情を思い切り表に出すことをよしとする国民性だ。しかも悲しくて泣ける話が大好きな人たちである。そんな韓国らしさが全面に現れているのが『ラスト・プレゼント』だ。泣かせのうまさは天下一品。情感を盛り上げ奇をてらうこと無く、気持ちをストレートに伝えてくる。そしてこれでもかというほどの涙腺を刺激する演出が出てきて、感情がグググッと一気に盛り上がる。泣くつもりも無かった人でも泣かされてしまう。この誰も抗うことの出来ない有無を言わさぬ涙攻撃。これを「催涙映画」と呼ばずして何と言おう。これを「ベタな展開」と呼んで引いてしまう人もいるかもしれないが、あえて言う、ベタだっていいじゃないか。むしろ荒んで冷めている今の世の中にあっては、このベタさが心地いい。互いを思いやり、美学を貫き通そうとする果てに流される涙。こんな美しい感情が人間にはあったんだなあ、私たちにも同じ気持ちがあったよなあという懐かしさ、優しさがこみ上げ、涙があふれ出る。かくして観客は皆ハンカチが必携になってくる。『ラスト・プレゼント』は、韓国では2001年の3月に封切られたが、封切後2日間でソウルで9万2000人(全国で23万人)を動員し、2001年、年明けからの韓国映画としてはハリウッド映画を押しのけて初めてボックスオフィス1位になった。韓国では3月は新学期、新年度の季節だけに通常観客があまり見込めない。にもかかわらず、これほど多くの観客が見に来たのは実に10年ぶりのことだったという。その1週間後に『友ヘチング』も公開され、世の中『友ヘチング』旋風が吹き荒れた。こうした苦戦を強いられる状況下にあっても、主に女性、カップルらの圧倒的な支持を集めて客足を伸ばし、最終的には全国で100万人を越す観客動員数となった。「笑いを届けるのが夫の使命だからそれを邪魔したくない」と、病気のことをひたすら隠しぬく妻を演じたのはイ・ヨンエ。『JSA』では楓爽と切れる女性将校を演じているが、今度は、生活に疲れ、体全体が丸みを帯びた少々ダサい主婦に扮し、気丈さとけなげさを表現している。この演技で黄金撮影賞の人気女優賞を獲得した。
一方、事実を知りながらも妻の気持ちに応えて知らぬ振りを通し、仕事での成功を誓う夫には、若き演技派イ・ジョンジェ。売れないコメディアンという役柄だけに、いままでの出演作中、喜怒哀楽の表情が最も豊かで人間味に富んでいる。パントマイムの演技では、悲しみを覆い隠して演じるピエロの姿と重なって、より一層胸に迫ってくる。さあ、ここはひとつ、ささくれ立った心も、シニカルな感情もひと時忘れて、思い切り胸揺さぶられてみませんか。

スタッフ

監督:オ・ギファン
脚本:パク・チョンウ
脚色:オ・ギファン
製作:キム・ミヒ、キム・サンジン
企画:カン・ウソク
撮影:イ・ソッキョン

キャスト

イ・ジョンジェ
イ・ヨンエ
クォン・ヘヒョ
イ・ムヒョン
コン・ヒョンジン
ユン・ジニョン
サ・ヒョンジン
イ・インチョル
イ・ムンシク
ク・ヘリョン
キム・ソンギョム
パク・スンテ
メン・サンフン
チュ・クィジョン

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