原題:LE PEUPLE MIGRATEUR/THE WINGED MIGRATION

2001年セザール賞新人監督賞、音楽賞、編集賞の3部門にノミネート編集賞を受賞 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2003特別招待作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/yubari/sakuhin2003/

2001年/フランス映画/プレジデント・フィルムズ作品 SRD/ビスタサイズ/上映時間:1時間39分 後援(フランス):国立自然の歴史博物館、バードライフインターナショナル、 LPO(野鳥保護の会)、ノルマンディー鳥類学者連合、WWF(世界自然保護基金) 後援:フランス大使館文化部 配給:日本ヘラルド映画

2011年06月24日よりDVDリリース 2010年09月24日よりDVDリリース 2005年12月16日よりDVDリリース 2004年11月25日よりDVD発売開始 2003年10月24日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年4月5日よりテアトルタイムズスクエア、銀座テアトルシネマほかにてロードショー

公開初日 2003/04/05

配給会社名 0058

公開日メモ 渡り鳥たちの壮大な旅路を時空を超えてたどった感動の叙事詩が遂に完成! 「ニュー・シネマ・パラダイス」のジャック・ペランが贈るネイチャー・ドキュメンタリー

解説



17 Dec 2002 | 撮影期間3年、世界20ヶ国以上を 訪れ、 100種類を超える渡り鳥の 旅物語を映画化!
 あなたは世界中に散らばる渡り鳥たちが、どんな飛行ルートを辿り、どんな経験を積み重ねているかを想像できるだろうか。「WATARIDORI」はそれを克明、かつ壮大に描いた世界で唯一の映像作品。北半球に春が訪れると、鳥たちは生まれ故郷である北極を目指して飛び立つ。彼らの繁殖がこの地でしか行われないということは、自然界の神秘的な法則である。昼夜を問わず、休む暇なく飛び続ける鳥たちもいれば、宿泊地を定めながら、日々努力を繰り返し、はるか彼方、約束の地を目指す鳥もいる。いくつもの緯度を自在に渡るために、鳥は、太陽や星などの天文学的座標を利用する術を持ち、羅針盤の針のように、地球の磁場に敏感に反応する。  地球上のすべての大陸からやってくる渡り鳥は、みな北極に到着する。人間にとって最悪である自然環境が、鳥たちにとっては楽園なのだ。雛鳥たちもここで、じきに飛び方を覚え、“渡り”という初めての大きな試練に備える。  やがて広大な空間はまもなく寒さに覆われて、凍てつくような極地の闇夜に包まれ、秋の渡りの季節の到来を告げる。やっと親鳥の元を離れた幼い鳥たちも、時には親鳥からはぐれて、たった一人で見知らぬルート、熱帯地方の回帰線を羽ばたかねばならないかもしれない。一度も経験したことのない数千キロにも及ぶ空の道を、間違えることなく飛び続け、約束の地に到着する神秘、これはいったい何か? いかなる大陸も、南氷洋のうねりをとめることは出来ない。風に打たれる島々は、巣作りを行うウミドリたちの避難場所である。中には、南極大陸の周囲を何度となく旋回し、数年後にやっと地上に降り立つ鳥もいる。そして北半球に新しい春が訪れると、渡り鳥は様々な困難を乗り越えて、あの空のルートを再び辿り、今年もまた“戻ってくる”という約束を守るのである。

■鳥たちから見た〈世界〉を描いた まったく新しい映像作品  
主役は100種を超える渡り鳥。春先、彼らは多くの困難や試練を乗り越えて北極を訪れ、そこで繁殖期を迎える。そして雛がようやく飛べるようになると、再びやってきたルートを辿って元の土地へ戻る。この作品は、彼らのその姿を克明、かつ壮大に描くことで、ドキュメンタリーでもフィクションでもないまったく新しい境地を切り開いている。監督のジャック・ペランは60年代に俳優としての地位を築いた後に映画製作を始め、常に新しい試みによって映像の世界を広げてきた。その彼が今回挑んだのは渡り鳥たちの物語だった。  
 荒れ狂う高波に飲み込まれるアホウドリや36,000キロという最も長い距離を泳いで渡るキョクアジサシを撮影するため、スタッフは6チームに分かれて世界の極地へと赴いた。訪ねた国は20カ国以上。スタッフとしては撮影のために特別に造られた超軽量航空機のパイロット17人、14人の写真監督、5人のアニメ映画監督、9人のフィクション映画監督、そして鳥類の専門家も参加している。彼らは険しい山々を一気に飛び越えようと凄まじい風に立ち向かうが叶わず落下していく者やまた人間の出した重油交じりの泥に足を取られて、飛び立つことが出来なくなる者の姿をあるがままに描き出している。
 一方、物語の主軸を成す鳥たちに関しては、フランス郊外に約40種類1,000羽を集めてトレーニングを行った。といってもいわゆる調教ではない。ジャック・ペラン率いるスタッフたちは、鳥たちがより自然に動けるように、卵の頃から人の声や機器の音に慣れさせたのだ。お陰で鳥たちは、スタッフが用意した超軽量航空機が群れの真ん中を飛んでも、平然と飛行できるようになった。こうして3年間の撮影で述べ300時間のフィルムが出来上がり、製作費は20億円に及んだ。これはドキュメンタリーの総製作費としては世界一となった。
 できあがった映像は、CGを一切使用していないにもかかわらず、鳥たちの目から見た世界をダイナミックに映し出すものとなったわけだ。その映像を、ニック・ケイブやロバート・ワイアットの曲が彩る。リアルな映像は観る者を鳥の視点に立たせ、まったく新しい感動を味わわせてくれる。空を飛ぶこと。それは太古の昔から人間が夢見てきたことだ。ジャック・ペランはその夢を映像という手段でかなえることに成功したわけだ。その感動は「WATARIDORI」が本国フランスで280万人以上を動員、その後世界各国で大ヒットを記録し続けているという事実によって裏付けられている。

■渡り鳥の移動ルート  
渡り鳥が辿る道は、数千年も前から複数存在する。なぜなら同じ場所での繁殖が、時として不可能になることがあるため、鳥は自らの存在を絶やさないように、より条件の整った地を探し旅発つからである。渡りは、基本的に南北の軸にそって行われる。北欧の温暖な気候の中で過ごす鳥たちは、秋の訪れと共に、熱帯地方やエクアドルなどの、より穏やかな気候を求めて移動する。
 渡り鳥は主に四つの移動軸にそって移動する。北アメリカに生息する鳥は(ハクガン、シジュウカラガン、カナダヅルetc)アメリカ合衆国の南方、中央アメリカ、あるいは南アメリカに移動する。
 ヨーロッパやアジアに生息する鳥は(クロヅル、コウノトリ、ツバメ、ダイシャクシギetc)アフリカの方向へ飛び地中海を越えるか、あるいは迂回してスペインや中近東を目指す。アジアの鳥たちは(ガン、シベリアヅルetc)はインドへ向かい、ヒマラヤ山脈を迂回して、西か東を目指すか、あるいは直接エベレストの峠や頂上を越える。また、コオバシギなど、アジアの南東方向に飛び、オーストラリアやオセアニアを目指す鳥もいる。
 鳥は、自分たちに課せられた制約、能力、経験、そして出発地点と到達地点を考慮した上で、この四つの内いずれかのルートを辿る。たとえば、アフリカで越冬するヨーロッパのコウノトリは、海上には存在しない熱気泡を利用するので、ツバメのように地中海を渡らず、スペインやトルコを経由する。このように、鳥は種類によって、それぞれ独自の移動ルートを持つが、それはいずれも大陸横断を原則とする、上記の四つのルートのうちの一つである。彼らが選択するルートは、彼らの個別特殊な自然体験の反映でもある。この四つの主な移動ルートには、渡り鳥の数と同じくらいの多くの分岐点や分岐線、バイパス(迂回路)がある。                                        
ステファン・デュラン

■L’AVENTURE D’UN FILM それは鳥たちが生まれる前から始まった。
スタッフたちはまずリストに載った一万種類の鳥たちの中から、世界で最も美しく突飛な振る舞いをする、約100種類の鳥たちを選んだ。その作業に一年を要した。それから鳥たちをごく近くで撮影するための超軽量航空機や熱気球を調達した後、これらに鳥たちが慣れて貰うために、胎教的な方法を利用した。人間の存在に慣れさせるために、早期から接触をもたせたのだ。すなわち鳥たちが生まれる前、まだ卵の段階から、科学者たちは自分たちの声に慣れさせるために話しかけ、撮影の準備段階として超軽量航空機の音を聴かせたのだった。

■トップクラスのスタッフが結集。 驚異のカメラワークで 鳥たちを捉えた!
撮影は98年7月、アイスランドで始まり、2001年6月、モンタナで終わった。スタッフは6チームに分かれて世界各国の難所といわれる海や山、森へ出かけ、3年の月日を費やして撮影を続けた。彼らは鳥たちを調教して、機械の後を追わせようなどとは考えなかった。鳥たちと感情的な繋がりを築いた上で、撮影することを考えたのだ。撮影中、人間や機材を、鳥たちがまるで自分たちの仲間のように捉えていることを感じて、多くのスタッフが感動を抑え切れなかったことを告白している。彼らは鳥たちに演技を期待してはいなかった。自然の姿を撮りたかったのだ。彼らは鳥たちのみた事のない仕草や表現方法を、気長に待ち続けたのだった。

■ 飛んでいる鳥と共に飛びながら撮影 鳥の目で空を眺めることに成功!
スタッフたちは鳥たちについていくために特別の超軽量航空機を造り、17人のパイロットを雇った。アイスランドでの撮影に当たったティエリー・マシャドは、そこで一年の月日を費やした。日が経つにつれ、この撮影がいかに大それたものであるかを実感したという。ひとつのカットを撮るのに、そのつど高層気象を完璧に把握しながら、なおかつパイロットとの強い協力関係を持って行わなければならないのだった。撮影はCGを一切使わず、すべて実写で行われたのだ。だが彼らは本物のロシアの山々の上を飛んでも、嵐の海を飛んでいても、怖くもなければ、目がくらむこともなかったという。なぜなら彼らは鳥の群れの真ん中を飛んでいたからだ。それで安全であるような気持ちになった事が実はとても危険だったと気づいたのは、撮影した後だった。

■ドキュメンタリーでは異例の製作費用20億円 作品のために育成された鳥は約40種1,000羽。
フランス郊外の村ボワロジェでは、この鳥たちが撮影時に人間や機械音に警戒しないように慣れさせるトレーニングが行われた。また撮影チームには高名な大学教授ら、鳥類の専門家も参集している。こうした異例の準備によって、製作費用は20億円となり、ドキュメンタリーとしては世界一の高額を記録した。だがその努力のお陰で、昨年のクリスマスシーズンに公開された本国フランスでは、280万人以上の観客を動員。記録的な数字を打ち立てた。このニュースが瞬く間に全世界に広がり、続いて公開されたヨーロッパ各国でも大ヒット、熱狂的な賞賛と感動を持って迎えられたのだった。世界の名誉ある映画賞にも名を連ね、セザール賞では見事、編集賞を受賞した。

ストーリー

渡り鳥の物語は、“必ず戻って来る”という約束の物語。

北半球に春が訪れると、鳥たちは、生まれ故郷である 北極の地を目指して飛び立つ。
昼夜を問わず、休む暇なく飛び続ける鳥たちもいれば、宿泊地を定めながら、日々努力を繰り返し、はるか彼方、約束の地を目指す鳥もいる。 やっと親鳥の元を離れた幼い鳥たちも、時には親鳥からはぐれて、たったひとりで見知らぬルート、熱帯地方の回帰線を羽ばたかねばならないかもしれない。    
一度も経験したことのない数千キロにもおよぶ空の道を、間違えることなく飛び続け、約束の地に到着する神秘、これはいったい何か?   
やがて北半球に新しい春が訪れると、渡り鳥は様々な困難を乗り越えて、あの空のルートを再び辿って、今年もまた“戻ってくる”という約束を守る。

スタッフ

総監督:ジャック・ペラン
監督:ジャック・クルーゾ、ミッシェル・デバ
音楽:ブリュノ・クレ
挿入歌 トゥー・ビー・ユア・サイド/
   ニック・ケイブ マスターズ・オブ・ザ・フィールド/
   ロバート・ワイアット
編集:マリー=ジョゼフ・ヨヨット
撮影:ミッシェル・ベンジャミン、シルヴィー・カルセド、 ローラン・シャルボニエ、
   リュック・ドリオン、 ローラン・フルト、フィリップ・ガルギ、
   ドミニック・ジャンティ、 ベルナール・リュティック、 ティエリー・マシャド、
   ステファンヌ・マルタン、 ファブリス・モワンドロ、 ミッシェル・テラス、
   ティエリー・トマ、エルンスト・サス
録音:フィリップ・バルボー、ジャン=バプティスト・ブノワ、
   ポロ=ドゥ・ジェジュ、ドゥニ・ギレム、
   ジェラール・ランプ、ローラン・カグリオ
プロデューサー:ジャック・ペラン、クリストフ・バラディエ
エグゼクティブ・プロデューサー:ジャン・ドゥ・トレゴマン
労使協調:イヴェット・マレ
製作:オリ・バルベ
製作協力:レインハルド・ブルンディ、 カール・ボウムガートナー、ジャン=マルク・アンショ、
   ジョゼ=マリア・モラル、アンドレア・オシピンティ、 ジャン・ラバディ、
   ダニエル・デローム、イヴ・ロベール
共同制作:ガレテフィルム、フランス2シネマ、 フランス3シネマ、
   バックフィルム、 ラ・ゲヴィル・プロダクションズ、パンドラフィルム、
   WDR、フィルムスティフトゥンNRW、ワンダーヴィジョンS.A、 アイスクリーンS.R.L、
   JMHプロダクション、 スイス・ロマンドテレビ、
協力:カナル・プリュス、CNC国立映画センター

キャスト

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す